ポリスが83年に発表した５作目にして金字塔的作品『SYNCHRONICITY（シンクロニシティー）』を、40周年記念の Super Deluxe Edition６CD BOXで。ポチるかどうか迷ったけれど、輸入盤ならかなりリーズナブルなので、それで行ったれ！と。64ページの豪華ブックレット、スリップケースに入ったアートプリント４枚などはどちらも同じだし。そもそも国内流通盤もディスクを国内プレスのSMH-CDに入れ替えているだけで、外回りは輸入盤を流用しているようだし、日本語ライナーや対訳さえ我慢すれば輸入盤で充分。購入先をよく検討すれば、日本盤の半額近くでゲットできる。
肝心の６枚組の内容は、disc-1はオリジナル『SYNCHRONICITY』の最新リマスター。ヒュー・パジャムの創った音は、40年経った今も全然鮮度を失っていない。空間的で音が浮遊しているような感覚は、ローファイかつ密閉感の高い最近のサウンドメイクより、よっぽど近未来的だ。LP時代は未収だった＜Murder By Numbers＞も、しっかりアルバム最後に入っている。
disc-2は、Ｂサイド＋ボーナス・トラックから成る初CD化音源集。ポリスにはデビュー作からオンタイムで触れてきた自分だけれど、好きとは言ってもアルバムを聴くぐらい。なので英国盤シングルＢ面曲なんてまったく聴いたコトがなく、これは新鮮。＜Every Breath You Take＞の歌詞を変えて85年に英TV番組で披露された＜Every Bomb You Make＞は、2023年のRecord Store Dayでシングル発売されたもの。83年のアトランタ公演を中心に、79年マイアミ公演、82年L.A.公演とライヴ音源９曲もある。謎のカラオケ２曲があったりもするが、最後に収められたスチュワート・コープランドがディレンジメント (Derangement) した２曲、＜Walking in Your Footsteps＞と＜Tea in the Sahara＞は、各種パーツを加えたりデフォルメされたり、オリジナルとは大きく異なる仕上がりが面白い。
disc-3 / 4 は、アルバムの全収録曲のデモ音源、アウトテイク、オルタナ・ミックス、インスト・ヴァージョンなど詰め込んだもので、多いと１曲４〜５テイクを紹介。それぞれの楽曲が完成形に向かって進化していくプロセスが楽しめる。こういうのはアナログ時代ならではのお楽しみで、PCのクリックひとつでどうにでもなってしまう今の時代の音源じゃ、あまり面白味がないよなぁ。＜I'm Blind＞＜Ragged Man＞はスチュワートがシンクロニシティ・セッション中にデモを録ったものの、ポリスでは手を付けなかったもの。後者は彼が関与する映画のサントラ用に再トライされたが、 結局それも未発表に終わったらしい。＜Loch＞はアンディのギター・シンセをフューチャーしたインストで、＜Synchronicity II＞のミドル・エイト用にキープされたが、それも使用されず、該当パートはアンディのギターのフィードバックが採用された。＜Goodbye Tomorrow＞は、シングル＜Wrapped Around Your Finger＞のカップリング＜Someone To Talk To＞のアーリー・ヴァージョン。アンディ作で、ヴォーカルも彼が取る。＜Truth Hits Everybody (Remix) ＞は Disc 2に入ったB面曲のアウトテイク。
ここで一番面白いのは、エディ・コクラン＜Three Steps to Heaven＞と、チャック・ベリー＜Rock and Roll Music＞のカヴァーだ。これはシンクロニシティ・セッションの終盤にレコーディングされたものだとか。当時メンバーは、50年代ヒット・ソングのカヴァー・アルバム制作を考えていたそうで、それに向けてのものだったらしい。ところがこの企画はそれ以上発展せず。ヒュー・パジャムが録っているからサウンド的は面白いものの、ライヴでお遊びや盛り上げ用に演るならまだしも、このアイディアは捨ててしまって正解だったと思うな。
そしてdisc-5 / 6 は、83年9月のオークランド・コロシアムでのライヴ録音19曲。ビル・グレアム主催の恒例イベント：Day on The Greenに出演した時のライヴで、６万人近いオーディエンスを前に怒涛のパフォーマンスを繰り広げている。シンクロニシティ・ツアーが始まって間もない頃らしく、３人もまだ前のめりでステージに立っているのだろう。その勢いや意気込みがダイレクトに伝わってくる。これは貴重なライヴ音源だ。
…というワケで、何度も聴き直してしまうような価値あるボックス。１回聴いただけでレコード棚の肥やしになってしまいかねない水増しボックスが蔓延っている中、これはお値段に充分見合ったデラックス・エディションと言える。CD２枚組／アナログ４枚組エディションには、 disc 1 / 2 が入っています。
