
コピーとカヴァー、リメイクの違いって何? そんなことを考えずにいられない曲に出会うコトがある。最近増えているトリビュート・バンドのように、そっくりそのまま寸分違わずに演奏するのがコピー。演者自身の解釈を交えて取り上げるのがカヴァー。対してリメイクは、オリジネイターが自分の曲を作り直す時、文字通り “リ・メイク” するのに使われるのが一般的だ。
でも自分は少し違う感覚がある。カヴァーというのは、ある程度オリジナルのアレンジを尊重して、聴けばすぐに原曲が分かるもの。そしてリメイクは、ちょっと聴いただけじゃ気づかないほど、大胆なアレンジを施して完全に作り変えてしまったカヴァーを指す、そんな気がしている。アダプトという言い方もできるが、最近はあまり使われることはないかな。自分は時々使うけど。じゃあ自分で再演するのは何と呼ぶ? セルフ・カヴァーが分かりやすくてイイんじゃない?というのが自分の意見。まぁ、ハッキリした定義はないんだけど…
そうしたリメイクの多くは、主にビートルズ・ソングだったりする。誰でも知ってる楽曲ばかりだから、変化の度合いをアピールしやすく、しかもインパクトが大きいのだ。だけどそれが今回は、ちょっとビックリ。元ネタがTOTOの<Hold The Line>なのだから…。
マグネ・フルホルメンって誰? そんな人も多いだろう。マグネは80年代に一世を風靡したノルウェーのポップ・バンド: A-HAのキーボード奏者にしてソングライターのひとり。もちろんかの<Take On Me>でも、他のメンバー2人と共に曲作りに名を連ねている。ヨーロッパでのA-HAの高人気は当然と言えるが、ブラジルでも極めて高い人気があった。90年代中盤からは、A-HAと併行してTimbersoundというユニットを組み、映画やTVドラマのサウンドトラックを制作。ゼロ年代からはソロ活動をスタート。更に芸術家として絵画や彫刻、陶器、版画などの作品を発表。世界各地で個展を開き、相応の地位を築いている。自国ノルウェーではヴィジュアル・アーティストとして高く評価されているのだ。
A-haが通算11作目『TRUE NORTH』を発表した22年頃から曲作りに取り組み始めた、というこのアルバム。最終形が見えないまま曲を書き始めたそうだが、それが結果的にソロ・アルバムに着地した。ヴィジュアル・アーティストらしく、作品は視覚イメージが強くて耽美的。80年代のA-HAとは大きく異なる一方で、メッセージ性が高かった『TRUE NORTH』とは共通点がある。深く聴き込めば、現行A-HAに於けるマグネのポジションが見えてくるだろう。
今回マグネが<Hold The Line>を取り上げたのは、21年に開催されたチューリッヒ音楽祭で、デヴィッド・ペイチやスティーヴ・ルカサーと交流を持ったのがキッカケとか。ネイザン・イーストやレイ・パーカーJr.らと一緒にジャム・セッションに興じ、フレンドリーな関係になったらしい。曲調はアルバムのトータル・カラーに準じていて、メリハリの効いているオリジナルとは大きく違い、陰影が深くて浮遊感たっぷり。マグネの繊細なヴォーカルもあって、とてもナイーヴに感じる。すぐには気づかないほどの大胆アレンジなので、好みは割れると思うが、まずはトライを。
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《Tower Recordsはココから》
そうしたリメイクの多くは、主にビートルズ・ソングだったりする。誰でも知ってる楽曲ばかりだから、変化の度合いをアピールしやすく、しかもインパクトが大きいのだ。だけどそれが今回は、ちょっとビックリ。元ネタがTOTOの<Hold The Line>なのだから…。
マグネ・フルホルメンって誰? そんな人も多いだろう。マグネは80年代に一世を風靡したノルウェーのポップ・バンド: A-HAのキーボード奏者にしてソングライターのひとり。もちろんかの<Take On Me>でも、他のメンバー2人と共に曲作りに名を連ねている。ヨーロッパでのA-HAの高人気は当然と言えるが、ブラジルでも極めて高い人気があった。90年代中盤からは、A-HAと併行してTimbersoundというユニットを組み、映画やTVドラマのサウンドトラックを制作。ゼロ年代からはソロ活動をスタート。更に芸術家として絵画や彫刻、陶器、版画などの作品を発表。世界各地で個展を開き、相応の地位を築いている。自国ノルウェーではヴィジュアル・アーティストとして高く評価されているのだ。
A-haが通算11作目『TRUE NORTH』を発表した22年頃から曲作りに取り組み始めた、というこのアルバム。最終形が見えないまま曲を書き始めたそうだが、それが結果的にソロ・アルバムに着地した。ヴィジュアル・アーティストらしく、作品は視覚イメージが強くて耽美的。80年代のA-HAとは大きく異なる一方で、メッセージ性が高かった『TRUE NORTH』とは共通点がある。深く聴き込めば、現行A-HAに於けるマグネのポジションが見えてくるだろう。
今回マグネが<Hold The Line>を取り上げたのは、21年に開催されたチューリッヒ音楽祭で、デヴィッド・ペイチやスティーヴ・ルカサーと交流を持ったのがキッカケとか。ネイザン・イーストやレイ・パーカーJr.らと一緒にジャム・セッションに興じ、フレンドリーな関係になったらしい。曲調はアルバムのトータル・カラーに準じていて、メリハリの効いているオリジナルとは大きく違い、陰影が深くて浮遊感たっぷり。マグネの繊細なヴォーカルもあって、とてもナイーヴに感じる。すぐには気づかないほどの大胆アレンジなので、好みは割れると思うが、まずはトライを。
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