50年代からブルーノートで活躍し続けたレジェンダリーなアルト・サックス奏者ルー・ドナルドソンが、11月9日に死去。ビ・バップ、ハード・バップ、ソウル・ジャズ、ジャズ・ファンクなどとヴァーサタイルに音楽性を変化させながら、20年以上に渡ってブルーノートに名作を残した。その後はコティリオン、ミューズ、マイルストーンなどからアルバムをリリース。2016年に90歳で現役を引退した。享年98。
当サイト的には、ルー・ドナルドソンといえば、ソウル・ジャズ〜ジャズ・ファンク期のシーンを切り拓いた名プレイヤーとして記憶されている方が多いだろう。70年代中盤、クロスオーヴァー・シーンの勃興を見届けると、静かにジャズへと回帰していった印象があるが、間違いなく、モダン・ジャズからクロスオーヴァー/フュージョンへの橋渡しを行なった先人の一人である。
そのキッカケとなった67年作『ALLIGATOR BOGALOO』は、約3年ぶりとなるブルーノート復帰アルバム。この時彼にはスタンダードとソウル・ジャズ、2つの選択があったらしく、実際にレコーディングも行なったらしい。ところが前者はお蔵入り。ジョージ・ベンソンやロニー・スミス (org)、アイドリス・ムハマッド (ds) らが参加した後者は大ヒットし、続く『MR. SHING-A-LING』『MIDNIGHT CREEPER』へとソウル・ジャズ路線を継続させることになった。
オルガンのチャールズ・アーランド加入は、68年録音『SAY IT LOUD!』から。トランペットはブルー・ミッチェル。ジェイムス・ブラウンのカヴァーを取り上げたのが象徴的だっが、この時期の代表作はその次の『HOT DOG』に他ならない。ギターにはメルヴィン・スパークス、アイズレー・ブラザーズやジョニー・テイラーらのR&Bヒットをカヴァーしている。どんなにファンキーかは、ホットドッグのそり返りでご判断を
クラブDJに人気が高いのが、69年からの『EVERYTHING I PLAY IS FUNKY』『PRETTY THINGS』『COSMOS』の3作。ここからベース・プレイヤーを迎えているのが、よりソリッドなファンクネスを求めた証左と言える。特に『COSMOS』のベースはジェリー・ジェモット。ブレッドやジャクソン5、カーティス・メイフィールドらのカヴァーを収録したのも、ルーの指向性の広さを窺わせる。
そして73年発表『SOPHISTICATED LOU』からが、いわゆるLA-BN作品。サウンド的にもファンク度が薄れ、より聴きやすいクロスオーヴァー・スタイルへ移行。まずはオーケストラと相見えた後、次作『SASSY SOUL STRUT』では、デヴィッド・スピノザ/ジョン・トロペイ/ヒュー・マクラッケン (g), バーナード・パーディ (ds) 、ウィルバー・バスコム (b) らと、ポップなライト・ファンクを構築した。スターター<Sanford And Son Theme>は、クインシー・ジョーンズが音楽を担当した人気TVシリーズのテーマ曲。シルヴィア・ロビンソンのエロいヒット<Pillow Talk>も演っている。そして74年作『SWEET LOU』は、再びコーネル・デュプリー/デヴィッド・スピノザ/ヒュー・マクラッケン (g), バーナード・パーディ (ds) らと組んだ一枚で、アーベインなテイストが強い。この辺りは、クラブ方面の動きに疎いフュージョン・ファンでも、きっと楽しめるのではないかな?
駆け足で60〜70年代の足跡を追ってみたけれど、サウンドが多少変化しても、アルトの艶やかな音色はっと一貫していたのがルー・ドナルドソンの特徴。約7年でこれだけの数の作品を残しているのは、如何にも往年のジャズ・マンらしいけど、その柔軟な姿勢はドナルド・バードにも負けてなかったと思う。
Rest in Peace...
そのキッカケとなった67年作『ALLIGATOR BOGALOO』は、約3年ぶりとなるブルーノート復帰アルバム。この時彼にはスタンダードとソウル・ジャズ、2つの選択があったらしく、実際にレコーディングも行なったらしい。ところが前者はお蔵入り。ジョージ・ベンソンやロニー・スミス (org)、アイドリス・ムハマッド (ds) らが参加した後者は大ヒットし、続く『MR. SHING-A-LING』『MIDNIGHT CREEPER』へとソウル・ジャズ路線を継続させることになった。
オルガンのチャールズ・アーランド加入は、68年録音『SAY IT LOUD!』から。トランペットはブルー・ミッチェル。ジェイムス・ブラウンのカヴァーを取り上げたのが象徴的だっが、この時期の代表作はその次の『HOT DOG』に他ならない。ギターにはメルヴィン・スパークス、アイズレー・ブラザーズやジョニー・テイラーらのR&Bヒットをカヴァーしている。どんなにファンキーかは、ホットドッグのそり返りでご判断を
クラブDJに人気が高いのが、69年からの『EVERYTHING I PLAY IS FUNKY』『PRETTY THINGS』『COSMOS』の3作。ここからベース・プレイヤーを迎えているのが、よりソリッドなファンクネスを求めた証左と言える。特に『COSMOS』のベースはジェリー・ジェモット。ブレッドやジャクソン5、カーティス・メイフィールドらのカヴァーを収録したのも、ルーの指向性の広さを窺わせる。
そして73年発表『SOPHISTICATED LOU』からが、いわゆるLA-BN作品。サウンド的にもファンク度が薄れ、より聴きやすいクロスオーヴァー・スタイルへ移行。まずはオーケストラと相見えた後、次作『SASSY SOUL STRUT』では、デヴィッド・スピノザ/ジョン・トロペイ/ヒュー・マクラッケン (g), バーナード・パーディ (ds) 、ウィルバー・バスコム (b) らと、ポップなライト・ファンクを構築した。スターター<Sanford And Son Theme>は、クインシー・ジョーンズが音楽を担当した人気TVシリーズのテーマ曲。シルヴィア・ロビンソンのエロいヒット<Pillow Talk>も演っている。そして74年作『SWEET LOU』は、再びコーネル・デュプリー/デヴィッド・スピノザ/ヒュー・マクラッケン (g), バーナード・パーディ (ds) らと組んだ一枚で、アーベインなテイストが強い。この辺りは、クラブ方面の動きに疎いフュージョン・ファンでも、きっと楽しめるのではないかな?
駆け足で60〜70年代の足跡を追ってみたけれど、サウンドが多少変化しても、アルトの艶やかな音色はっと一貫していたのがルー・ドナルドソンの特徴。約7年でこれだけの数の作品を残しているのは、如何にも往年のジャズ・マンらしいけど、その柔軟な姿勢はドナルド・バードにも負けてなかったと思う。
Rest in Peace...