
レコードコレクターズ8月号、メイン特集『ポップ史を塗りかえた1984年を振り返る』と、第3特集『山川恵津子』に執筆参加しています。1984年特集は、同年にリリースされたロック、ポップス、ソウル系の歌モノ作品から、執筆陣それぞれが30枚ずつリストアップ。そこから編集部が138枚に絞り込んだモノを掲載。自分が送ったリストからは数枚外れたものの、結構の高打率と言えそう。実際の執筆担当は、マドンナ、チャカ・カーン、チェンジ、フィリップ・ベイリー、ドン・ヘンリーの5枚。
特集を見ていただけば分かるが、84年というのは、様々な音楽ジャンルやスタイルが入り乱れながら、大きく時代転換を果たしていった年である。大雑把に言えば、70年代的なロックが弱体化し、いま80'sとしてシンボリックに語られるサウンドやアーティストが一気に台頭してきた。顕著なのが英国勢の隆盛。新人もいればポスト・パンクのニュー・ウェイヴ勢もいたが、実はそれを牽引したのが、82〜83年にエポック・メイキングな作品を出したデヴィッド・ボウイやロキシー・ミュージック、イエス、ジェネシスといった大物たちだったコトは指摘しておきたい。レコーディング手法や電子楽器の進化を真っ先に取り入れてヒット作を産み落とした彼らの影響が、若手や新人に波及し始めたのが84年なのだ。
当ブログ的に言えば、AOR的名盤がほとんど生まれなくなり、当時のブラック・コンテンポラリーに興味が移っていった時期。打ち込み否定派も多かったが、自分としては、納得できるクオリティや必然性のある仕様であれば容認するスタンスだったので、チャカ『I FEEL FOR YOU』や、ジミー・ジャム&テリー・ルイスの最初期プロデュース作品であるチェンジ『CHANGE OF HEART』には飛びついた。フィリップ・ベイリー『CHINESE WALL』も、フィル・コリンズありき。マドンナとボウイがナイル・ロジャースで繋がっているのは言うまでもないけど、ドン・ヘンリー『BULDING THE PERFECT BEAST』だって、ギター・シンセサイザーやポリフォニック・シンセが印象的なアルバムだった。特集冒頭に登場するヴァン・ヘイレン『1984』の<Jump>も、それが象徴的な曲だったし。こうしたテクノロジーの進化と連動するように、MTVという新しいメディアが生まれたのもこの年。そんな様々な交錯が顕著な、時代の移り変わりを実感できたのが1984年だった。
山川恵津子特集は、ベストセラーを記録している自伝『編曲の美学 〜アレンジャー山川恵津子とアイドルソングの時代』、ビクターとポニーキャニオンから出た2組のコンピレーション『編曲の美学〜山川恵津子の仕事』の発売に連動してのもの。アイドル物や歌謡曲には疎い自分なので、彼女の名曲32選から、シティポップ寄りな東北新幹線、八神純子、風見律子、羽根田征子、児島未散の5曲をレビューしている。個人的お付き合いから、気安く「恵津姐」なんて呼んじゃってるけど、ホントはリスペクトすべき大先生なんだよなぁ〜
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《Tower Records はココから》
当ブログ的に言えば、AOR的名盤がほとんど生まれなくなり、当時のブラック・コンテンポラリーに興味が移っていった時期。打ち込み否定派も多かったが、自分としては、納得できるクオリティや必然性のある仕様であれば容認するスタンスだったので、チャカ『I FEEL FOR YOU』や、ジミー・ジャム&テリー・ルイスの最初期プロデュース作品であるチェンジ『CHANGE OF HEART』には飛びついた。フィリップ・ベイリー『CHINESE WALL』も、フィル・コリンズありき。マドンナとボウイがナイル・ロジャースで繋がっているのは言うまでもないけど、ドン・ヘンリー『BULDING THE PERFECT BEAST』だって、ギター・シンセサイザーやポリフォニック・シンセが印象的なアルバムだった。特集冒頭に登場するヴァン・ヘイレン『1984』の<Jump>も、それが象徴的な曲だったし。こうしたテクノロジーの進化と連動するように、MTVという新しいメディアが生まれたのもこの年。そんな様々な交錯が顕著な、時代の移り変わりを実感できたのが1984年だった。
山川恵津子特集は、ベストセラーを記録している自伝『編曲の美学 〜アレンジャー山川恵津子とアイドルソングの時代』、ビクターとポニーキャニオンから出た2組のコンピレーション『編曲の美学〜山川恵津子の仕事』の発売に連動してのもの。アイドル物や歌謡曲には疎い自分なので、彼女の名曲32選から、シティポップ寄りな東北新幹線、八神純子、風見律子、羽根田征子、児島未散の5曲をレビューしている。個人的お付き合いから、気安く「恵津姐」なんて呼んじゃってるけど、ホントはリスペクトすべき大先生なんだよなぁ〜

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