
ロック史に残る大名曲<I'm Not In Love>で知られる10ccのグレアム・グールドマン、約4年ぶりとなるソロ7作目『 I HAVE NOTES』がイイ出来だ。10cc自体もライヴ・ツアー中心に生き延びているけれど、ゴドリー&クリームはもちろん、<I'm Not In Love>を書いたエリック・スチュワートも既に不在。グレアムが一人で看板を背負い、大所帯だった頃のギタリスト:リック・フェンらを引き連れて活動している。でも言うなれば、ヒット曲や人気曲を歌うだけの顔見せ興行で、正直、前向きなモノではない。グレアムもそこで金を稼ぎ、それを元手にこうして自分にソロ活動を続けているのだろう。それをネガティヴに捉えるのは簡単だけど、大御所バンドのほとんどは大抵そのパターン。こうして本音でやってるソロ・プロジェクトがこんなにイイなら、それでイイんじゃない?
初のソロ作は、10cc結成前の1968年。ホリーズに提供した<Bus Stop>や、ヤードバーズの出世曲になった<For Your Love>の作者ヴァージョンを収めた『THE GRAHAM GOULDMAN THING』。その後10cc時代に『ANIMALYMPICS』のサントラを担当。本格的にソロ活動を始めたのは、10ccの活動がおぼつかなくなってきたテン年代になって。それでもどこか片手間感があったけれど、何だがこのアルバムには、サラリと本気度を覗かせる。大して作り込んでいる感はないけれど、「その気になりゃ、このくらいはできるんだよ」と、プライドを見せたというか。何ってたって、誇り高き英国人だからね。
スターター<Floating In Heaven>は、旧知の間柄であるブライアン・メイとのコラボ楽曲。作曲はグレアム単独だけれど、鍵盤以外は2人で賄っている。この曲は22年にシングルで先にリリースされていて、その制作をキッカケに、このアルバムの収録曲が次々誕生した、という流れらしい。でもコレはクイーンとはまるで別物の、ゆったりアコースティックなミディアム。さらにブライアンは、ライヴ録音されたラストの<Heart Full Of Soul>でギターをプレイ。この曲のドラムはサイモン・フィリップスだけど、曲調は60年代半ばのビートルズ風で楽しい。他にもポールのアコギ曲っぽい<Couldn’t Love You More>でリンゴがドラムを叩いていたり、 同じくポールの某曲を思い出させる< Say You Love Me Tonight>ではアルバート・リーが乾いたカントリー・タッチのギター・ソロを披露する。<Play Me (The Ukulele Song)>も何処かジョージのイメージに被るし、10ccで82年にトライしたことがあるという未発表曲<I’m Lazy>も、ビートルズっぽいサウンドが飛び出す。10ccは元々ビートルズの影響をいっぱい孕んでいたけれど、グレアム・ソロでココまで表に出してくるのは、初めてじゃないかな?
また、楽しいポップ・カントリー<We're Alive>は、グレアムとベス・ニールセン・チャップマン、クラプトンの<Change The World>を書いたゴードン・ケネディ、3人の共作。アメリカン・スウィング調に仕上げられた<A Christmas affair>は、そのベスとデュエットしている。穏やかな3拍子バラード<When You Find Love>では、ハンク・マーヴィンがギターを重ねていたりも。
新しさなんて微塵もないし、気負った感もまったくない。カジュアルだけど、メロディが良くて、アレンジも自然で、いつの間にか耳に馴染んでくる。残念なのは、CDが手に入りづらいこと。やっぱりフィジカルほしい人はアナログで、ってコトなのかしらね。
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《Tower Recrds はココから》
スターター<Floating In Heaven>は、旧知の間柄であるブライアン・メイとのコラボ楽曲。作曲はグレアム単独だけれど、鍵盤以外は2人で賄っている。この曲は22年にシングルで先にリリースされていて、その制作をキッカケに、このアルバムの収録曲が次々誕生した、という流れらしい。でもコレはクイーンとはまるで別物の、ゆったりアコースティックなミディアム。さらにブライアンは、ライヴ録音されたラストの<Heart Full Of Soul>でギターをプレイ。この曲のドラムはサイモン・フィリップスだけど、曲調は60年代半ばのビートルズ風で楽しい。他にもポールのアコギ曲っぽい<Couldn’t Love You More>でリンゴがドラムを叩いていたり、 同じくポールの某曲を思い出させる< Say You Love Me Tonight>ではアルバート・リーが乾いたカントリー・タッチのギター・ソロを披露する。<Play Me (The Ukulele Song)>も何処かジョージのイメージに被るし、10ccで82年にトライしたことがあるという未発表曲<I’m Lazy>も、ビートルズっぽいサウンドが飛び出す。10ccは元々ビートルズの影響をいっぱい孕んでいたけれど、グレアム・ソロでココまで表に出してくるのは、初めてじゃないかな?
また、楽しいポップ・カントリー<We're Alive>は、グレアムとベス・ニールセン・チャップマン、クラプトンの<Change The World>を書いたゴードン・ケネディ、3人の共作。アメリカン・スウィング調に仕上げられた<A Christmas affair>は、そのベスとデュエットしている。穏やかな3拍子バラード<When You Find Love>では、ハンク・マーヴィンがギターを重ねていたりも。
新しさなんて微塵もないし、気負った感もまったくない。カジュアルだけど、メロディが良くて、アレンジも自然で、いつの間にか耳に馴染んでくる。残念なのは、CDが手に入りづらいこと。やっぱりフィジカルほしい人はアナログで、ってコトなのかしらね。
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