先月のJAZZ FUSION SUMMITでのパフォーマンスが凄まじく良かったので、大きな期待を抱いて観に行ったThe Jazz Avengers 初のワンマン・ホール公演 @ LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)。映像を使った壮大なイントロダクション、巨大なロゴのイルミネーションに、リズム隊個々のヒナ壇、そして派手な演出と、大きなステージじゃないとできないコトが詰まっていて、さすが初モノ。そりゃーエンタメ色の強いロックやポップ・アクトのライヴは数多く見てきたけれど、今のJ-フュージョンでココまでできるアーティストは他にいないだろう。The Jazz Avengers はデビュー2作目にして、J-フュージョン系トップ・バンドの全盛期に肩を並べるところまで来てしまった。
その勢いは、止まるところを知らず。…と言いたいのだが、サスガにそこは緊張感が先走ったか。<J-FUNK>で幕を切ったはイイが、ちょっと演奏が硬いようだ。何処が良くない、という明確な指摘はできないほどの細かい部分だが、あまり気持ちに余裕がないというか、ぎこちない感じ。JAZZ FUSION SUMMITは超ベテラン勢が何組も後ろに控えていたので、「自分たちも楽しんじゃえ〜」「行けるところまで行ったれ〜」という開き直りを感じたけれど、今日はすべてが自分たちに降りかかってくる。そういう心の内が、パフォーマンスに表れてしまったのかな。
それにステージに立っているのは7人。1人足りない。そう、サックスのWAKANAがいないのだ。2作目『8 STEPS』完成後は産休を取っていて、JAZZ FUSION SUMMITが復帰後の初仕事だったが、顔見知りだけに、「あれ 何かあったかな」とチョイ心配に。1曲終えてすぐに、リーダー川口千里ちゃん (ds) によるメンバー紹介MCが入ったが、そこでは何の言及もなく。だから勝手に「後で出てくるんだろう」と解釈したが、産休を知るファンの中には心配になったヒトもいたようなので、早くに説明があったほうが、みんな安心してライヴに心を委ねられたかもしれない。と同時に、メンバーの中で姉御的ポジションにいるWAKANAの存在感を、ヒシと感じたりもして。
…とはいえ、ステージが進むとメンバーの緊張もほぐれてきたようで、リズム隊抜きでサックス重奏を効かせる<アイドル>、アヴェレージ・ホワイト・バンドのカヴァー<Pick Up The Pieces>あたりからエンジンが掛かってきた。そのままアッという間に前半ラストに突入し、デビュー時からの彼女たちのサウンド・プロデューサーを担う安部潤さん提供の<Funkadelic Muse>で、怒涛のプレイを繰り広げた。
ホール公演でインターヴァルが入るのは少々珍しい気がしたけれど、今までライヴハウス主体の活動だったからかな?とか、今回は主催が民音だから年配会員への配慮か?、とか、考えを巡らす。でも一番の理由は、ガールズ・バンドらしくお化粧直しだったかも 実際 休憩明けは、お揃の白系スーツからデニム系のカジュアルな格好に着替えて再登場。エゲつないプレイでリスナーを驚かせるJazz Ave.の、女子バンドらしさを垣間見せた。もっとも彼女たちのオフ・ステージの素の姿を多少なりとも知っていると、ホントにみんな仲が良くて、なおかつ自由でけたたましいんだけど… それでいてリーダーが号令をかけると、ササッとまとまる秩序の良さ。こういうところ、ある意味 一種の女子力みたいなモノが、迸るようなバンドの勢いを生み出しているんだろうと。それこそ演奏スキルだけじゃなく、はたまた男所帯のグループとも違うサムシング。今後長く活動すれば、女性ならではの壁にぶつかるコトもあると思うが、それを救うのは、この結束力じゃないだろうか。そんな気がした。元を辿れば、千里ちゃんに依頼が来た海外ツアーのために急遽集まったメンツだった(しかもそのツアーはコロナで中止)のに、この全員のコンビネーション、それぞれの持ち味のハマリ具合は、ちょっと言葉にできない。
<Anony>で再開し、<Why Not>と続いたステージは、後半3曲目<Cradle>でようやくWAKANA登場へ。フル・ラインアップが揃ってブースターが効いたか、ヴォルテージが一段上がった感覚だ。メンバーもオーディエンスも興が乗ってきて、一気にラスト・スパート。ここからはホントにアッと言う間にラストまで駆け抜けた感じで、名演と呼ぶにふさわしかったJAZZ FUSION SUMMITでのパフォーマンスに引けを取らなかった。
女子高生ドラマーにして手数王として知られた千里ちゃんは言うに及ばず、スラップもキャラもダイナマイトな Junaこと芹田珠奈、一番冷静にバンドを見てそうなインテリジェントkyd奏者:竹田麻里絵、天然キャラで切れ味鋭いギターを弾き倒す瀬川千鶴という4リズム。これ対してフロントに立つサックス、寺地美穂、WAKANA、中園亜美、米澤美玖は、それぞれソロ活動を展開しているコトもあって、あくまで4管アンサンブルに軸足を置く。それでいて誰がアドリブを取っても華があり、ピックアップで掛け合ってもナイス。ブロウしながらステージを動き回って盛り上げるのも、彼女たちの役割だ。最後はステージを駆け下り、4人それぞれに客席を練り歩いたりも。アンコールは既に定番化している<Unite>で、賑々しくショウをハネた。
イヤぁ、終わってみれば実にJazz Ave.らしい、笑顔いっぱいのライヴで。こういう大きなステージは、場数を踏めば、自然に空気が掴めるようになっていくもの。彼女たちが本番直前のテンションさえも丸ごと楽しめるようになるのは、もう時間の問題だろう。フュージョン・ファンで、まだジャズ・アヴェを聴いてない人は、どうぞ乗り遅れませんように。
