元バーズのデヴィッド・クロスビー、元バッファロー・スプリングフィールドのスティーヴン・スティルス、元ホリーズのグレアム・ナッシュが結成したクロスビー、スティルス&ナッシュが、69年6月に初アルバム『CROSBY STILLS & NASH』をリリース。フォーキーなサウンドと美しいハーモニーが大きな話題を呼ぶ中、スティルスはライヴ・ツアーに向けて構想を練っていた。デビュー作はスティルスが多くの楽器を自身で演奏していたため、バンド・アンサンブルを構築する必要があったのだ。そこで所属するアトランティック・レコード社長アーメット・アーティガンの提案から、ニール・ヤングに声を掛けることになる。
当時ニールはクレイジー・ホースを組んだばかり。しかもスティルスとは、バッファロー・スプリングフィールド時代にいろいろ確執があった。が、ニールはCSNのサウンドを聴いて感心。4人目のメンバーとして彼らに合流することにする。そして8月からの全米ツアーに参加。かのウッドストック・フェスティヴァル出演を経て、9月のニューヨーク、フィルモア・イースト連続公演に臨んだ。そこでレコーディングされたのが、このライヴ・アルバム。4人編成になってまだ間もない頃の録音で、CSN&Yになってからの初アルバム『DEJA VU』さえ、まだ制作に入っていない時期のライヴ・パフォーマンスだ。
収められたライヴは全17曲。4人の美麗なハーモニーが堪能できるアコースティック・セットが11曲、ダラス・テイラー (ds) とグレッグ・リーヴス (b) をサポートに加えたエレクトリック・セットが6曲。実際のセット・リストは21曲だったらしいが、こんな貴重な音源の蔵出しだから、文句は言うまい。もっともブートレグでは結構知られた音源らしいけれど…。
アコースティック・セットは、ジュディ・コリンズを歌った<組曲: 青い眼のジュディ(Suite: Judy Blue Eyes)>でスタート。続いてウッドストックでも歌っていたビートルズ・カヴァー<Blackbird>が登場し、静かな感動が押し寄せる。中心になってるのは『CROSBY STILLS & NASH』の収録曲に、スティルス、ナッシュ、ヤング各人のソロ曲も。レコーディング準備中の『DEJA VU』収録曲、<Our House(僕達の家)>や<4+20>が披露されているのも嬉しい。ニールが歌う<On The Way Home>は、バッファロー・スプリングフィールド時代の楽曲。当時歌っていたのはリッチー・フューレイだったかな? バッファローといえば、代表曲<Bluebird>をアレンジし直した<Bluebird Revisited>も。これはのちに『STEPHEN STILLS 2』に収められる。
これまでCSN&Yのライヴと言えば、70年のツアーで録音された『4WAY STREET』だったワケだけれど、自分があまり熱心に耳を傾ける気になれなかった理由が、このフィルモア・イースト・ライヴを聴いて分かった気がした。それはナッシュやスティルスがこの発掘ライヴに寄せたコメントからも窺える。
「どんなに私たちがお互いを愛していたか、自分たちの作っている音楽を愛していたか、よく分かった(中略)この録音音源からはそれが伝わってくる。歌の途中でさえお互いにジョークを言い合っているんだから」(ナッシュ)
「技巧の足りなさは熱狂で補った。もっと上質なアレンジなんてこれからでいい。まさに空に舞い上がろうとして疾走中のバンドそのもの」(スティルス)
『4WAY STREET』のようなスキマ風は、まだココには吹いていない。
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《Tower Records はココから》
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収められたライヴは全17曲。4人の美麗なハーモニーが堪能できるアコースティック・セットが11曲、ダラス・テイラー (ds) とグレッグ・リーヴス (b) をサポートに加えたエレクトリック・セットが6曲。実際のセット・リストは21曲だったらしいが、こんな貴重な音源の蔵出しだから、文句は言うまい。もっともブートレグでは結構知られた音源らしいけれど…。
アコースティック・セットは、ジュディ・コリンズを歌った<組曲: 青い眼のジュディ(Suite: Judy Blue Eyes)>でスタート。続いてウッドストックでも歌っていたビートルズ・カヴァー<Blackbird>が登場し、静かな感動が押し寄せる。中心になってるのは『CROSBY STILLS & NASH』の収録曲に、スティルス、ナッシュ、ヤング各人のソロ曲も。レコーディング準備中の『DEJA VU』収録曲、<Our House(僕達の家)>や<4+20>が披露されているのも嬉しい。ニールが歌う<On The Way Home>は、バッファロー・スプリングフィールド時代の楽曲。当時歌っていたのはリッチー・フューレイだったかな? バッファローといえば、代表曲<Bluebird>をアレンジし直した<Bluebird Revisited>も。これはのちに『STEPHEN STILLS 2』に収められる。
これまでCSN&Yのライヴと言えば、70年のツアーで録音された『4WAY STREET』だったワケだけれど、自分があまり熱心に耳を傾ける気になれなかった理由が、このフィルモア・イースト・ライヴを聴いて分かった気がした。それはナッシュやスティルスがこの発掘ライヴに寄せたコメントからも窺える。
「どんなに私たちがお互いを愛していたか、自分たちの作っている音楽を愛していたか、よく分かった(中略)この録音音源からはそれが伝わってくる。歌の途中でさえお互いにジョークを言い合っているんだから」(ナッシュ)
「技巧の足りなさは熱狂で補った。もっと上質なアレンジなんてこれからでいい。まさに空に舞い上がろうとして疾走中のバンドそのもの」(スティルス)
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