UKのジャズ・ファンク・シーンで最重要と言われたバンド、ザ・ベイカー・ブラザーズが、約7年ぶりのニュー・アルバム『THE NEXT LAST PARTY』を引っ提げてご帰還。【Light Mellow Searches】の暖簾をお貸ししつつ、ライナーノーツを執筆した。しかも、これまでのフェーズを変えていこうと果敢にトライしているのが印象的で、ファンク指数はそのままに、ジャズ色だけを抑えてポップ・サイドを増進させているのを強く感じる。
そもそも今から20年以上前、デビュー盤のベイカー・ブラザーズは、その名の通り、ダンとリチャードのベイカー兄弟とクリス・ペドラーの3人から成るインストゥメンタルのジャズ・ファンク・バンドだった。が、その後すぐにヴォーカルを据え、スタジオ第2作の『BAKERS DAZEN』(通算3作目)では収録曲の半分をヴォーカル・チューンが占めた。でも本当は、これが彼ら本来の姿。デビュー作は敢えてインストに絞り込んだらしい。それが新作『THE NEXT LAST PARTY』では、ベイカー・ブラザーズにベイカー兄弟は不在。一人残ったクリス・ペドラー中心の、歌モノ・ジャズ・ファンクへと変貌している。インスト曲も入ってはいるものの、どうやら彼らはココから完全に歌モノへと軸足を移したらしい。
とはいえ現布陣は、11年に発表されたスタジオ5作目『TIME TO TESTIFY』(通算8作目)から不動のメンバー。結成メンバー:クリス・ペドリー(b,g,kyd)を中心に、デビュー直後からサポートで関わり始めたポール・ヤング (sax)、そしてベイカー兄弟の相次ぐ脱退を機に順次参加したジェフ・レオ (vo,g)、テッド・カラスコ (ds,perc)、スコット・ベイリス (tr,kyd) という5人が名を連ねる。プロデュースも今作からクリスのセルフ・プロデュースになった。
アルバムはソリッドなファンク・チューン<Sunrise>でスタートし、何処となくシックの作風を思わせるポップ・ダンサー<Heartbreaker><You Are The One>へと続いていく。Noloをリード・ヴォーカルにフィーチャーした<Sleepwalking>は、流麗なリズム・ワークとヴォーカル・ハーモニーが際立つドライヴ・チューン。<Yesterday, Holding On>はAORマナーのキーボード・リフを取り入れたミディアムだ。そして2曲のインストを挟んで、テン年代半ばに活動したロンドンのインディ・ロック・バンド:ザ・カーナビーズ出身のフランキー・コノリーが歌う<Western Morning>、ファンキーなポップ・ロック・バンド風情が漂う<Hate It When You Go>、<Unrest>と続いていく。
つまるところ、ジャズ・ファンクやアシッド・ジャズというよりも、より大きなポップ・ファンクのフィールドへ漕ぎ出した試金石的作品と言えようか。まずはその変化を、自分の耳でご確認あれ。
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《Tower Records はココから》
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とはいえ現布陣は、11年に発表されたスタジオ5作目『TIME TO TESTIFY』(通算8作目)から不動のメンバー。結成メンバー:クリス・ペドリー(b,g,kyd)を中心に、デビュー直後からサポートで関わり始めたポール・ヤング (sax)、そしてベイカー兄弟の相次ぐ脱退を機に順次参加したジェフ・レオ (vo,g)、テッド・カラスコ (ds,perc)、スコット・ベイリス (tr,kyd) という5人が名を連ねる。プロデュースも今作からクリスのセルフ・プロデュースになった。
アルバムはソリッドなファンク・チューン<Sunrise>でスタートし、何処となくシックの作風を思わせるポップ・ダンサー<Heartbreaker><You Are The One>へと続いていく。Noloをリード・ヴォーカルにフィーチャーした<Sleepwalking>は、流麗なリズム・ワークとヴォーカル・ハーモニーが際立つドライヴ・チューン。<Yesterday, Holding On>はAORマナーのキーボード・リフを取り入れたミディアムだ。そして2曲のインストを挟んで、テン年代半ばに活動したロンドンのインディ・ロック・バンド:ザ・カーナビーズ出身のフランキー・コノリーが歌う<Western Morning>、ファンキーなポップ・ロック・バンド風情が漂う<Hate It When You Go>、<Unrest>と続いていく。
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