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雨のゴールデン・ウィーク最終日。ずーっと仕事をしている自分には関係ないけど、連休の締め括りはWOWWOWで放映されたポール・マッカートニー&ウイングスのスタジオ・ライヴ・ドキュメンタリー『ONE HAND CLAPPING』で。昨年6月に実現した音源の初オフィシャル・リリースに合わせ、9月には日本でも劇場公開されたが、上映期間が短くて観るタイミングを逸してしまった。もっとも、2010年に国内1万枚限定で発売された『BAND ON THE RUN ~Super Deluxe Edition』(3CD+DVD)に、丸ごとボーナス・フィルムとして入っていたので、もう中身は分かっているのだけれど。
昨年公開/今回オンエアされたのは、『BAND ON THE RUN ~Super Deluxe Edition』の映像をレストアし、音源も初リリースに向けてリミックス〜サラウンド化されたもの。ただし元々の撮影はTV用で、50年以上前の74年。しかも撮影スタジオではなく、レコーディング用のアビイ・ロード・スタジオでの収録だから、ライトの光量が足りなかったり、異様に狭かったりで、いろいろ制約が多い。この10年であれこそ修正され、鑑賞に耐えるようになっての映画化だったとは思うが、現状、DVDやBlu-rayとして単体発売されていないのは、やはり商品化に見合うだけの映像クオリティには達していない、という判断なのではないか。
それでもポール・ファン、とりわけウイングス好きには堪らない貴重な作品で。タイミングとしては、『BAND ON THE RUN』完成後、新生ウイングスとしての最初期を捉えており、ポール&リンダ、デニー・レインに、新加入のジミー・マカロック (g) とジェフ・ブリトン (ds) を迎えてのライヴ・リハーサルが収められている。ジミーはこの後『LONDON TOWN』のレコーディングまで付き合うが(79年に26歳で没)、ジェフは本作後の『VENUS & MARS』のレコーディング途中で早々にウイングスを脱退するので、このラインアップの映像は貴重なのだ。フィルムではオーケストラ・アレンジを手掛けるデル・ニューマン、コンサート・ツアーにも帯同するサックス奏者ハウイー・ケイシーの姿も発見できる。
ポールを始め、メンバーの興味深いエピソードも盛り込まれていて、特に道着で登場するジェフは空手有段者で、英国内でも有望な選手だった時期もあるとか。ウイングス脱退後はヴォーカルのデヴィッド・バイロン(Ex-ユーライア・ヒープ)やクレム・クレムソン(コロシアム〜ハンブル・パイ)とラフ・ダイアモンドを組んだり、マンフレッドマンズ・アース・バンドに加入している。ポールも公開時のコメントで言及していたけれど、ウイングスの5人で今も生き残っているのは、ポール自身とこの人だけなんだよな…
映像で観られる楽曲は以下の通り。アレンジ的には新ドラマーとしてジョー・イングリッシュが加入した後のツアー、つまり『WINGS OVER AMERICA』のヴァージョンに程近いものの、<Maybe I’m Amazed>をエレピで弾いていたり、ジミーの<My Love>のギター・ソロが青臭かったり(前任の大ベテラン:ヘンリー・マックロウを比較するのは酷だな)…、なんていう発見も。ライヴしか音源が残っていない<Soily>、ペギー・リーに提供した<Let’s Love>とかのポール自身の公式録音のない曲、遊びで歌ってる<Baby Face>なども楽しい。
ドキュメンタリーなので、作り自体はラフだけれど、この頃のポールのベースのアグレシッヴさ、ヴォーカルの勢い、引いては創作能力の充実ぶりがハッキリと伝わってくる。ゼロ年代以降、今や80歳超のポールも確かにビックリするくらい元気で、ファンならそれだけで満足しなけりゃイケないのだろうけど、作品重視の自分としては、やっぱり物足りなさが先に立っちゃうんだよな…
《収録曲》
1. One Hand Clapping
2. Jet
3. Soily
4. C Moon
5. Maybe I’m Amazed
6. My Love
7. Bluebird
8. Let’s Love
9. All Of You
10. I’ll Give You a Ring
11. Band on the Run
12. Live and Let Die
13. Nineteen Hundred and Eighty Five
14. Baby Face
《Tower Records はココから》
《Tower Records はココから》
それでもポール・ファン、とりわけウイングス好きには堪らない貴重な作品で。タイミングとしては、『BAND ON THE RUN』完成後、新生ウイングスとしての最初期を捉えており、ポール&リンダ、デニー・レインに、新加入のジミー・マカロック (g) とジェフ・ブリトン (ds) を迎えてのライヴ・リハーサルが収められている。ジミーはこの後『LONDON TOWN』のレコーディングまで付き合うが(79年に26歳で没)、ジェフは本作後の『VENUS & MARS』のレコーディング途中で早々にウイングスを脱退するので、このラインアップの映像は貴重なのだ。フィルムではオーケストラ・アレンジを手掛けるデル・ニューマン、コンサート・ツアーにも帯同するサックス奏者ハウイー・ケイシーの姿も発見できる。
ポールを始め、メンバーの興味深いエピソードも盛り込まれていて、特に道着で登場するジェフは空手有段者で、英国内でも有望な選手だった時期もあるとか。ウイングス脱退後はヴォーカルのデヴィッド・バイロン(Ex-ユーライア・ヒープ)やクレム・クレムソン(コロシアム〜ハンブル・パイ)とラフ・ダイアモンドを組んだり、マンフレッドマンズ・アース・バンドに加入している。ポールも公開時のコメントで言及していたけれど、ウイングスの5人で今も生き残っているのは、ポール自身とこの人だけなんだよな…

映像で観られる楽曲は以下の通り。アレンジ的には新ドラマーとしてジョー・イングリッシュが加入した後のツアー、つまり『WINGS OVER AMERICA』のヴァージョンに程近いものの、<Maybe I’m Amazed>をエレピで弾いていたり、ジミーの<My Love>のギター・ソロが青臭かったり(前任の大ベテラン:ヘンリー・マックロウを比較するのは酷だな)…、なんていう発見も。ライヴしか音源が残っていない<Soily>、ペギー・リーに提供した<Let’s Love>とかのポール自身の公式録音のない曲、遊びで歌ってる<Baby Face>なども楽しい。
ドキュメンタリーなので、作り自体はラフだけれど、この頃のポールのベースのアグレシッヴさ、ヴォーカルの勢い、引いては創作能力の充実ぶりがハッキリと伝わってくる。ゼロ年代以降、今や80歳超のポールも確かにビックリするくらい元気で、ファンならそれだけで満足しなけりゃイケないのだろうけど、作品重視の自分としては、やっぱり物足りなさが先に立っちゃうんだよな…
《収録曲》
1. One Hand Clapping
2. Jet
3. Soily
4. C Moon
5. Maybe I’m Amazed
6. My Love
7. Bluebird
8. Let’s Love
9. All Of You
10. I’ll Give You a Ring
11. Band on the Run
12. Live and Let Die
13. Nineteen Hundred and Eighty Five
14. Baby Face