city pop groovy 90's

約15000字という大きな文章を脱稿。それに取り掛かっていた間は、誰かの新作とかを聴くのは半ばお預け状態で。もっともコレを抜けたところで、盆休み明け締切がいくつかあるのでノンビリはできないが、気持ち的に切羽詰まった感は脱したので、このコンピを聴いてみた。ラジオ番組『シティポップ・コネクション』で月交代で喋っている栗本斉クンの企画・監修・選曲によるCD2枚組コンピレーション『CITY POP GROOVY '90s Girls & Boys』。昨年発売された『CITY POP STORY』の90年代版であり、同時に彼が書いたベストセラーのディスクガイド『「シティポップの基本」がこの100枚でわかる!』『「90年代J-POPの基本」がこの100枚でわかる! 』とも連動しているスグレものである。

収録曲は以下の通り。

《収録内容》
[DISC 1 - Girls Side]
1. いつかきっと/古内東子  from album『Hourglass』(1996)
2. 淡い季節のサングラス/野田幹子  from album『Rose C'est La Vie』(1991)
3. 6月の雨/谷村有美  from album『PRISM』(1990)
4. WANDER/障子久美  from album『RHYTHM OF SILENCE』(1990)
5. Swingin' the Swing/五島良子  from album『THE MUSICAL CHIMES』(1997)
6. まわれ まわれ/比屋定篤子  from album『ささやかれた夢の話』(1999)
7. あなたがそばにいる理由(わけ)/奥居 香  from album『Renaissance』(1994)
8. MOON CHILD/ICE from album『WAKE UP EVERYBODY』(1994)
9. 私達を信じていて/Cindy from album『Angel Touch』(1990)
10. 夏よ風よ/かの香織  from album『裸であいましょう』(1995)
11. BABY CRY/佐藤聖子  from album『CRYSTAL』(1995)
12. 昨日見た夢のように/平岩英子  from album『Airium』(1997)
13. Candy/具島直子  from album『miss. G』(1996)
14. 夢で逢いましょう/井上睦都実  from album『夢で逢いましょう』(1993)
15. Back for free, do the freak/Sugar Soul from album『on』(1999)

[DISC 2 - Boys Side]
1. Feel Alright!/MOOMIN from album『In My Life』(1998)
2. RAIN DOLPHIN/有賀啓雄  from album『Umbrella』(1992)
3. 真夏の奇蹟/THE BOOM from album『FACELESS MAN』(1993)
4. 双子座グラフィティ/キリンジ  from album『ペイパードライヴァーズミュージック』(1998)
5. DAY BY DAY/benzo from album『DAYS』(1999)
6. Edo River/カーネーション  from album『EDO RIVER』(1994)
7. 休日 〜Holiday〜/The CHANG from album『ACTON』(1996)
8. ウルフ/ゴスペラーズ  from album『MO' BEAT』(1997)
9. I & I/貴水博之  from album『sun』(1995)
10. ENDLESS SUMMER NUDE/真心ブラザーズ  from album『I will Survive』(1998)
11. Bad Girl/NONA REEVES from album『Friday Night』(1999)
12. メロディ/KAITA from album『KAITA』(1996)
13. 風に抱かれて/SING LIKE TALKING from album『Togetherness』(1994)
14. 見慣れた微笑みで/THE SHAMROCK from album『CHEERS』(1992)
15. Sherry's humming/E-ZEE BAND from album『Hummingbird』(1996)

自分は以前から、シティポップを洋楽AORの日本的展開、と捉えてきた。だから80年代末以降のJ-POPには、そうしたAOR的要素をあまり感じ取れなくなり、ベテラン勢などひと握りを除いて、積極的に聴かなくなってしまった。でもその時代でも、アルバムを丹念に拾っていけば、そういう部分をシッカリ守っていたアーティストは、ソコソコいたんだよね。栗本クンやRYUSENKEIクニモンド君なんかは、それを自然体で受け止めていた世代。だからこのディケイドの和モノ系譜になると、自分は彼らにネタを教えてもらっている感覚になる。

実際ココに入っている30組のうち、自分がオンタイムで聴き親しんでいたのは、それこそ半分にも満たぬほど。アーティストは知ってるがロクに聴いてない、ヒット曲しか知らない、そんなパターンが多い。だから新鮮に聴けるのだ。でもきっと、この時代のJ-POPをよく知っている世代でも、コレはシティポップ的センスでセレクトされているコンピだから、“この人、こんな曲歌ってたんだ” という発見が多いのではないかな

かと言って、今の20歳代のシティポップ拡大解釈に、自分が無理くり同調してしていくつもりなんてナイけれど。でも「それはシティポップじゃないよ」と、排他的に線を引くのは違うと思っている。世代や時代ごとの感覚の差はシッカリと伝えつつ、そこに優劣をつけるんじゃなく、その推移を総合的に楽しんでしまう、そういう聴き方をしたい。

なおこのコンピ、アナログ限定2枚組も出ているが、そちらは全18曲収録なので要注意です。

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2024-08-07

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