
ビル・メドレー、84歳の新作は、思い入れたっぷりに歌われるカントリー・バラード集。こうして新しいアルバムが聴けるのは、ブライアン・ウィルソンやフィル・エヴァリーとの共演曲が収められ、ビル・ラバウンティが楽曲提供したり、リチャード・ペイジがコーラスを取った『DAWN NEAR RIGHTEOUS』以来、実に18年ぶり。21世紀に入って、ようやく3枚目のアルバムを出したコトになる。
歌っているのは、ジョージ・ジョーンズやハンク・ロックリン、ドン・ウィリアムス、ケニー・ロジャースらの古き良きカントリー・ソングから、比較的新しいガース・ブルックスのナンバーまで幅広く。ファーリン・ハスキーの代表曲<Gone>は、ケブ・モーをゲストに迎えつつ、5年前に先立たれた愛妻を想って。またハンク・ウィリアムスの<I'm So Lonesome I Could Cry>は、ショーン・コルヴィンとのデュエットで。そして<Sunday Mornin' Comin' Down>は、昨年9月に逝った友人:クリス・クリストファーソンに捧げたもの。病状が良くないのを知って彼を元気づけようと取り上げたが、その甲斐虚しくレコーディング終了後間もなく、彼は旅立ってしまったそうだ。
一方で現イーグルスのメンバーであるヴィンス・ギルのナンバーからは、<Whenever You Come Around>と<These Days>の2曲をチョイス。<These Days>はヴィンスにギターを入れてもらおうと音源を送ったところ、完全なデュエットになって戻ってきたという。そしてアルバムのエピローグは、もはやクラシック化しているエヴァリー・ブラザース<Let It Be Me>で締め括る。
それでもハイライトは、やはり冒頭、マイケル・マクドナルドと共演しているバック・オーウェンス作<Crying Time>だろうか。ビルは常々「リトル・リチャードを聴いて音楽を志し、レイ・チャールズを聴いて歌に人生を懸ける決心した」と言っているそうだが、そのレイ・チャールズ版でこの曲を知ったらしい。それだけに気持ちの籠り方が違うのだ。
そりゃー天下の名ブルー・アイド・ソウル・シンガー:ビル・メドレーだって、80歳代半ばとなれば、若い時のようには歌えなくなる。でもその分、若さには生み出せない味わいだってあるワケで。こうしたジックリ聴かせるカントリー・バラードは、まさにそれに打ってつけ。カントリーが得意ではない自分でも、こういう持って行き方をされちゃうと、もう抵抗のしようがないんだよなぁ…。
プロデュースは、大ベテランの扱いに長けているフレッド・モーリン。ストリングス・アレンジには、長年の相棒マシュー・マッコーリーの名もある。ブックレットには各曲ごとにビルの心の籠ったコメントが載っており、それがイチイチ琴線を揺らす。きっと、そこいら辺のガキどもにゃ〜分からないだろうな。イヤ、若い頃の自分だって分からなかったハズなので、要は自分もそれだけ歳を取った、ってコトなんですケド…
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《Tower Records はココから》
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一方で現イーグルスのメンバーであるヴィンス・ギルのナンバーからは、<Whenever You Come Around>と<These Days>の2曲をチョイス。<These Days>はヴィンスにギターを入れてもらおうと音源を送ったところ、完全なデュエットになって戻ってきたという。そしてアルバムのエピローグは、もはやクラシック化しているエヴァリー・ブラザース<Let It Be Me>で締め括る。
それでもハイライトは、やはり冒頭、マイケル・マクドナルドと共演しているバック・オーウェンス作<Crying Time>だろうか。ビルは常々「リトル・リチャードを聴いて音楽を志し、レイ・チャールズを聴いて歌に人生を懸ける決心した」と言っているそうだが、そのレイ・チャールズ版でこの曲を知ったらしい。それだけに気持ちの籠り方が違うのだ。
そりゃー天下の名ブルー・アイド・ソウル・シンガー:ビル・メドレーだって、80歳代半ばとなれば、若い時のようには歌えなくなる。でもその分、若さには生み出せない味わいだってあるワケで。こうしたジックリ聴かせるカントリー・バラードは、まさにそれに打ってつけ。カントリーが得意ではない自分でも、こういう持って行き方をされちゃうと、もう抵抗のしようがないんだよなぁ…。
プロデュースは、大ベテランの扱いに長けているフレッド・モーリン。ストリングス・アレンジには、長年の相棒マシュー・マッコーリーの名もある。ブックレットには各曲ごとにビルの心の籠ったコメントが載っており、それがイチイチ琴線を揺らす。きっと、そこいら辺のガキどもにゃ〜分からないだろうな。イヤ、若い頃の自分だって分からなかったハズなので、要は自分もそれだけ歳を取った、ってコトなんですケド…

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