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《Tower Records はココから》
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disc-2は、Ｂサイド＋ボーナス・トラックから成る初CD化音源集。ポリスにはデビュー作からオンタイムで触れてきた自分だけれど、好きとは言ってもアルバムを聴くぐらい。なので英国盤シングルＢ面曲なんてまったく聴いたコトがなく、これは新鮮。＜Every Breath You Take＞の歌詞を変えて85年に英TV番組で披露された＜Every Bomb You Make＞は、2023年のRecord Store Dayでシングル発売されたもの。83年のアトランタ公演を中心に、79年マイアミ公演、82年L.A.公演とライヴ音源９曲もある。謎のカラオケ２曲があったりもするが、最後に収められたスチュワート・コープランドがディレンジメント (Derangement) した２曲、＜Walking in Your Footsteps＞と＜Tea in the Sahara＞は、各種パーツを加えたりデフォルメされたり、オリジナルとは大きく異なる仕上がりが面白い。
disc-3 / 4 は、アルバムの全収録曲のデモ音源、アウトテイク、オルタナ・ミックス、インスト・ヴァージョンなど詰め込んだもので、多いと１曲４〜５テイクを紹介。それぞれの楽曲が完成形に向かって進化していくプロセスが楽しめる。こういうのはアナログ時代ならではのお楽しみで、PCのクリックひとつでどうにでもなってしまう今の時代の音源じゃ、あまり面白味がないよなぁ。＜I'm Blind＞＜Ragged Man＞はスチュワートがシンクロニシティ・セッション中にデモを録ったものの、ポリスでは手を付けなかったもの。後者は彼が関与する映画のサントラ用に再トライされたが、 結局それも未発表に終わったらしい。＜Loch＞はアンディのギター・シンセをフューチャーしたインストで、＜Synchronicity II＞のミドル・エイト用にキープされたが、それも使用されず、該当パートはアンディのギターのフィードバックが採用された。＜Goodbye Tomorrow＞は、シングル＜Wrapped Around Your Finger＞のカップリング＜Someone To Talk To＞のアーリー・ヴァージョン。アンディ作で、ヴォーカルも彼が取る。＜Truth Hits Everybody (Remix) ＞は Disc 2に入ったB面曲のアウトテイク。
ここで一番面白いのは、エディ・コクラン＜Three Steps to Heaven＞と、チャック・ベリー＜Rock and Roll Music＞のカヴァーだ。これはシンクロニシティ・セッションの終盤にレコーディングされたものだとか。当時メンバーは、50年代ヒット・ソングのカヴァー・アルバム制作を考えていたそうで、それに向けてのものだったらしい。ところがこの企画はそれ以上発展せず。ヒュー・パジャムが録っているからサウンド的は面白いものの、ライヴでお遊びや盛り上げ用に演るならまだしも、このアイディアは捨ててしまって正解だったと思うな。
そしてdisc-5 / 6 は、83年9月のオークランド・コロシアムでのライヴ録音19曲。ビル・グレアム主催の恒例イベント：Day on The Greenに出演した時のライヴで、６万人近いオーディエンスを前に怒涛のパフォーマンスを繰り広げている。シンクロニシティ・ツアーが始まって間もない頃らしく、３人もまだ前のめりでステージに立っているのだろう。その勢いや意気込みがダイレクトに伝わってくる。これは貴重なライヴ音源だ。
…というワケで、何度も聴き直してしまうような価値あるボックス。１回聴いただけでレコード棚の肥やしになってしまいかねない水増しボックスが蔓延っている中、これはお値段に充分見合ったデラックス・エディションと言える。CD２枚組／アナログ４枚組エディションには、 disc 1 / 2 が入っています。
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ポリス
Universal Music
2024-07-26
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![Synchronicity [12 inch Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/511S7iXQigL._SL160_.jpg)
スーパーデラックスエディション欲しい、もともとアルバム自体リマスターが必要かと思うくらい音がいいんで、それよりボーナストラックが聴きたいのとこのレコーディングが雰囲気が悪く、喧嘩ばかりで終わりが見えていた中このような名盤が作られたのかインタビューとか見ながら、聴くのもいいなと思いました。 
