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昨年観たリー・リトナー&デイヴ・グルーシンの来日公演。それが今年は、リリース間もない共演アルバム『BRASIL』を引っ提げた、with ブラジリアン・フレンズ feat.イヴァン・リンスという最高のフォーマットで実現した。まずはビルボードライヴ大阪2デイズ、そしてミューザ川崎でのホール公演を経て、18日(月)からブルーノート東京4デイズ8ステージに突入。そのブルーノート東京の初日 2nd Show を堪能した。

ホール公演では、第一部がフュージョン・カルテット、第二部がブラジリアン・フレンズという構成だったそうだが、1st / 2nd 入れ替え制のブルーノートではそうもいかない。照明が落ちると、リーとデイヴの名コンビに、お下げ髪のベース:ムニール・オッスン、そして前回も一緒だったリーの息子ウェスリー・リトナー (ds) がステージに。<Pearl>やリトナー・ライヴの定番曲<Lay It Down>、それにデイヴのリリカルなピアノをフィーチャーしたサントラ・メドレーなど、穏やかかつインテリジェントな雰囲気でステージが進んでいく。個人的には、この手のサウンドにウェスリーのドラムは少し手数が多すぎ、と感じてしまうが、リー親父はあんまり感じていないのかな?

でもそこにヴォーカルのタチアナ・パーハを先頭に、ブルーノ・ミゴット(b)、エドゥ・ヒベイロ(ds)、マルセロ・コスタ(perc)という "ブラジリアン・フレンズ" たちが合流。アルバム『BRASIL』からミルトン・ナシメント作<Cravo e Canel>や<For the  Palms>が披露されると、ノリは途端にサウダージなテイストに。生で聴くタチアナの麗しい歌声は、やはり絶品だ。

そして万雷の拍手の中、いよいよイヴァン・リンスが登場。彼を世界へ導いた恩人クインシー・ジョーンズを話題にしたあと、名曲<Love Dance>、『BRASIL』に再録した<Vitoriosa>をしなやかに。さすがに往年ほど伸びやかなヴォーカルではなくなっているものの、それでも充分すぎるほど魅惑的な歌声で、オーディエンスは思わずうっとり。さすがにイヴァン・リンスくらいになると、もう役者が違うな、と実感させられた。かの<Harlequin>では客席とのコール&レスポンスを交え、ヴェニュー内を熱狂の渦に。更にアンコールがわりのもう一曲、アントニオ・カルロス・ジョビンのカヴァー<Stone flower>では、バックのソロ・プレイもフィーチャーしつつの大団円。2組のリズム・ユニットが同時にプレイする形になっても、まったくウルサイと感じないのは、さすがブラジル勢だ。

デイヴが齢90であることを考えると、こうした貴重な機会は次があるのかどうか…。ブルーノート公演、そして最終日の22日 高崎芸術劇場と既に残り公演はソールド・アウトらしいが、チケットを確保出来てる方はジックリとご堪能あれ。

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ポニーキャニオン
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