
北欧フィンランドを拠点に活動しているサックス奏者/プロデューサーのアンドレ・ソロンコから、約7年ぶりとなるニュー・アルバム『MIDSUMMER RAIN』が到着。前作『LA DELTAPLANE』に続き、ライナーを書かせていただいた。アンドレにとっては、コレが4枚目のソロ・アルバムになる。
今回7年も時間が空いたのは、もちろんコロナ・パンデミックの影響が大きい。それにアンドレ自身も体調を崩したり、活動環境を考え直したりもしていたらしい。また彼は元々ウクライナのドンバス地方生まれで、ペレストロイカ期のソ連で国から援助を受け、ソ連内のツアーやジャズ・フェスティヴァルに出演するなど、安定した活動を行なっていたそうだ。それだけに2つの母国同士が戦争状態にあることに、深く心を痛めている。「このアルバムは平和への叫びであり、生きる感覚を取り戻すことを願ったもの」とは、まさに正直な気持ちだろう。
それでもアンドレの創作スタイルはこれまでと変わらず、“未公開の恋愛映画のサウンドトラック”だと思ってアルバムを作っている。具体的には、ジャズ・ロックのグルーヴにメロディズムと叙情性を組み合わせようと試みたそうだ。大きく変化したのは、前作『Le Deltaplane』では女性ヴォーカルをフィーチャーしていたのが、この新作では男性ヴォーカルにスイッチしたこと。ヴォーカル・チューンも少し減って、インスト曲とのバランスを図っている。前作は少し商業的になりすぎたと考え、自分らしくあろうとしたのだ。
<May I buy you a drink,Sadao-san?>というインスト・ナンバーは、アンドレが自分らしさを発揮したシンボル的存在だ。そう、“Sadao-san”とは、いうまでもなく日本ジャズ界のレジェンド、ナベサダこと渡辺貞夫のこと。
「貞夫サンは私の母国でとても大きな存在で、彼の音と70〜80年代のジャズ・ロック作品は今でも多くのインスピレーションを与えてくれています。この曲は、彼の84年のアルバム『RENDEZVOUS』にインスパイアされたもの」
おぉ、そうだったか! なるほどアンドレのウォームなサックスの音色は、ナベサダからのインフルエンスもあるのだな。日本先行リリースとなる今作、これが来日公演にでも結びつけば、新たなファン獲得になるのは間違いない。
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《Tower Records はココから》
それでもアンドレの創作スタイルはこれまでと変わらず、“未公開の恋愛映画のサウンドトラック”だと思ってアルバムを作っている。具体的には、ジャズ・ロックのグルーヴにメロディズムと叙情性を組み合わせようと試みたそうだ。大きく変化したのは、前作『Le Deltaplane』では女性ヴォーカルをフィーチャーしていたのが、この新作では男性ヴォーカルにスイッチしたこと。ヴォーカル・チューンも少し減って、インスト曲とのバランスを図っている。前作は少し商業的になりすぎたと考え、自分らしくあろうとしたのだ。
<May I buy you a drink,Sadao-san?>というインスト・ナンバーは、アンドレが自分らしさを発揮したシンボル的存在だ。そう、“Sadao-san”とは、いうまでもなく日本ジャズ界のレジェンド、ナベサダこと渡辺貞夫のこと。
「貞夫サンは私の母国でとても大きな存在で、彼の音と70〜80年代のジャズ・ロック作品は今でも多くのインスピレーションを与えてくれています。この曲は、彼の84年のアルバム『RENDEZVOUS』にインスパイアされたもの」
おぉ、そうだったか! なるほどアンドレのウォームなサックスの音色は、ナベサダからのインフルエンスもあるのだな。日本先行リリースとなる今作、これが来日公演にでも結びつけば、新たなファン獲得になるのは間違いない。
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