某音専誌のクインシー・ジョーンズ追悼特集に寄稿。クインシー自身及びプロデュース作品について、数本のレビュー原稿を書いた。訃報を知った直後にもこんなポストを上げたが、意外にも、しばらくぶりに聴いたコレに再発見ありで。それが89年のアルバム『BACK ON THE BLOCK』。当然ながらリリース当時にかなり聴き倒していたつもりだったので、今になって聴き直してもあまり印象は変わらないと思っていたが、然にあらず。新発見というほどじゃないものの、「アレッ、こんなに良かったっけ」ぐらいのズレがあった。ヒップホップに乗れずブラック・ミュージックから離れていった自分だから、本作に於けるラッパー勢の大量重用などを目の当たりにして、当時は無意識のうちにバイアスを掛けていたのかもしれない。
レイ・チャールズとチャカ・カーンがデュエットする<I'll Be Good To You>、弱冠12歳の新人テヴィン・キャンベルを世に送り出した<Tomorrow>は、共にこのアルバムの看板曲。でもそのどちらもブラザーズ・ジョンソンの1st『LOOK OUR FOR #1』(75年) からのカヴァー。この頃になると、ルイス・ジョンソンのクインシーお抱えベース奏者としての活躍の場は狭くなってきているが、逆に作曲チームとしてのブラ・ジョンは存在感を強めていた。
また<Birdland>のカヴァーでは、マイルス・デイヴィスとディジー・ガレスピー、エラ・フィッツジェラルドとサラ・ヴォーンが、ダブルで大物共演。ギターはジョージ・ベンソンだ。また斬新なアカペラ曲<Wee B. Dooinit (Acapella Party)>では、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、アル・ジャロウ、ボビー・マクファーリン、テイク6、サイーダ・ギャレットが声を重ねている。
改めて驚いたのは、このサイーダ・ギャレットの貢献の大きさだ。前述<Tomorrow>では、ブラ・ジョンのインスト原曲に詞をつけ、クインシーと作家契約を結んでいたグレン・バラード&クリフ・マグネスが提供した<The Places You Find Love>でチャカとデュエット。コーラスにはディオンヌ・ワーウィックやルーサー・ヴァンドロス、ジェイムス・イングラム、ハワード・ヒュエット、ジェニファー・ホリデイ、ペギー・ブルー、そしてアンドレ・クラウチ・シンガーズらを従えている。数えてみたらリード・ヴォーカル4曲、作曲ではロッド・テンパートンより多い5曲、そしてバック・ヴォーカル多数の大活躍。マイケル・ジャクソンとのデュエットで注目されたものの、クウェストと契約しながらクインシーのスケジュール待ちでソロ・デビューが遅れ、結局ロッド・テンパートン制作で本作前年の88年にソロを出した彼女。その穴埋めでもないのだろうが、こんなに起用されていたとは思わなかった。
グラミーでも最優秀アルバム、最優秀プロデューサー、最優秀録音に加え、レイとチャカが歌った<I'll Be Good To You>で最優秀R&Bグループ、ラッパー軍団とのアルバム・タイトル曲で最優秀ラップ・グループ、前述<Birdland>で最優秀ジャズ・フュージョン・アーティストと最優秀インストゥルメンタル・アレンジ、更に<The Places You Find Love>で最優秀アレンジと、まさにジャズからポップス、R&B、ラップまで、超絶ジャンル越えの8部門を獲得。これにハービー・ハンコックやジョージ・デューク入りのイヴァン・リンス作<Setembro>とか、バリー・ホワイトやジェイムス・イングラム、アル・B・シュア、エル・デバージをフィーチャーした<The Secret Garden>などがあるのだから、まさに豪華絢爛この上ナシ。
クインシー御大、分かっちゃいたけど、やっぱりスゴイお方でした。
また<Birdland>のカヴァーでは、マイルス・デイヴィスとディジー・ガレスピー、エラ・フィッツジェラルドとサラ・ヴォーンが、ダブルで大物共演。ギターはジョージ・ベンソンだ。また斬新なアカペラ曲<Wee B. Dooinit (Acapella Party)>では、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、アル・ジャロウ、ボビー・マクファーリン、テイク6、サイーダ・ギャレットが声を重ねている。
改めて驚いたのは、このサイーダ・ギャレットの貢献の大きさだ。前述<Tomorrow>では、ブラ・ジョンのインスト原曲に詞をつけ、クインシーと作家契約を結んでいたグレン・バラード&クリフ・マグネスが提供した<The Places You Find Love>でチャカとデュエット。コーラスにはディオンヌ・ワーウィックやルーサー・ヴァンドロス、ジェイムス・イングラム、ハワード・ヒュエット、ジェニファー・ホリデイ、ペギー・ブルー、そしてアンドレ・クラウチ・シンガーズらを従えている。数えてみたらリード・ヴォーカル4曲、作曲ではロッド・テンパートンより多い5曲、そしてバック・ヴォーカル多数の大活躍。マイケル・ジャクソンとのデュエットで注目されたものの、クウェストと契約しながらクインシーのスケジュール待ちでソロ・デビューが遅れ、結局ロッド・テンパートン制作で本作前年の88年にソロを出した彼女。その穴埋めでもないのだろうが、こんなに起用されていたとは思わなかった。
グラミーでも最優秀アルバム、最優秀プロデューサー、最優秀録音に加え、レイとチャカが歌った<I'll Be Good To You>で最優秀R&Bグループ、ラッパー軍団とのアルバム・タイトル曲で最優秀ラップ・グループ、前述<Birdland>で最優秀ジャズ・フュージョン・アーティストと最優秀インストゥルメンタル・アレンジ、更に<The Places You Find Love>で最優秀アレンジと、まさにジャズからポップス、R&B、ラップまで、超絶ジャンル越えの8部門を獲得。これにハービー・ハンコックやジョージ・デューク入りのイヴァン・リンス作<Setembro>とか、バリー・ホワイトやジェイムス・イングラム、アル・B・シュア、エル・デバージをフィーチャーした<The Secret Garden>などがあるのだから、まさに豪華絢爛この上ナシ。
クインシー御大、分かっちゃいたけど、やっぱりスゴイお方でした。
(自分が過去に書いた文章のからの引用ですが)
クリフ・マグネスは初期の重要なセッションとしてこの曲をあげていて、
バーブラの完全主義レコーディングのせいで一曲にと一ヶ月かかったとか。
この曲はほかにジェニファー・ラッシュもカバーしていることから分かるようにポピュラー歌手向きだと思います。
そう考えるとこのクインシー・バージョンはさすがによく練られているなと感じました。
https://x.com/emfanjp