12月に入ったばかりですが、もう来年向けのお仕事。とあるお題を頂戴し、ジャズ・フュージョンを定番からマニアなモノまでアレコレ聴き倒している。その中で、思わず聴き惚れてしまったのがジャン・リュック・ポンティ。既に、誰それ？、という世代も多そうだが、一般的にはマハヴィシュヌ・オーケストラの２代目ヴァイオリン奏者、というのが通りが良いか。フランス出身で、60年代半ばからリーダー作を発表。マハヴィシュヌ離脱後の70年代中盤にアトランティックと契約し、ギアを上げてソロ活動を展開してきた。
掲げたのは、アトランティックで４枚目となる77年作『ENIGMATIC OCEAN（秘なる海）』。ポンティの代表作とされる名盤だ。でも今回改めて感心したのは、作品の内容ということよりも、若手ミュージシャン起用の鋭さや巧みさ。そりゃあマハヴィシュヌでの経験と知名度があれば、我先にと擦り寄って来る人は多いだろう。でもそれが散発的ではなく、徐々にミニマムな方向へシフトしていく80年代後半〜90年代まで続いていく。そこに注目したいのだ。
例えば、75年のアトランティック入り第１作『UPON THE WINGS OF MUSIC』では、プレスティッジ入り間もないジャズの才媛パトリース・ラッシェン、ジョージ・デューク・バンドで活躍し始めたンドゥグ・レオン・チャンクラー、まだソウル系のイメージが強いレイ・パーカーJr.らをまとめて起用。次の『IMAGINARY VOYAGE』では、後にジノ・ヴァネリのバンドに加入するギターのダリル・スチューマー（更にジェネシス）、ドラムのマーク・クレイニー（BROTHERS TO BROTHER
）、デュークやフランク・ザッパ人脈のトム・フォウラー (b)、そして後にザッパの元へ行くアラン・ザヴォット (kyd) をブレーンに。そして上掲『ENIGMATIC OCEAN』では、アラン・ホールズワースとスチューマーのツイン・ギターで、ドラムは後にジャーニーへ行くスティーヴ・スミス。ベースはマハヴィシュヌ時代の盟友ラルフ・アームストロングを呼び戻した。
加えて78年作『COSMIC MESSENGER』では、ジノのところにいたケイシー・シュエーレル (ds)、L.A.エキスプレス〜ビリー・コブハム・バンドのピーター・マヌウ (g)、後にナラダ・マイケル・ウォルデンに絡むホアキン・リヴァーノ (g) という面々が。80年の『CIVILIZED EVIL』には、ホアキンとスチューマー (g) にクレイニー (ds)、ランディ・ジャクソン (b/ 後にジャーニー) というナラダとジノ周辺人脈が参加。新参クリス・リン (kyd) も、ジノのところからサンタナへ移った人だ。そもそもこの時期のサンタナのドラムは、ジノのバンド出身グラハム・リアー。彼とサンタナ創設時のドラマー：マイケル・シュリーヴの間には、ンドゥグがプレイした時期がある。ジャーニーの初代ドラマー：エインズレー・ダンバーもザッパのところにいたことがあった。そういう若き名手をどんどん起用する、そんな風潮が顕著な集団だった。
ジョージ・デュークがザッパ＆マザーズ出身というのは有名だけれど、ジノ・ヴァネリ、ジャーニー含むサンタナ人脈、そしてヨーロッパにも繋がるナラダ人脈と、ハリウッドのスタジオ人脈とは少し違う系統の流れがあり、そのハブのところにポンティも存在した。だから基本はジャズやクロスオーヴァー／フュージョンでも、その端々はシスコ界隈のロック勢やAOR方面、果てはプログレにまで広がっていく。10年ほど前には、元イエスのジョン・アンダーソンとの双頭バンドを組んでいたし。音楽の裾野の広がり方というのは、そういうモノなのよ。
例えば、75年のアトランティック入り第１作『UPON THE WINGS OF MUSIC』では、プレスティッジ入り間もないジャズの才媛パトリース・ラッシェン、ジョージ・デューク・バンドで活躍し始めたンドゥグ・レオン・チャンクラー、まだソウル系のイメージが強いレイ・パーカーJr.らをまとめて起用。次の『IMAGINARY VOYAGE』では、後にジノ・ヴァネリのバンドに加入するギターのダリル・スチューマー（更にジェネシス）、ドラムのマーク・クレイニー（BROTHERS TO BROTHER
）、デュークやフランク・ザッパ人脈のトム・フォウラー (b)、そして後にザッパの元へ行くアラン・ザヴォット (kyd) をブレーンに。そして上掲『ENIGMATIC OCEAN』では、アラン・ホールズワースとスチューマーのツイン・ギターで、ドラムは後にジャーニーへ行くスティーヴ・スミス。ベースはマハヴィシュヌ時代の盟友ラルフ・アームストロングを呼び戻した。加えて78年作『COSMIC MESSENGER』では、ジノのところにいたケイシー・シュエーレル (ds)、L.A.エキスプレス〜ビリー・コブハム・バンドのピーター・マヌウ (g)、後にナラダ・マイケル・ウォルデンに絡むホアキン・リヴァーノ (g) という面々が。80年の『CIVILIZED EVIL』には、ホアキンとスチューマー (g) にクレイニー (ds)、ランディ・ジャクソン (b/ 後にジャーニー) というナラダとジノ周辺人脈が参加。新参クリス・リン (kyd) も、ジノのところからサンタナへ移った人だ。そもそもこの時期のサンタナのドラムは、ジノのバンド出身グラハム・リアー。彼とサンタナ創設時のドラマー：マイケル・シュリーヴの間には、ンドゥグがプレイした時期がある。ジャーニーの初代ドラマー：エインズレー・ダンバーもザッパのところにいたことがあった。そういう若き名手をどんどん起用する、そんな風潮が顕著な集団だった。
ジョージ・デュークがザッパ＆マザーズ出身というのは有名だけれど、ジノ・ヴァネリ、ジャーニー含むサンタナ人脈、そしてヨーロッパにも繋がるナラダ人脈と、ハリウッドのスタジオ人脈とは少し違う系統の流れがあり、そのハブのところにポンティも存在した。だから基本はジャズやクロスオーヴァー／フュージョンでも、その端々はシスコ界隈のロック勢やAOR方面、果てはプログレにまで広がっていく。10年ほど前には、元イエスのジョン・アンダーソンとの双頭バンドを組んでいたし。音楽の裾野の広がり方というのは、そういうモノなのよ。
私もジャン・リュック・ポンティの秘めたる海は当時、聞き倒しました。まさしく名盤です。私は当時、アラン・ホールズワースの大ファンでライフタイムからUKなどコレクションしていました。その中でもこの作品は特別でヴァイオリンとアラン・ホールズワースの超絶ギターのコンビネーションが聞き応え十分で、ローズのエレピの音も素晴らしかったのを記憶しています。 
