46年ぶりのデイン・ドナヒューには全然敵わないけれど、この人も戻ってきました。エイドリアン・ガーヴィッツ、ソロ・アルバムとしては96年のインスト・アルバム『ACOUSTIC HEART』以来となる、28年ぶりの新録アルバム『BLOOD SWEAT & YEARS』。これも日本盤を出すべしと動き始めたら、意外にも早々に輸入盤の流通が始まっていて…。ただし全然プッシュされておらず、ほとんど人知れず状態のまま1ヶ月が過ぎているのだけれど。
エイドリアン・ガーヴィッツといえば、まず何はともあれ、TOTOがサポートした79年作『SWEET VENDETTA』。日本では翌80年の2ndソロ『IL ASSASSINO(サイレント・シティ)』を最後にオンタイムのリリースはないが、82年の3rd『CLASSIC』からはタイトル曲が全英トップ10入りしている。ソロ・デビュー前には、ザ・ガン、スリー・マン・アーミー、ジンジャー・ベイカーと組んだベイカー・ガーヴィッツ・アーミー、ムーディー・ブルースのドラマーが組んだグレアム・エッジ・バンドなど、ブリティッシュ・ロック・シーンでの活躍があったものの、AORファンの食指をソソるのは、やはり前述のソロ3作だろう。
しかし忘れたくないのは、80年代末から、エディ・マネー、REOスピードワゴン、ジョン・ウェイト、スティーヴ・ペリー、マイケル・トンプソン・バンド、ホット・チョコレートなどに楽曲提供。何と桑名正博や早見優にも曲を贈っているし、ジューダス・プリーストの蔵出し音源にも彼の楽曲があった。とりわけ成功したのが、作詞家フラニー・ゴールドと共作した<Even If My Heart Would Break>で、これをケニー・G. feat.アーロン・ネヴィルがレコーディング。ケニーの『BREATHLESS』(92年) に収録されたのみならず、ホイットニー・ヒューストン主演の映画『THE BODYGUARD』のサントラにも収められ、彼のソングライターとしてのステイタスを確立した。その印税を元手に久々に制作したのが、96年作『ACOUSTIC HEART』だったらしい。
00年にも2枚の未発表アルバムの蔵出しリリースがあり、その後もディスニーの仕事をしたり、最近もジギー・マリーと仕事をするなど、それなりに忙しくしていた様子。でも本格的な新作ソロは96年以来で、ほとんどの楽曲はチャーリー・ミッドナイトとの共作になる。このチャーリーはダン・ハートマンやジェイムス・ブラウン、ジョー・コッカーらのブレーンとして知られ、エイドリアンとは『THE BODYGUARD』仲間でも。ただし演奏自体は、エドリアン本人がギターはもちろんドラムや鍵盤も手掛けていて、ちょっと大味。安易に打ち込みに頼ってないのは好感が持てるが、だったらもっと上手く演れよ、と思っちゃったり…。
でもソングライターとしての実績が物語るように、曲がイイのだ。特にAOR路線を敷いているワケではないが、オトナのロック・アルバムとしての味わいがあり、楽曲によっては哀愁味たっぷり。<Passengers>なんて、ジョージ・ハリスンを髣髴させるメロディとギター・ソロが楽しめるし、ドラマチックなラスト・チューン<Sweets Never Sweet>では、十八番の泣きのギターが堪能できる。ツメの甘さはあるものの、28年ぶりの作品としてはナカナカの出来なのではないかな?
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しかし忘れたくないのは、80年代末から、エディ・マネー、REOスピードワゴン、ジョン・ウェイト、スティーヴ・ペリー、マイケル・トンプソン・バンド、ホット・チョコレートなどに楽曲提供。何と桑名正博や早見優にも曲を贈っているし、ジューダス・プリーストの蔵出し音源にも彼の楽曲があった。とりわけ成功したのが、作詞家フラニー・ゴールドと共作した<Even If My Heart Would Break>で、これをケニー・G. feat.アーロン・ネヴィルがレコーディング。ケニーの『BREATHLESS』(92年) に収録されたのみならず、ホイットニー・ヒューストン主演の映画『THE BODYGUARD』のサントラにも収められ、彼のソングライターとしてのステイタスを確立した。その印税を元手に久々に制作したのが、96年作『ACOUSTIC HEART』だったらしい。
00年にも2枚の未発表アルバムの蔵出しリリースがあり、その後もディスニーの仕事をしたり、最近もジギー・マリーと仕事をするなど、それなりに忙しくしていた様子。でも本格的な新作ソロは96年以来で、ほとんどの楽曲はチャーリー・ミッドナイトとの共作になる。このチャーリーはダン・ハートマンやジェイムス・ブラウン、ジョー・コッカーらのブレーンとして知られ、エイドリアンとは『THE BODYGUARD』仲間でも。ただし演奏自体は、エドリアン本人がギターはもちろんドラムや鍵盤も手掛けていて、ちょっと大味。安易に打ち込みに頼ってないのは好感が持てるが、だったらもっと上手く演れよ、と思っちゃったり…。
でもソングライターとしての実績が物語るように、曲がイイのだ。特にAOR路線を敷いているワケではないが、オトナのロック・アルバムとしての味わいがあり、楽曲によっては哀愁味たっぷり。<Passengers>なんて、ジョージ・ハリスンを髣髴させるメロディとギター・ソロが楽しめるし、ドラマチックなラスト・チューン<Sweets Never Sweet>では、十八番の泣きのギターが堪能できる。ツメの甘さはあるものの、28年ぶりの作品としてはナカナカの出来なのではないかな?
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これは聴いてみたいと思います。