state cows_2nd one redux

ステイト・カウズが2013年にリリースしたセカンド・アルバムで、
彼らの代表作ともなった『THE SECONDONE』再訪盤。
北欧AORシーンの牽引役となっただけでなく、
休眠していたUSシーンのAOR好きを目覚めさせる契機にもなった彼ら。
その熱きスピリットが、この一枚に詰まっている。


ギター/ヴォーカルのダニエル・アンダーソンと、キーボードのステファン・オロフソン。スウェーデン発のAORユニット:ステイト・カウズが日本デビューしたのは、2011年10月のこと。しかし当時はパーマネントなユニットとして結成したワケではなく、その1stアルバムが予想を遥かに越える評判を取ったことから、2ndを作る流れになった。書きかけのままだった楽曲の断片を精査して仕上げ、そこに新曲を追加して出来上がったのが、2013年発表『THE SECOND ONE』である。

この2作目は、デビュー作の評判を受け、かなり高い期待値で熱く迎えられた。でも原盤を出した独レーベルの事情か、市場に出回った期間が少々短く、後続アルバムが出ると埋もれてしまった。メンバーも楽曲自体は気に入っていたが、制作面は納得できておらず、チャンスがあれば作り直したいと思っていたらしい。そこで後発だった日本盤のみのボーナス・トラックを標準収録とし、すべての楽曲をリミックス。この10年後の再構築ヴァージョン『THE SECOND ONE REDUX 』が誕生した。

ゲスト・ミュージシャンにはジェイ・グレイドン、マイケル・ランドウ、イアン・ベアンソン(元パイロット〜アラン・パーソンズ・プロジェクト)、ピーター・フリーステット、スヴェン・ラーソンというギタリスト5人衆に、ビル・チャンプリンも1曲リード・ヴォーカルを取る。オーレ・ブールドのバンドでベースを弾くラーズ・エリック・ダールも、1曲プレイしている。

では再訪でどんな所が新しくなったのか? ダニエルによると、重要視していたのは、ゲスト・アーティスト参加曲を完璧に仕上げること。例えば、ジェイ・グレイドンのギター・ソロにフューチャーした<In the City>は、彼の膨大な回数のオーヴァーダビングのせいで、サウンド・クオリティが落ちてしまっていたらしい。しがない若手インディー作では、それを完璧にする予算などなかったのだろう。それがRedux版では、大幅に整理されてスッキリ聴きやすくなった。

アートワークも一新され、生成AIを使ったデザインが載っている。AORが廃れていたUS音楽シーンにペイジ99が登場したのも、彼らステイト・カウズの影響から。北欧AORシーンを語る上で、今や絶対に無視できないユニット、それがステイト・カウズなのである。



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