
これはなかなかビックリな初CD化。後にCMソングやアニメ、特撮作品、ゲーム音楽などを制作・歌唱し、『仮面ライダーBLACK』(87年) や『超人ロック ロードレオン』(89年) の主題歌・挿入歌を担当して、その筋で知られるようになった五十嵐寿也が、シンガー・ソングライターとして発表した83年唯一作『LADY DANGER』の復刻だ。
五十嵐寿也は1960年、北海道函館出身。15歳でヤマハのポピュラーソングコンテスト北海道大会に出場し、翌年本選出場。それを機に東京での活動をスタートさせた。
当時のアナログ盤の帯キャッチは、“舞台は今、ファンキーバイブレーション!!”。下積み時代についたニックネームのイメージそのままに売り出されているが、実際の内容はいわゆる都会派AORテイストが濃厚。アルバムの柱を担うは、ギター加藤達雄、ヴァイオリン中西俊博、キーボード/コーラス/作編曲の山川恵津子(元・東北新幹線)、それに富田基弘(kyd)、西村耕二といった作編曲陣で、これをベースの宮下恵輔、ドラム北村健太、サックス土岐英史、コーラスの松木美音など、当時の中堅・若手がサポートする。しかも、相応に充実した楽曲が多い。だから今こそ当時のイメージを洗い流し、あるべき位置づけで世に問い直したい。
確かにソウル・フレイヴァーが漂う曲もあるが、ほんのり漂う程度。楽曲もミディアムやスロウ・ナンバーが多く、アル・ジャロウあたりを想定すると近いだろうか。タイトル曲<LADY DANGER>はそのままジャロウの<Breaking Away>だし、デヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドンのサウンドが随所に仕込まれている。ヴォーカルも敢えて歌唱力を強調せず、やや甘い声で柔軟に歌うタイプ。山川恵津子が提供した<キング・サーモン>は、そのまま東北新幹線に繋がるメロウ・チューンだ。
本作後はスタジオ・ワーク中心に活動し、やがて制作ディレクターに転身。大手レコード会社で著名シンガーにも多数関わっている。その詳細は、CDの筆者解説にて。

五十嵐寿也 / LADY DANGER (タワー限定)
Tower Records
当時のアナログ盤の帯キャッチは、“舞台は今、ファンキーバイブレーション!!”。下積み時代についたニックネームのイメージそのままに売り出されているが、実際の内容はいわゆる都会派AORテイストが濃厚。アルバムの柱を担うは、ギター加藤達雄、ヴァイオリン中西俊博、キーボード/コーラス/作編曲の山川恵津子(元・東北新幹線)、それに富田基弘(kyd)、西村耕二といった作編曲陣で、これをベースの宮下恵輔、ドラム北村健太、サックス土岐英史、コーラスの松木美音など、当時の中堅・若手がサポートする。しかも、相応に充実した楽曲が多い。だから今こそ当時のイメージを洗い流し、あるべき位置づけで世に問い直したい。
確かにソウル・フレイヴァーが漂う曲もあるが、ほんのり漂う程度。楽曲もミディアムやスロウ・ナンバーが多く、アル・ジャロウあたりを想定すると近いだろうか。タイトル曲<LADY DANGER>はそのままジャロウの<Breaking Away>だし、デヴィッド・フォスター&ジェイ・グレイドンのサウンドが随所に仕込まれている。ヴォーカルも敢えて歌唱力を強調せず、やや甘い声で柔軟に歌うタイプ。山川恵津子が提供した<キング・サーモン>は、そのまま東北新幹線に繋がるメロウ・チューンだ。
本作後はスタジオ・ワーク中心に活動し、やがて制作ディレクターに転身。大手レコード会社で著名シンガーにも多数関わっている。その詳細は、CDの筆者解説にて。

五十嵐寿也 / LADY DANGER (タワー限定)
同じタイミングで再発された桃井かおりさんの1st.と2nd.とかw