
先日発売されたデイン・ドナヒュー、46年ぶりのカムバック作『L.A.RAINBOW』、お陰様で大好評を呼んでいる。そりゃあ40年経ってあれだけ変わってなけりゃ、誰だって驚くよね。賢明な当ブログのお客様は、きっと誰もがそれまでワン&オンリー作だった78年『DANE DONOHUE』をお聴きになられたと思うけど、今日はそこからもう一歩深く突っ込んで、テレンス・ボイラン。そう、『DANE DONOHUE』のプロデューサーだった御仁である。
仲間うちではブーナのニックネームで呼ばれていたテレンスの、これは77年の2ndソロ。当時の邦題は『リリシズム』だった。アサイラムからのリリースで、当時はジャクソン・ブラウンに比較されたらしいが、繊細で真面目一徹のジャクソンに対し、テレンスには少しの洒落っ気があって、甘美なコード・ワークとゆらめくビートに哀愁感が心地良い。すなわち音楽性としては、ジャクソンとネッド・ドヒニーの中間を行くような…。かつて一緒にバンドを組んでいた兄ジョンは、プロデューサーとして知られている。
ニューヨーク郊外のバード・カレッジに通ったテレンスは、やがて親しくなった同級生たちとバンド結成。それがのちにスティーリー・ダンとなるドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカー。ドラムは俳優/コメディアンとして成功するチェヴィー・チェイスだった。実はテレンスは彼らに接近する前からMGM/ヴァーヴ・フォアキャストとソロ契約を結んでおり、69年になってようやく制作スタート。これが1st『ALIAS BOONA』で、フェイゲン&ベッカーも参加している。ただし内容はフォーク・ロックで、ボブ・ディランのカヴァーも収録していた。けれどこれは大して売れず、テレンスは映画の脚本を書いたり、L.A.にいる兄のオフィスで働いたり。だが今度はアサイラムから声が掛かり、このアルバム『TERENCE BOYLAN』が生まれることになる。
プロデュースはテレンス自身で、参加ミュージシャンの多くはL.A.きっての凄腕たち。チャック・レイニー/リー・スクラー/ウィルトン・フェルダー/マックス・ベネット(b)、ジェフ・ポーカロ/ジム・ゴードン/ラス・カンケル/ジョン・グェラン(ds)、ディーン・パークス/スティーヴ・ルカサー(g)、デヴィッド・ペイチ/ジェイ・ワインディング(kyd) 、アル・クーパー(organ)、ヴィクター・フェルドマン(el-p, perc)、ジョン・クレマー(sax)、ドン・ヘンリー/ティモシー・シュミット/トム・ケリー(cho)と豪華絢爛この上ナシ。しかも<Don't Hang Up Those Dancing Shoes>と<Shame>には、旧友フェイゲンがピアノで参加した。なおルカサーは、このセッションがプロとしての初レコーディングだったとされている。
アルバム通してビックリするほどデインの作風に近く、<Hey Papa>なんてそのまま『DANE DONOHUE』に入っていてもイイくらい。でもココまでの酷似ぶりとなると、単なるプロデューサーとアーティストと間柄とは思えない。もしかしてデインは、テレンスから曲作りの極意とか、コードの積みの手ほどきを受けたのかな? またD.パークス&テレンスのギターの絡みが悶絶モノの<Don't Hang Up Those Dancing Shoes>と<Shame>は、イアン・マシューズがカヴァー。後者が全米13位をマークしている。
現状、入手が難しいアルバムではあるけれど、デイン好きは持ってな損、ってアルバムです。
ニューヨーク郊外のバード・カレッジに通ったテレンスは、やがて親しくなった同級生たちとバンド結成。それがのちにスティーリー・ダンとなるドナルド・フェイゲンとウォルター・ベッカー。ドラムは俳優/コメディアンとして成功するチェヴィー・チェイスだった。実はテレンスは彼らに接近する前からMGM/ヴァーヴ・フォアキャストとソロ契約を結んでおり、69年になってようやく制作スタート。これが1st『ALIAS BOONA』で、フェイゲン&ベッカーも参加している。ただし内容はフォーク・ロックで、ボブ・ディランのカヴァーも収録していた。けれどこれは大して売れず、テレンスは映画の脚本を書いたり、L.A.にいる兄のオフィスで働いたり。だが今度はアサイラムから声が掛かり、このアルバム『TERENCE BOYLAN』が生まれることになる。
プロデュースはテレンス自身で、参加ミュージシャンの多くはL.A.きっての凄腕たち。チャック・レイニー/リー・スクラー/ウィルトン・フェルダー/マックス・ベネット(b)、ジェフ・ポーカロ/ジム・ゴードン/ラス・カンケル/ジョン・グェラン(ds)、ディーン・パークス/スティーヴ・ルカサー(g)、デヴィッド・ペイチ/ジェイ・ワインディング(kyd) 、アル・クーパー(organ)、ヴィクター・フェルドマン(el-p, perc)、ジョン・クレマー(sax)、ドン・ヘンリー/ティモシー・シュミット/トム・ケリー(cho)と豪華絢爛この上ナシ。しかも<Don't Hang Up Those Dancing Shoes>と<Shame>には、旧友フェイゲンがピアノで参加した。なおルカサーは、このセッションがプロとしての初レコーディングだったとされている。
アルバム通してビックリするほどデインの作風に近く、<Hey Papa>なんてそのまま『DANE DONOHUE』に入っていてもイイくらい。でもココまでの酷似ぶりとなると、単なるプロデューサーとアーティストと間柄とは思えない。もしかしてデインは、テレンスから曲作りの極意とか、コードの積みの手ほどきを受けたのかな? またD.パークス&テレンスのギターの絡みが悶絶モノの<Don't Hang Up Those Dancing Shoes>と<Shame>は、イアン・マシューズがカヴァー。後者が全米13位をマークしている。
現状、入手が難しいアルバムではあるけれど、デイン好きは持ってな損、ってアルバムです。