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早くも今年3回目のシティポップ・コレクション。諸般の事情でradiko premiumのエリアフリー時間制限には間に合わなかったけれど、とりあえずオンエアリストだけでも。今回は、言わばシティポップの傍流、「歌のあるクロスオーヴァー/フュージョン」の特集。年明け最初のコメンテイター揃い踏み放送で、栗本斉くんが「今年はフュージョン」と言っていたので、そのネタを先に横取りして…

とにかく最近は、シティポップ・ブームの余波なのか、J-フュージョンにも世界的注目が集まっていて。カシオペア、高中正義らはアルバムによって異常人気。マライアのように当時は理解されなかった連中も、海外から引き手数多のアルバムがある。ワンコインで中古アナログ盤が買えた時代を知っていると、4ケタ後半、ヘタこくと5桁、という値付けに「何が起きているの?」と思ってしまうが…。NORIKIや菊池ひみこあたりのマニアックなアーティストも同様に受けているし、フュージョンとは少しズレるけど、今はスペクラムがバズったりしているようだ。

そんな中、当番組では初のクロスオーヴァー/フュージョン特集。それをいきなりインストゥルメンタルばかりで固めるのもえげつないので、今回はポップな歌モノに絞って構成してみた。以下お楽しみあれ。

 1. I LOVE NEW YORK / カシオペア  
79年の2ndアルバム『SUPER FLIGHT』より。正確には、デビュー・アルバム発売後に日本航空CMソングのシングルとして世に出て、次作に当たるこのアルバムに収められた。彼らには珍しいUS楽曲のカヴァーで、オリジナルは77年にニューヨーク市が世界で展開したニューヨーク観光キャンペーンのテーマ曲。それにJALが乗っかり、カシオペアの名前を広めるキッカケになった。リード・パートはヴォコーダーに拠る。

 2. マジック / THE SQUARE
78年にデビュー、F1グランプリのテーマ曲<Truth>で知られる現T-SQUAREの、81年の5作目『MAGIC』から。改名は89年で、米進出の際、既にUSに同名バンドがいたため、“TOKYO SQUARE” の意で付けられた。ポップで程よくプロデュースされた楽曲を得意とし、フュージョンと言うよりはポップ・インストと呼ばれる。当時はタモリのアルバムをサポートしたり、ユーミンのツアーでバックを務めたりも。この曲、THE SQUARE版はセッション・シンガーが歌っているが、83年にマリーンがカヴァーし、今はスッカリ彼女の代表曲として知られている。

 3. DO WHAT YOU DO / NORIKI
ピアノ奏者:野力奏一が80年代に率いたリーダー・バンド。83年 1st『NORIKI』収録に収録されたヴォーカル・チューンで、歌うのは国分友里恵。野力は山下達郎、渡辺貞夫、阿川泰子、最近ではケイコ・リーのサポートなどで知られるが、NORIKIでは国分がレギュラー・ゲスト的に歌っていて、そのいくつかがシティポップ人気に連動して再評価、CDやアナログが再発される流れにが生まれた。この曲は国分らしく、アーバンなファンク・テイスト。

 4. COCKTAIL NIGHT / パラシュート
松原正樹(2016年没)、今剛、林立夫、斎藤ノブ、井上鑑、小林泉美、安藤芳彦、マイク・ダンら、敏腕セッション・ミュージシャンが集まって結成されたパラシュートの、81年3作目『HAERE MAI』収録曲。フュージョン的に見られがちだが、半分は歌モノでAORチックなヴォーカル・アルバムも出している。その一方でミュージシャン的ギャグ・センスを発揮したりも、これは作詞でも活躍する安藤のセンスが爆発した曲で、シティポップ寄りのパーティー・ソング。バンドは断続的に活動していたが、松原逝去以来、活動を止めている。

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