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昨年5月に亡くなったティナ・ターナーのソロ・デビュー50周年を記念したソロ初期4作が、まとめてCD / Vinyl 復刻。当時はすべてUnited Artistsからのリリースだったが、現在は回りまわって Parlophone / Rhino からの発売となった。手に入れたのは独プレス盤で、すべて箱モノにありがちな簡易的ペーパー・スリーヴ。でも内袋もシッカリ再現されていて、まぁそれなりの出来である。

『TINA TURNS THE COUNTRY ON!』は、アイク&ティナ・ターナー時代の74年に作られた初のソロ作。タイトル通りカントリー・スタイルにアプローチしたもので、ボブ・ディランやクリス・クリストファーソン、ジェイムス・テイラー、リンダ・ロンシュタット、ドリー・パートン、オリヴィア・ニュートン・ジョンらのレパートリーを取り上げている。プロデュースはグレン・キャンベルらを手掛けたトム・サッカーで、演奏陣にもジェームス・バートン、トム・スコットなど。でもカントリーを歌ってもティナ節は全開で、メチャクチャにソウルフル。だから売れずとも高評価を受け、グラミー最優秀R&Bヴォーカル・パフォーマンスにノミネートされた。

75年の2nd『ACID QUEEN』は、ティナが同年に公開されたザ・フーのロック・オペラ『TOMMY』映画版に出演し、アシッド・クイーン役を演じたことにあやかったモノ。当然ザ・フーの<Acid Queen>と、もう1曲<I Can See For Miles>をカヴァーしている。他にもローリング・ストーンズ<Under My Thumb>や<Let's Spend The Night Together>、レッド・ツェッペリン<While Lotta Love>をカヴァーし、ティナのキャラクターを生かした充実の内容になった。ストーンズあたりはそのままティナだが、グッとテンポを落としてストリングスを配し、スケール感たっぷりに迫った<While Lotta Love>は圧巻。プロデュースはデニー・ダイアンテ&スペンサー・プロファー。アルバム後半に収録された夫アイクの楽曲群は、2人とアイクが共同制作している。演奏陣はエド・グリーン (ds)、レイ・パーカーJr. (g), ジェリー・ピータース/クラレンス・マクドナルド (kyd), トム・スコット(sax)など。

76年に暴君アイクの元から着の身着のままで逃走し、78年に離婚成立。その直後、本当の意味でのソロ期に入っての3作目が『ROUGH』である。エルトン・ジョン<The Bitch Is Back>、ボブ・シーガー<Fire Down Below>、アラン・トゥーサン<Viva La Money>、ダン・ヒル<Sometimes When We Touch>にウィリー・ネルソン、ウィリー・ディクソンなど、前作よりも多彩なカヴァー曲を配し、時代性を取り入れたロック&ファンクからブルース・ナンバーまでと、かなり広範な内容になった。プロデュースは初期ルーファスを手掛けたボブ・モナコ。バックにも初期ルーファス勢のほか、アイアート・モレイラ (perc), ウィリアム・D・スミス (kyd), エド・グリーン/ピーター・ブネッタ (ds) らが参加している。

ヨーロッパ、特にフランスで人気のディスコ・サウンド・プロデューサー:アレック・R・コンスタンディノスと手を組んだ『LOVE EXPLOSION』は、英欧向けに発表された4作目。でもディスコっぽいのは意外に少なく、レオ・セイヤー<Fool For Your Love>、パティ・ラベル<I See Home>(デヴィッド・ラズリー作)、ダスティ・スプリングフィールド<Just a Little Lovin'>(バリー・マン作)にオージェイズ<Backstabbers>など、なかなかのモダン・ソウル盤に。とりわけ、新曲と思しき<Music Keeps Me Dancin'>の疾走するカッコ良さは悶絶モノで…。リズム・セクションはロンドン、ホーンはニューヨーク(ブレッカー兄弟入り)で録られているが、やはりエネルギッシュなティナの歌いっぷりがスゴイ。

アル中、ヤク中、オマケにDV夫だったアイクに悩まされ続けたティナだが、離婚を挟んでのソロ初期4作での彼女のヴォーカルは、どれも超絶に強力。ただヒットに恵まれなかっただけだ。もし、ティナはアル・グリーンのカヴァー・ヒット<Let's Stay Together>から、もしくは翌年のアルバム『PRIVATE DANCER』から聴いとけばOK、そんなふうに思っていたなら、すぐに考えを改めるべしヨ。



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