t-groove_midnight lady

普段はただの呑んだくれ。でもディスコ・ミュージックに関しては世界レヴェルで活躍するディスコ・クリエイター:T-Grooveと、その盟友的存在であるストリート系グルーヴ・ドラマー:George Kanoによる2ndフル・アルバム『MIDNIGHT LADY』が、約2年ぶりにドロップ。T-Groove自身から依頼で、80年代っぽいケーハクな雰囲気モンの帯キャッチを寄せました。

フロアはもちろん、リスニング・ルームにもフィットする現在進行形のモダン・ダンス・ミュージック! 基本は前作同様なれど、今回はジャズ・ファンク〜クロスオーヴァー・フュージョン・フレイヴァーを強めていて、全編 生演奏で制作されている。アルバムを貫くのはアーバン・メロウなテイスト。ダンス・クラシック系作品とは明らかに一線を画しており、徹頭徹尾、クールなビートが楽曲を艶っぽく彩っている。前回、なかなか油っぽいドラムを聴かせてくれたGeorge Kanoも、今作では結構抑え気味でニュアンス重視のプレイだ。

参加ミュージシャンは、YUMA HARA / Yujin Amano(ex-アマネトリル): E. Guitar、SWING-O(FLYING KIDS): Keyboards、山下あすか : Percussion、DAISUKE : Vocals など、個人的に面識のあるミュージシャンが多いが、総勢23名、イギリスやフランスで活躍で活躍している者も参加と、さすが国内派T-Groove、なかなか壮大なプロジェクトになった。でも、70年代後半に多かったディスコ系スタジオ・プロジェクトとは違って、基本はインストで、ホーン・セクションやストリングスは起用せずシンセ・パッドで代用。ギターやキーボード、サックス、トランペットなどが伸びやかにメロディを取るあたりに、今様のセンスを感じる。スティーヴィー・ワンダーを髣髴させるSWING-O提供の<Free Wave>、ハーブ・アルパート<Rise>のセンを狙ったと思しき<Jealous>、唯一の本格的ヴォーカル・チューン<Don’t Criticise>などが、個人的には特に耳に残ったところ。涼しげなピアノとコーラスのスターター<Let Me Ride>は、シャカタクがモチーフかしらね? 

自分がアルバム通じて咄嗟に思い浮かべたのは、スティーヴ・バリとマイケル・オマーティアンが主導したリズム・ヘリテッジ。それも<S.W.A.T.のテーマ>が全米No.1になった頃じゃなく、カナダでしかアルバムが出せなかった4作目『DISCO DERBY』 (79年) あたり。ディスコ一辺倒ではなく、音楽的な多様性を増して、クロスオーヴァー/フュージョンやAOR度を強めていたのだ。

…ってなワケで、ちょっと遊び心で、こんなのを。

ビートに乗ってグラスの中で揺れていた都会のナイト・スケープが、
赤いリップの中へ消えていく。
よりアーベインに磨き抜かれたメロウネス。
ハーフ・ビターな目くるめくワンナイト・ロマンス。
踊るより、心をくゆらす感じがモア・ベター。


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