ワハハ、ナンだこりゃ
イエス以上にイエスしちゃってるじゃないの？ ジョン・アンダーソン、今年の誕生日が来るとジャスト80歳。それでこの少年聖歌隊ばりの歌声なのはビックリするけど、ソロ名義なのにココまでイエスに振り切った作風に、２度ビックリ。自分らしく新しいコトをやれるソロ制作には向かわず、敢えてイエスにこだわっていくことを選んだなら、これはまさしく快哉を叫びたい一作だ。そもそもジョン・アンダーソンのソロ作というと、少しフォーキーだったり、ケルトしていたり、アンビエント寄りのサウンドをバックに穏やかに歌う、そんなストーリーテラー的イメージがある。その一方で、イエスへのコダワリを露わにすると、８人組イエスの源流となったアンダーソン・ブラッフォード・ウェイクマン・ハウとか、２組のイエスが並行して活動することになるアンダーソン・ラヴィン・ウェイクマンと、一緒に動ける旧メンバーを集めるのが得意。そこから思うに、自分がイエスの看板シンガーだという強い自負を持ちながら、でもクセ者揃いのバンドを牽引していくほどの統率力はなく、脱退しては本家イエスに対抗するような形で分家を作り、それを本家に認めさせてしまう、ちょっと困ったちゃんタイプ、という気がする。
そんなジョンが、旧メンバーの手を借りずにイエス色を前面に打ち出した。そのキッカケが、ザ・バンド・ギークスとの出会いなのだろう。彼らはYouTubeで名を上げてきた、いわゆるトリビュート・バンド。この手のバンドは、ひとつのバンドを徹底的にリスペクトして、演奏はもちろん衣装からパフォーマンスまですべて完コピするタイプと、高い演奏力を武器にいろいろなバンドの名曲にトライするタイプに分かれる。ザ・バンド・ギークスは後者で、イエスはもちろん、クイーンやホワイトスネイク、アイアン・メイデン、ボストン、TOTO、ミスター・ビッグなどのカヴァー動画をアップ。中心メンバーは現ブルー・オイスター・カルトで、元ブランドＸ、なんてのもいるらしい。ジョンは彼らのイエスのカヴァー動画に感嘆し、一緒に演らないか？と声を掛けたという。
ジョンが果たしてどの程度の覚悟を持ってギークスを誘ったのかは分からない。が、結果オーライ。プログレ界のレジェンドと演ることになったメンバーは、懸命にジョンを盛り立て、ジョンもそれに煽られてドンドン本気度を増していく相乗効果が発生。きっとジョンがイチイチ細かく指示しなくても、メンバーは勝手にジョンが喜びそうなイエス風の音を作って、コレが出来上がったのではないか。スティーヴ・ハウを中心とする現行イエスは、多少冒険しても、看板がある分、「コレが今のイエス」と言い切ることできる。でも今作のジョンには、看板も旧メンバーの名前も不要。イエスよりイエスっぽい音が出せて。自分に忠誠を尽くしてくれるギークスがいれば充分、そんな思いがあるんじゃないだろうか。
中身はイイからアートワークを何とかして、というファンの声があるようだけれど、ジョンはそこまでの必要性を感じなかったんじゃないか。それより今の自分のポジティヴなスタンスを広く伝えたい。そういうコトだと考える。ライヴでは当然イエス代表曲も歌うだろうが（画像は上がっている）、アルバムは新曲だけで勝負する。そのスタンスが、何より尊く潔い。いい出会いで、ジョンが本気になった、そんな気がする。
アンダーソン・ラヴィン・ウェイクマンや、ジャン・リュック・ポンティとのアンダーソン・ポンティ・バンドもなかなか良かったから、近年のジョンの好調さは確かに伝わってきていた。けれど、コレがもしイエス名義でリリースされていたとしても、『90125』以来の傑作と言っていい、個人的にはそう思っている。具体的には、『こわれもの』や『危機』よりも、『III』『究極』『TORMATO』『DRAMA』『90125』あたりを髣髴させる部分が多々。瞬間的に『RELAYER』っぽい場面があるのも、個人的にツボったり。メンバーにスキンヘッドが多いのは苦笑モノだけど、コーラスワークがメチャクチャ良いのは、米国人バンドの為せる技か？ 曲作りで３曲に関わるジミー・ハーンは、現・本家イエスのビリー・シャーウッドと共に LODGIC（prod.by David Paich & Steve Porcaro）を組んでいたギタリスト。
