

昨年4月に25年ぶりのCD再発が叶った、CCMのレア盤マイケル・ゴンザレスのゴンザレスの80/83年作が、遂にアナログ復刻。コレはやっぱりvinylで欲しいよね、というコトで、発売日よりひと足早く楽しませてもらってます。妄想帯もなんだかとっても雰囲気がヨロシクくて…

かねてから予告しているように、次の Premium 03では、02掲載に続く1984年以降のAOR作品と同時に、CCMやハワイ物、90年代以降に発掘され再評価のスポットが当てられたような、いわゆるレア盤群を掲載する予定だ。しかし、ややもするとyoutubeやサブスクでそうしたレア音源が簡単に聴けるようになっている今、何を基準にレアだと判断するか、そしてその作品自体の内容的掲載基準にアタマを悩ませたりする。
例えば、SNSのAORグループを見ていても、定番アルバム/アーティストのアップに多数の「いいね」が付く一方で、レア盤ばかりを紹介しあって熱く盛り上がっている、ごくごく少人数のグループ内グループがあったりする。もちろんそれはそれでイイのだけれど、そこで本当の秘宝たる名曲に出会えるケースはそれほど多くなくて、知ってる知らないに関わらず、このレヴェルで上げちゃうかぁ…、と腕組みしちゃうようなのが多々。レアという価値観に半ば酔ってしまって、判断基準が甘くなってるなぁ…、そう思わされるパターンが少なくないのだ。
でもソレは、遥か昔から当たり前のようにあったこと。ただネット情報が氾濫するようになって、余計に拍車がかかった気がしている。もちろん1〜2曲だけでも音源が聴けるから、実際に自分で判断しやすくなったのは有難いのだけれど。
ところが試聴できるようになったのも、考えようによってはクセモノで。キラー・チューンがアルバムに1〜2曲しかない、というのがそのパターン。フル・アルバムがアップされていれば自分で容易に判断できるけれど、それしか聴けなければ、他はクズ、という可能性だって低くはない。レア盤自慢で承認欲求の高い輩、あるいはその筋のバイヤーたちは、魅力の部分だけを誇張するから、どうしたってアルバム全体像は見えにくい。
では、実際に音が出ないガイド本はどうすべきか。そこが最大のテーマ。
だからこそLight Mellowシリーズは、執筆している自分か福田直木が所有していないアルバム、全曲チェックできていないアルバムは掲載しない方針を貫いている。1曲だけで他はクズ、というマグレみたいな作品をオミットしているのだ。最低でも、1枚のアルバムにつき3〜4曲程度はオススメできる曲がある、もしくは特に名曲はなくてもアルバム通して楽しめる、そういう作品を選りすぐっている。DJじゃないので、1曲だけでOKするワケにゃイカないのだ。
そもそも音楽ライターという立場から考えたら、多くの人が手にできる作品/楽曲を紹介するのがガイド本のあるべき姿。往年のレア・グルーヴ系ディスクガイドのように、レア盤自慢・レア盤競争みたいになってしまってはイケない。初心者の手引きとなり、初級者、中級者、上級者、それぞれがワンランク上を目指す指針になればイイのだ。そしてトップ・クラスのコレクター諸兄は、もうこうしたガイド本を頼らず、同じ穴のムジナ同士で情報交換すればそれで済む。それが正しいガイド本のあり方、そう心得る。
ただし、そのレア盤の価値基準も、時代時代で移ろうもの。リアルタイムでAOR全盛期を知る者からすると、当時は存在さえまったく知られていなかった作品が、発掘され、復刻され、再発を繰り返すうちにスッカリ定番化。若い世代に基本アイテムとして扱われるようになったタマは少なくない。でもその逆も然り。以前は輸入盤店などで普通に買えたアルバムが結構なレア盤になっていたりするし、良い内容なのにあまり話題にならず、いつしか埋もれてしまっていたりする。若い世代のマニアの知識というのは、オンタイム派から見ると、得てしてイビツだったりするもの。「SNSであんなレア盤を紹介してるクセに、コレを知らないの…?」なんてコトが、往々にして起こってくる。
