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ペイジスの78年 デビュー・アルバム『PAGES(ファースト・ペイジス)』が、オランダの Music on Vinyl で来月アナログ・リイシュー。ココんちは、日本と並ぶAOR大国であるオランダらしく、9月にこのぺイジスとボズ・スキャッグス『SILK DEGREES』、10月にエリック・タッグ『RENDEZVOUS』を、それぞれカラー・ヴァイナルでアナログ復刻させるそうだから、気合が入ってます。でもボスとエリック・タッグは日本が先に出しているから、やっぱり日本の方がAOR大国かな でもやっぱり日本じゃ、なかなかぺイジスには行き着かないので、そこはヨーロッパの特殊事情かと(ホントに北欧でのペイジス人気がスゴイ…)。

内容については、今更なので深くは触れないけど、ペイジスが残した3枚のアルバムのうち、もっともメロウ・グルーヴっぽいのがこの1st。名曲<Who's Right, Who'S Wrong>が入ってるポップ・ロックっぽいのが2nd『FUTURE STREET』。ジェイ・グレイドン制作でフュージョン寄りのスリリングな仕上がりが3rdの『PAGES』と言えるかな。

Music On Vinyl のサイトによれば、
● 180 gram audiophile vinyl
● Sleeve with linen laminate finish
● Includes insert
● Debut album by Richard Page and Steve George, who later founded Mr. Mister
● Featuring "If I Saw You Again" and "Let It Go"
● First repress since its original 1978 release
● Limited edition of 1000 individually numbered copies on blue marbled vinyl

とのこと。国内ではタワーレコードやディスクユニオンが取り扱うようだが、1000枚限定なので、欲しい方は要予約。自分はオリジナルのアナログ盤が2枚あるので、スルーするけど。まぁ、まだこのアルバムを聴いたことがない、CDしか持ってない、という方はポチったらイイと思う。個人的には、アナログを持っている人がわざわざ買い直すほどのシロモノではない、と思うな。カラー・ヴァイナルなら欲しい、というコレクター諸氏は、お好きにしたらヨロシイけれど。

これはペイジスに関係なく、一般的なアナログ再発盤に対する自分のスタンスなのだが…

まず基本的に、当時のアナログバント最近のアナログ盤、果たしてどちらが音が良いのだろうか。そもそも、180g重量盤でカラー盤というのは、まるでベクトルが逆。音の良さを追求するなら、塩化ビニールに着色料を混入させるカラー盤はナンセンスだ。海外ではカラー盤が人気なので、なんでもカラフルにするな流れになっているが、良い音にするならブラック・ヴァイナルのままがベストらしい。

現在のレコードのカッティング技術にも疑問がある。例えば山下達郎は、かつてシングル・アルバムで発売していたものを、わざわざ2枚組にして再発している。それはレコード制作の低迷で、盤面にグルーヴ(溝)を刻むカッティング技術が当時より低下してしまったことによる。CDサイズの長尺音源をアナログ化する場合は、シンプルに収録時間の問題と言えるが、実際はそう単純な話ではない。マスタリングで音圧が上がっても、それをアナログの盤面に刻むには別の技術が必要で、音圧を上げすぎれば針が飛んでしまう。

他にもマスターテープの問題とかイロイロあるが、まぁ、そこは置いといて。それに皆さんは、そうした微細な音質の差を聴き分けられるオーディオ・システムやリスニング環境をお持ちですか? 自分のことを考えると、環境は中級レベル(ただし古い)でも、耳はちょっとポンコツかもなぁ…

ところで、ココ2回のポストで触れてきた9月売りのレコードコレクターズ誌10月号のAOR特集。クラブ方面で再評価されている<If I Saw You Again>は入っているか、お楽しみに。

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