【Set List】
1. J-Funk
2. Exploration
3. Tell Me
4. アイドル
5. Pick Up The Pieces
6. Funkadelic Muse
-- intermission --
7. Anono
8. Why Not?
9. Cradle
10. 8 STEPS
11. As You Like
12. Sphere
-- Encore --
13. Unite
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それにステージに立っているのは7人。1人足りない。そう、サックスのWAKANAがいないのだ。2作目『8 STEPS』完成後は産休を取っていて、JAZZ FUSION SUMMITが復帰後の初仕事だったが、顔見知りだけに、「あれ 何かあったかな」とチョイ心配に。1曲終えてすぐに、リーダー川口千里ちゃん (ds) によるメンバー紹介MCが入ったが、そこでは何の言及もなく。だから勝手に「後で出てくるんだろう」と解釈したが、産休を知るファンの中には心配になったヒトもいたようなので、早くに説明があったほうが、みんな安心してライヴに心を委ねられたかもしれない。と同時に、メンバーの中で姉御的ポジションにいるWAKANAの存在感を、ヒシと感じたりもして。
…とはいえ、ステージが進むとメンバーの緊張もほぐれてきたようで、リズム隊抜きでサックス重奏を効かせる<アイドル>、アヴェレージ・ホワイト・バンドのカヴァー<Pick Up The Pieces>あたりからエンジンが掛かってきた。そのままアッという間に前半ラストに突入し、デビュー時からの彼女たちのサウンド・プロデューサーを担う安部潤さん提供の<Funkadelic Muse>で、怒涛のプレイを繰り広げた。
ホール公演でインターヴァルが入るのは少々珍しい気がしたけれど、今までライヴハウス主体の活動だったからかな?とか、今回は主催が民音だから年配会員への配慮か?、とか、考えを巡らす。でも一番の理由は、ガールズ・バンドらしくお化粧直しだったかも 実際 休憩明けは、お揃の白系スーツからデニム系のカジュアルな格好に着替えて再登場。エゲつないプレイでリスナーを驚かせるJazz Ave.の、女子バンドらしさを垣間見せた。もっとも彼女たちのオフ・ステージの素の姿を多少なりとも知っていると、ホントにみんな仲が良くて、なおかつ自由でけたたましいんだけど… それでいてリーダーが号令をかけると、ササッとまとまる秩序の良さ。こういうところ、ある意味 一種の女子力みたいなモノが、迸るようなバンドの勢いを生み出しているんだろうと。それこそ演奏スキルだけじゃなく、はたまた男所帯のグループとも違うサムシング。今後長く活動すれば、女性ならではの壁にぶつかるコトもあると思うが、それを救うのは、この結束力じゃないだろうか。そんな気がした。元を辿れば、千里ちゃんに依頼が来た海外ツアーのために急遽集まったメンツだった(しかもそのツアーはコロナで中止)のに、この全員のコンビネーション、それぞれの持ち味のハマリ具合は、ちょっと言葉にできない。
<Anony>で再開し、<Why Not>と続いたステージは、後半3曲目<Cradle>でようやくWAKANA登場へ。フル・ラインアップが揃ってブースターが効いたか、ヴォルテージが一段上がった感覚だ。メンバーもオーディエンスも興が乗ってきて、一気にラスト・スパート。ここからはホントにアッと言う間にラストまで駆け抜けた感じで、名演と呼ぶにふさわしかったJAZZ FUSION SUMMITでのパフォーマンスに引けを取らなかった。
女子高生ドラマーにして手数王として知られた千里ちゃんは言うに及ばず、スラップもキャラもダイナマイトな Junaこと芹田珠奈、一番冷静にバンドを見てそうなインテリジェントkyd奏者:竹田麻里絵、天然キャラで切れ味鋭いギターを弾き倒す瀬川千鶴という4リズム。これ対してフロントに立つサックス、寺地美穂、WAKANA、中園亜美、米澤美玖は、それぞれソロ活動を展開しているコトもあって、あくまで4管アンサンブルに軸足を置く。それでいて誰がアドリブを取っても華があり、ピックアップで掛け合ってもナイス。ブロウしながらステージを動き回って盛り上げるのも、彼女たちの役割だ。最後はステージを駆け下り、4人それぞれに客席を練り歩いたりも。アンコールは既に定番化している<Unite>で、賑々しくショウをハネた。
イヤぁ、終わってみれば実にJazz Ave.らしい、笑顔いっぱいのライヴで。こういう大きなステージは、場数を踏めば、自然に空気が掴めるようになっていくもの。彼女たちが本番直前のテンションさえも丸ごと楽しめるようになるのは、もう時間の問題だろう。フュージョン・ファンで、まだジャズ・アヴェを聴いてない人は、どうぞ乗り遅れませんように。
【Set List】
1. J-Funk
2. Exploration
3. Tell Me
4. アイドル
5. Pick Up The Pieces
6. Funkadelic Muse
-- intermission --
7. Anono
8. Why Not?
9. Cradle
10. 8 STEPS
11. As You Like
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