lalah hathaway 024

レイラ・ハサワエイ、お久しぶりの8作目。約6年ぶり、とのコトだけれど、その間にやたら貫禄がついちゃって、ちょっとコワイほどの女帝感。でも彼女ももう50歳代半ばだから、当然といやぁ当然か。ただダニー・ハサウェイの愛娘という出自はもちろん、ジェフ・ローバーやアンドレ・フィッシャーのプロデュースでデビューしたり、ジョー・サンプルとの共演盤があったりして、いつも何処かサラブレッド的イメージがあった。初期のアルバム・ジャケットもお嬢様感が漂うモノだったから、こりゃあチョッとコワすぎるって…

故に結構ヒップホップ・ソウル的展開なのかと思いきや、リード曲<No Lie>は、マイケル・マクドナルドをフィーチャーしたアーベインなミディアム。もしコレを聴いてなかったら、多分アルバムはスルーしてただろうな。

CommonとRapsodyをフーチャーした序曲風<BLACK.>に始まる全16曲に、MCライトや Willow などの参加曲があり、中にはジェラルド・アルブライトがサックスを吹き倒す<Lower>なんてナンバーも。最近はトンとソウル/R&Bシーン最前線から遠ざかってしまっている自分なので、フィル・ボードロー、アリーザ、エリック・ドーキンスといった制作陣との馴染みは薄い。それでもミディアム〜スロウ・チューンを中心に構成したあたりがウマくハマったようで、ジワジワ来る低温燃焼感覚がある。<I Am>や<Higer>といったアップ・チューンも、レイラのロウ・ヴォイスをうまく生かした作り。それがいつでもジックリ浸りたくなるタイムレス感覚に繋がっている。

新生スタックスからアルバムを出していた時期もあったレイラなのに、近作は低迷。今度は時間をかけて丁寧に創ったことが伝わる内容なのに、アートワークがちょっと残念。『VANTABLACK』の vanta とは vantage のことらしく、つまりは “黒人優位”。だからこんな、らしいけど…





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VANTABLACK
Lalah Hathaway
Sono Recording Group
2024-06-14

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