どんなジャンルであれ、ディスクガイドが出ると、それなりの知識を持つディレッタントは、前説や序文を無視して、いきなり掲載内容を確かめたがる。執筆側がどういう基準で、どんな想いや意図を持って選盤しているのか、そんなコトはお構いナシだ。でも本当に重要なのは、そのディスクガイドをどう読み解くか、どう自分の音楽知識に紐付けるか。ガイド本の編纂意図をロクに理解せず、掲載アイテムだけしか見ていないような輩は、無駄に知識というゴミの山の高さを競っているだけ。それを宝の山に化けさせるのは、ホンの小さな意識の差だと思うけどな。
…というワケで、日々の生活の糧となる直近の締切をこなしつつ、ひたすら書きまくっている日々。御託はいいから、サッサと書けッ
はい、ごもっともで…
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でもソレは、遥か昔から当たり前のようにあったこと。ただネット情報が氾濫するようになって、余計に拍車がかかった気がしている。もちろん1〜2曲だけでも音源が聴けるから、実際に自分で判断しやすくなったのは有難いのだけれど。
ところが試聴できるようになったのも、考えようによってはクセモノで。キラー・チューンがアルバムに1〜2曲しかない、というのがそのパターン。フル・アルバムがアップされていれば自分で容易に判断できるけれど、それしか聴けなければ、他はクズ、という可能性だって低くはない。レア盤自慢で承認欲求の高い輩、あるいはその筋のバイヤーたちは、魅力の部分だけを誇張するから、どうしたってアルバム全体像は見えにくい。
では、実際に音が出ないガイド本はどうすべきか。そこが最大のテーマ。
だからこそLight Mellowシリーズは、執筆している自分か福田直木が所有していないアルバム、全曲チェックできていないアルバムは掲載しない方針を貫いている。1曲だけで他はクズ、というマグレみたいな作品をオミットしているのだ。最低でも、1枚のアルバムにつき3〜4曲程度はオススメできる曲がある、もしくは特に名曲はなくてもアルバム通して楽しめる、そういう作品を選りすぐっている。DJじゃないので、1曲だけでOKするワケにゃイカないのだ。
そもそも音楽ライターという立場から考えたら、多くの人が手にできる作品/楽曲を紹介するのがガイド本のあるべき姿。往年のレア・グルーヴ系ディスクガイドのように、レア盤自慢・レア盤競争みたいになってしまってはイケない。初心者の手引きとなり、初級者、中級者、上級者、それぞれがワンランク上を目指す指針になればイイのだ。そしてトップ・クラスのコレクター諸兄は、もうこうしたガイド本を頼らず、同じ穴のムジナ同士で情報交換すればそれで済む。それが正しいガイド本のあり方、そう心得る。
ただし、そのレア盤の価値基準も、時代時代で移ろうもの。リアルタイムでAOR全盛期を知る者からすると、当時は存在さえまったく知られていなかった作品が、発掘され、復刻され、再発を繰り返すうちにスッカリ定番化。若い世代に基本アイテムとして扱われるようになったタマは少なくない。でもその逆も然り。以前は輸入盤店などで普通に買えたアルバムが結構なレア盤になっていたりするし、良い内容なのにあまり話題にならず、いつしか埋もれてしまっていたりする。若い世代のマニアの知識というのは、オンタイム派から見ると、得てしてイビツだったりするもの。「SNSであんなレア盤を紹介してるクセに、コレを知らないの…?」なんてコトが、往々にして起こってくる。
どんなジャンルであれ、ディスクガイドが出ると、それなりの知識を持つディレッタントは、前説や序文を無視して、いきなり掲載内容を確かめたがる。執筆側がどういう基準で、どんな想いや意図を持って選盤しているのか、そんなコトはお構いナシだ。でも本当に重要なのは、そのディスクガイドをどう読み解くか、どう自分の音楽知識に紐付けるか。ガイド本の編纂意図をロクに理解せず、掲載アイテムだけしか見ていないような輩は、無駄に知識というゴミの山の高さを競っているだけ。それを宝の山に化けさせるのは、ホンの小さな意識の差だと思うけどな。
…というワケで、日々の生活の糧となる直近の締切をこなしつつ、ひたすら書きまくっている日々。御託はいいから、サッサと書けッ


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