roomies

訃報が多くてなかなか用意していたネタが紹介できていないが、今回はコレ、ネオ・ソウル・バンドのRoomies。ココのブログのお客様は、自分が以前からNeighbors Complainという大阪の4人組を応援していて、カヴァー・アルバムの楽曲セレクトにも関わったりしているコトをご存知だと思うけれど、バンドの立ち位置・音楽性としては、その東京版という感覚だろうか。Roomiesのメンバーとは面識などなく、【Light Mellow Searches】でお世話になっているP-Vine繋がり、というだけだけど、近年登場した若手バンドの中では、とびきりフィット感が強くって…。

Roomiesは、2019年に解散したCICADA(冨田ラボで歌っていた城戸あきこがヴォーカル)のキーボード奏者:及川創介が結成したバンド。何度かのメンバー・チェンジを経て、現在は4人で活動。21年末に1stアルバム『The Roomies』をリリースし、この『ECHO』が2枚目のアルバムになる。フィリピン系のシンガーをフロントに立てているため、英語で歌うのがメインなのだが、コレがもうホントに洋楽レヴェルで驚き。そこに日本語の楽曲を効果的に混ぜ込んでいて、なかなかに戦略的だ。でもそれがごく自然に映るから、思わず身を乗り出してしまう。

シンガー:Kevinの歌声は、ちょっと中性的で、ソウルフルかつメロウ。マイケル・ジャクソンからの影響も随所に現れているけれど、ヴォーカルで言えば、よりエル・デバージに近いかな。最近でいうと、ロンドン拠点で活躍するガレス・ドンキンとか。ソウル/R&Bとポップスのミクスチャーに、ジャジーなテイストも混ぜ込んでいて、洗練されたハイブリッド・サウンドが要注目だ。

個人的に激ヤバなのは、下にショート動画をあげたメロウ・ミディアム<Stay As You Are>。でもキャッチーなダンス・ポップ・チューン<Like This Before>、MJ色濃厚な<Hypnotized>、昨年発売されたアナログ・シングルが即完したらしい<甘い夢>のアルバム・テイクなど、どれも魅惑的で。すっかり忘れていたけれど、2年前にシングルのみで出ていた<きっと愛>は、マイケル・マクドナルド・マナーの最新シティポップとして耳にしたことがあった。

70~80'sテイストのキラキラ感を少しローファイなサウンドに乗せて表現した、今ドキのブリリアント・メロウ。大手レーベルを飛び出したNeighbors Complainもそうだけど、看板だけの新しいエセ・シティポップ・バンドより、こういう実力派に目を配って欲しいと思っている昨今です。

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ECHO
Roomies
Pヴァイン・レコード
2025-01-08

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