6日が故グレン・フライの76歳の誕生日だったからか、イーグルス周辺や2ヶ月前に急逝したJDサウザーを絡めてのポストがアチコチ目につく。個人的には自分もドン・ヘンリーよりグレンの方に愛着があるけれど、ふと気づいたら、16年1月にグレンが亡くなって早9年近く。あと3年で自分もグレンの享年に追いつてしまうのね…
自分がよく目にするSNSのAOR系グループでは、イーグルスがAORか否かで評価が割れることがままある。自分の感覚でいうと、イーグルスがAORなワケないぢゃんと。その一方で拙著ディスクガイド『AOR Light Mellow Premium』では、『HOTEL CALIFORNIA』(小枠)と『THE LONG RUN』(大枠)を掲載させていたりする。つまりはそういう微妙な存在。基本はカントリー・ロック出自の西海岸ロックで、AORではないものの、時代背景や音楽シーンの潮流を受けて、楽曲や目線によって結果的にAORに接近したアルバムを作ったり、AOR風に聴ける楽曲がある、というコトだ。SNSだとそういう丁寧な説明がスッ飛ばされてしまうので、違和感だけでなく、要らぬ論争や誤解を招いてしまう。黙ってAORで通用しそうなのは、ティモシー・シュミットのお披露目ヒット<I Can't Tell You Why>ぐらい。あとはデヴィッド・サンボーンのサックス・ソロが美味しい<The Sad Cafe>も人気が高いが、AOR度が高いとは言えない。
確かに、いわゆるAORバラードとロッカ・バラード、更に言えばアリーナ・ロック系のパワー・バラード、どこにも確かなボーダーラインはない。でも楽曲的には、複雑なコード進行やハーモニーが使われていたり、ジャズやソウル、ラテン等など、異なるスタイルのフレイヴァーが混入していたり、楽器や録音などで新しいサウンドになっていたり…。そうした洗練度の違いがAOR指数の上昇に繋がる。だからアーティストとしてAORか否かを判断するより、アルバム、あるいは楽曲としてAOR or NO を判断するのが正しい選択。これはボズ・スキャッグスでもジェイムス・テイラーでも、ジャーニーでもマイケル・ジャクソンでもアース・ウインド&ファイアーでもみな同じ。いくら『RIT』がAORアルバムだとしても、リー・リトナー自身をAORアーティストだとは誰も思わないでしょ?
そうした意味で重要なのは、アーティスト単位でのカテゴライズより、同じタイミングで誰がどんな動きをしていたか、それを把握すること。例えばボズ『SILK DEGREES』が出た1976年なら、ドゥービー・ブラザーズ『TAKIN' IT TO THE STREET』、スティーリー・ダン『THE ROYAL SCAM』、ジョージ・ベンソン『BREEZIN'』がこの年のリリース。ベンソン〜トミー・リピューマ周辺では、マイケル・フランクス『THE ART OF TEA』やアル・ジャロウ『GLOW』も同時期。<If You Leave Me Now>収録のシカゴ『X』も、この76年だ。こういう作品が一斉に登場してくることで、シーンの空気感が変わっていき、その影響が一気に広く伝播していく。
76年は、イーグルスで言えば『HOTEL CALIFORNIA』。バニー・リードンからジョー・ウォルシュへのメンバー・チェンジはそうした多様化へのプロセスと言えるし、ホール&オーツのことを歌った説がある<New Kid In Town>も新しい空気を呼び込んだ。ドゥービーほどドラスティックではなかったし、古き良きアメリカの終焉というテーマの方が大きく取り上げらるけれど、やっぱりイーグルスにも音楽的潮流の変化は確実に押し寄せていたと思う。
《amazon》
《Tower Records はココから》
確かに、いわゆるAORバラードとロッカ・バラード、更に言えばアリーナ・ロック系のパワー・バラード、どこにも確かなボーダーラインはない。でも楽曲的には、複雑なコード進行やハーモニーが使われていたり、ジャズやソウル、ラテン等など、異なるスタイルのフレイヴァーが混入していたり、楽器や録音などで新しいサウンドになっていたり…。そうした洗練度の違いがAOR指数の上昇に繋がる。だからアーティストとしてAORか否かを判断するより、アルバム、あるいは楽曲としてAOR or NO を判断するのが正しい選択。これはボズ・スキャッグスでもジェイムス・テイラーでも、ジャーニーでもマイケル・ジャクソンでもアース・ウインド&ファイアーでもみな同じ。いくら『RIT』がAORアルバムだとしても、リー・リトナー自身をAORアーティストだとは誰も思わないでしょ?
そうした意味で重要なのは、アーティスト単位でのカテゴライズより、同じタイミングで誰がどんな動きをしていたか、それを把握すること。例えばボズ『SILK DEGREES』が出た1976年なら、ドゥービー・ブラザーズ『TAKIN' IT TO THE STREET』、スティーリー・ダン『THE ROYAL SCAM』、ジョージ・ベンソン『BREEZIN'』がこの年のリリース。ベンソン〜トミー・リピューマ周辺では、マイケル・フランクス『THE ART OF TEA』やアル・ジャロウ『GLOW』も同時期。<If You Leave Me Now>収録のシカゴ『X』も、この76年だ。こういう作品が一斉に登場してくることで、シーンの空気感が変わっていき、その影響が一気に広く伝播していく。
76年は、イーグルスで言えば『HOTEL CALIFORNIA』。バニー・リードンからジョー・ウォルシュへのメンバー・チェンジはそうした多様化へのプロセスと言えるし、ホール&オーツのことを歌った説がある<New Kid In Town>も新しい空気を呼び込んだ。ドゥービーほどドラスティックではなかったし、古き良きアメリカの終焉というテーマの方が大きく取り上げらるけれど、やっぱりイーグルスにも音楽的潮流の変化は確実に押し寄せていたと思う。
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