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歌手で俳優のいしだあゆみが亡くなったことが発表された。3月11日早朝、甲状腺機能低下症のため東京都内の病院で永眠したという。享年76。いしだ(本名:石田良子)は、4人姉妹の次女として長崎県佐世保市で誕生、大阪府池田市育ち。64年にビクターからデビューし、歌手と女優と兼業。68年のコロムビア移籍を機に歌手に専念し、<ブルー・ライト・ヨコハマ>が大ヒット。70年<あなたならどうする>、71年<砂漠のような東京で>などが連続ヒットし、NHK紅白歌合戦には10回出場した。その後女優業を再開し、映画・ドラマ・CMなどで活躍。87年には『火宅の人』で、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞に輝いた。

自分的には、TVから流れてくる歌謡曲に耳が行くようになった頃に知ったのが<ブルーライト・ヨコハマ>で。77年にティン・パン・アレーと共演して作ったアルバム『アワー・コネクション』は当時は知らず、ゼロ年代初頭にシティポップ系を深追いするようになって初めて聴いた。確かに新しい出会いを感じさせるアルバムだったけれど、やっぱり一番のトピックはティン・パンと一緒に演った、という事実そのもので。正直なところ、世間が評価するほど良いアルバムだとは思えない。

ならばむしろ、アルファ・レコードへ移籍して発表した81年の『いしだあゆみ』の方が、彼女らしいのではないか?、と。着物姿が象徴するように、歌手というより、女優いしだあゆみのアルバムというイメージだけれど、当時の旦那:萩原健一(80〜84年)の影もチラついて、なるほどオンナの色香がそこはかとなく。

プロデュースはアルファの重鎮トニー有賀で、アレンジは井上鑑と篠原信彦。作曲陣には大橋純子の公私に及ぶパートナー:佐藤健、最近再評価が進む滝沢洋一など。ミシェル・フュガンの楽曲を日本語カヴァーするアルファの定番スタイルも見られる。メイン・アレンジが井上鑑なので、当然のごとくパラシュートの面々(林立夫、今剛、松原正樹、斉藤ノブ、マイク・ダン)が勢揃い。どうやらこのアルバムが、彼女の最後のアルバム担ってしまったようだ(このアルバムについての詳細はコチラをご参照あれ

ご冥福をお祈りします。