デヴィッド・ギルモアの新譜も良かったけれど、このジョンの新作の前では、軽〜く吹っ飛んでしまった
貧乏なので目前に迫ったイエスの来日公演もスルーだけど、ジョンがギークスと来るなら観たいゾ
《amazon》
《Tower Records はココから》
《amazon》
《Tower Records はココから》
《amazon》
《Tower Records はココから》
そんなジョンが、旧メンバーの手を借りずにイエス色を前面に打ち出した。そのキッカケが、ザ・バンド・ギークスとの出会いなのだろう。彼らはYouTubeで名を上げてきた、いわゆるトリビュート・バンド。この手のバンドは、ひとつのバンドを徹底的にリスペクトして、演奏はもちろん衣装からパフォーマンスまですべて完コピするタイプと、高い演奏力を武器にいろいろなバンドの名曲にトライするタイプに分かれる。ザ・バンド・ギークスは後者で、イエスはもちろん、クイーンやホワイトスネイク、アイアン・メイデン、ボストン、TOTO、ミスター・ビッグなどのカヴァー動画をアップ。中心メンバーは現ブルー・オイスター・カルトで、元ブランドＸ、なんてのもいるらしい。ジョンは彼らのイエスのカヴァー動画に感嘆し、一緒に演らないか？と声を掛けたという。
ジョンが果たしてどの程度の覚悟を持ってギークスを誘ったのかは分からない。が、結果オーライ。プログレ界のレジェンドと演ることになったメンバーは、懸命にジョンを盛り立て、ジョンもそれに煽られてドンドン本気度を増していく相乗効果が発生。きっとジョンがイチイチ細かく指示しなくても、メンバーは勝手にジョンが喜びそうなイエス風の音を作って、コレが出来上がったのではないか。スティーヴ・ハウを中心とする現行イエスは、多少冒険しても、看板がある分、「コレが今のイエス」と言い切ることできる。でも今作のジョンには、看板も旧メンバーの名前も不要。イエスよりイエスっぽい音が出せて。自分に忠誠を尽くしてくれるギークスがいれば充分、そんな思いがあるんじゃないだろうか。
中身はイイからアートワークを何とかして、というファンの声があるようだけれど、ジョンはそこまでの必要性を感じなかったんじゃないか。それより今の自分のポジティヴなスタンスを広く伝えたい。そういうコトだと考える。ライヴでは当然イエス代表曲も歌うだろうが（画像は上がっている）、アルバムは新曲だけで勝負する。そのスタンスが、何より尊く潔い。いい出会いで、ジョンが本気になった、そんな気がする。
アンダーソン・ラヴィン・ウェイクマンや、ジャン・リュック・ポンティとのアンダーソン・ポンティ・バンドもなかなか良かったから、近年のジョンの好調さは確かに伝わってきていた。けれど、コレがもしイエス名義でリリースされていたとしても、『90125』以来の傑作と言っていい、個人的にはそう思っている。具体的には、『こわれもの』や『危機』よりも、『III』『究極』『TORMATO』『DRAMA』『90125』あたりを髣髴させる部分が多々。瞬間的に『RELAYER』っぽい場面があるのも、個人的にツボったり。メンバーにスキンヘッドが多いのは苦笑モノだけど、コーラスワークがメチャクチャ良いのは、米国人バンドの為せる技か？ 曲作りで３曲に関わるジミー・ハーンは、現・本家イエスのビリー・シャーウッドと共に LODGIC（prod.by David Paich & Steve Porcaro）を組んでいたギタリスト。
デヴィッド・ギルモアの新譜も良かったけれど、このジョンの新作の前では、軽〜く吹っ飛んでしまった
貧乏なので目前に迫ったイエスの来日公演もスルーだけど、ジョンがギークスと来るなら観たいゾ《amazon》
![トゥルー [CD]](https://m.media-amazon.com/images/I/51ZsUtGxKfL._SL160_.jpg)
《amazon》
《amazon》
![True [Analog]](https://m.media-amazon.com/images/I/51kIs+KuQRL._SL160_.jpg)
この一節にニヤリです。「トーマト」以降の彼とイエスを語るのにこれ以上の評論を知りません。ご慧眼です。
買うかどうか迷ってましたが決めました。
今日明日にでもショップにいきます。
ギルモアの方はBru-ray Audioにしようかな…