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鈴木茂・小原礼・林立夫・松任谷正隆による古希デビューの和製ロック・カルテット、SKYEの第2作。ニューオーリンズを訪れた脱力系スティーリー・ダンみたいな楽曲がいきなり流れてきて、このオッサンたちは何処まで本気?と思っちゃうけど、テキトーなようでさり気なく気合が入っているのがこの世代。セッション・ワークの達人集団だから、強い主張なんて誰もしない。けれどその分、コダワリは強くて、イヤことは絶対やらんというタイプ。そういうスタンスに、思わずニヤリとしちゃうんだよな。

収録された全14曲は、すべて各メンバーが持ち寄った新曲。中心はマンタ(松任谷)さんと礼さんで、林立夫は作詞で貢献。茂さんは単独提供はなく、松任谷・小原・鈴木で3曲共作しているのみ。でも楽曲提供はなくても、ギター・ソロはなかなかアグレッシヴで、スライド・ギターは相変わらず艶っぽく。サポートには、ライヴにも参加しているガールズ・ホーンズ、市原ひかり (tp)、小林香織 (sax)、駒野逸美 (tb) が入っている。

音楽的には、シンプルで飾り気のない70'sのおっさんロックだけれど、その手の音楽の酸いも甘いも知り尽くしている人たち。ビートルズ風、ストーンズ風、フォーキー、スワンプ、いろいろあるけど、聴く人が聴けば直ぐに馴染んでしまう音だ。でも若いロック・ミュージシャンが同じことを演ろうとしても、こうはならない。譜面に落としてその通りプレイしても、この味は再現できない。だからこそ面白い。おっさんたちのゆる〜い気概を秘めた歌詞も、なんかイイです。





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Collage
SKYE
日本コロムビア
2024-07-24

《Tower Record はココから》