
2nd再訪盤を間に挟んでの3年ぶり5作目のオリジナル新作は、
程よく円熟味を感じさせる堂々の出来栄え。
楽曲スタイルが一層バラエティに富んで、緩急の付け方が巧みに。
オーレ・ブールドと並び、
北欧AORシーンの牽引役を担うにふさわしい会心のアルバム。
来週【Light Mellow Searches】からリリースされるステイト・カウズ『CLOSED DOORS AND OPEN SHORES』は、彼らにとって、1stから数えてちょうど15年目、オリジナルとしては通算5枚目のアルバムだ。4枚目『HIGH AND DRY』の後、2nd『THE SECOND ONE』(13年発表) の再訪盤『THE SECOND ONE REDUX』の制作を挟んだため、比較的短いインターヴァルに感じるが、実際は併行作業だったらしく、再訪盤リリース時には、既に本作オープニングの軽快シャッフル<Streets Of Stockholm>がデジタル・リリースされていた。ステイト・カウズは3作目『CHALLENGES』(19年)以降、シングルをどんどん制作してそのまま発表し、曲数が溜まったらアルバムにまとめる手法を取っている。
「アルバムを完成させるというプレッシャーに押し潰されることなく、一曲一曲に集中できるようになった。心理的な変化だよ。更にアルバムにまとめる時、各曲に “セカンド・チャンス” が与えられる。最初のヴァージョンでは充分満足できなくなっても、ブラッシュアップできるんだ」(ステファン・オロフソン)
作品の方向性としては大きな変化はない。それでも<Lonely Road>と<Summer Cloud>ではフル・ストリングス導入にトライ。自らアレンジを手掛けている。更に<Lonely Road>では、初めてフリューゲルホルンのアドリブ・ソロを入れた。一方でUSの著名ミュージシャンをゲストに迎えることはなくなった。
「自分たちの音楽とプロダクションに自信が持てるようになった、ということかもしれないな。けれど楽曲をより良くできると感じたら、躊躇なく海外ミュージシャンとコラボレイトするよ」(ステファン)
「レコードに参加して欲しかった偉大なプレイヤーはたくさんいる。だけど常に楽曲ファーストなんだ。幸運なことに、このアルバムには多くの素晴らしい仲間たちが協力してくれた」(ダニエル・アンダーソン)
ニュー・アルバムのポイントは、彼らがリアル・ミュージシャンたちの掛け替えのない演奏力を再認識したこと。
「プログラミングは重要だ。けれどライヴ演奏がレコーディングにもたらすリアルさとエネルギーには素晴らしいモノがあるんだ」(ステファン)
アルバム最後を締めるのは、日本盤のみのボーナス・トラック<Ticket To Ride>。言うまでもなく、ビートルズ中期の人気ナンバーである。でもそれがジャズっぽいピアノのイントロから、いきなりポップに展開していく。メロディ自体は原曲に忠実ながら、なかなか斬新なコード進行が割り当てられていて興味深い。彼らにとっては、これもひとつのチャレンジだ。
最初に書いたように、これまでのステイト・カウズのイメージを覆すことはまったくない。でも何処か余裕が出たというか、自由にノビノビと創っている感覚。日本では『ドラえもん』の “どこでもドア” を髣髴させるアートワークは、最近ドキュメンタリー映画になって注目された英デザイン集団:ヒプノシスの作風を意識したモノだそうだ。そういう視覚イメージを触発するサウンドであることが、何ともAORらしいトコロでもあるな。
《amazon》
《Tower Records はココから》
「アルバムを完成させるというプレッシャーに押し潰されることなく、一曲一曲に集中できるようになった。心理的な変化だよ。更にアルバムにまとめる時、各曲に “セカンド・チャンス” が与えられる。最初のヴァージョンでは充分満足できなくなっても、ブラッシュアップできるんだ」(ステファン・オロフソン)
作品の方向性としては大きな変化はない。それでも<Lonely Road>と<Summer Cloud>ではフル・ストリングス導入にトライ。自らアレンジを手掛けている。更に<Lonely Road>では、初めてフリューゲルホルンのアドリブ・ソロを入れた。一方でUSの著名ミュージシャンをゲストに迎えることはなくなった。
「自分たちの音楽とプロダクションに自信が持てるようになった、ということかもしれないな。けれど楽曲をより良くできると感じたら、躊躇なく海外ミュージシャンとコラボレイトするよ」(ステファン)
「レコードに参加して欲しかった偉大なプレイヤーはたくさんいる。だけど常に楽曲ファーストなんだ。幸運なことに、このアルバムには多くの素晴らしい仲間たちが協力してくれた」(ダニエル・アンダーソン)
ニュー・アルバムのポイントは、彼らがリアル・ミュージシャンたちの掛け替えのない演奏力を再認識したこと。
「プログラミングは重要だ。けれどライヴ演奏がレコーディングにもたらすリアルさとエネルギーには素晴らしいモノがあるんだ」(ステファン)
アルバム最後を締めるのは、日本盤のみのボーナス・トラック<Ticket To Ride>。言うまでもなく、ビートルズ中期の人気ナンバーである。でもそれがジャズっぽいピアノのイントロから、いきなりポップに展開していく。メロディ自体は原曲に忠実ながら、なかなか斬新なコード進行が割り当てられていて興味深い。彼らにとっては、これもひとつのチャレンジだ。
最初に書いたように、これまでのステイト・カウズのイメージを覆すことはまったくない。でも何処か余裕が出たというか、自由にノビノビと創っている感覚。日本では『ドラえもん』の “どこでもドア” を髣髴させるアートワークは、最近ドキュメンタリー映画になって注目された英デザイン集団:ヒプノシスの作風を意識したモノだそうだ。そういう視覚イメージを触発するサウンドであることが、何ともAORらしいトコロでもあるな。
《amazon》