the president_muscles

熱心なAORフリークに知られるオランダのユニット、ザ・プレジデントの85年2ndが、韓国Big Pinkで初リイシュー(紙ジャケ仕様)。その国内仕様盤が出た。リアルタイムでオランダ盤CDが出ていたけれど、当然レア。日本ではCDどころかLPもスルーされたが、ザリガニ・ジャケでAORファンに広く愛されたデビュー盤からドラスティックに路線を変えてしまったので、あまり惜しまれるコトもなかったような…。自国で実績のあるミュージシャンが組んだユニットなので、シッカリと作り込んではあるのだけれど、ハヤリを追っているうちに、自分たちが帰るべき場所を失くしてしまったか。イヤ当人たちはそんなこと微塵も考えていないと思うけど。

ザ・プレジデントは、ダッチ・プログレとして知られるカヤックの初期メンバーだったピム・クープマンが、自身のリーダー・バンドであるディーゼルを経て、82年に立ち上げたツー・メン・ユニット。相方のオッキー・ハイスデンスも、70年代以前から活動するシンガー/kyd奏者で、オランダ時代のエリック・タッグも参加したプロジェクト:レインボー・トレインで活動。その後、世界的ヒットを記録したディスコ向けカヴァー・プロジェクト:スターズ・オン45に名を連ね、『ショッキング・ビートルズ』(81年)でポール・マッカートニー役を担当した。

ザ・プレジデントとしての83年1st『BY APPOINT OF..』は、オランダ産とは思えぬほどのナイス・ウエストコースト・サウンドで、オッキーのドン・ヘンリー張りのヴォーカルが印象深く。3〜4曲、超ド級の名AORチューンが入っていて、ポール・ブリス率いるブリス・バンドのドラマチックなナンバーをカヴァーしているところもポイントが高かった。

だからこの2作目にも期待が高まったワケだが、時すでにAOR衰退期。元々それぞれにポップ志向が強い2人だから、さっさとトレンドを捕まえて、産業寄りのポップ・ロックにシフトしたのは当然かもしれない。曲によってラヴァーボーイ、サヴァイヴァー、ナイト・レンジャーなんてトコロを思い出したり、カッティング・クルーを先取りしたような感覚も。中にはニュー・ウェイヴ寄りの曲がいくつかあって、カーズあたりを意識したところもあるが、シンセとドラム・パッドで固めたエレポップ・チューンもあって、そこはビミョ〜。前作に参加していた元ディーゼルのギター:バス・クランバーマンが今回も滅法キレのあるギターを弾いているので、そういうのをもっと生かすべきだったのに、と思わされる。それでいて、時折 前作のAORテイストの残り香を漂わせたり。同じAOR好きでも、前作の甘酸っぱい哀愁感を期待した人はコケてしまったが、元々80'sロック好きの人だと、コレはコレでアリ、と評価の分かれるところだ。確かに前作に比較しなければ、なかなかバランスの良い80'sロックなんだな。

結局 ザ・プレジデントはこの2作で終わったが、クープマンは99年のカヤック再編に合流。しかしその10年後に心臓疾患で、オッキーも2014年に鬼籍に入っている。追って1stもBig Pinkで再発されるらしいよ。

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2024-07-31

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