



今日は1日、菊池ひみこ三昧。それというのも、8月にアナログ再発される通算8作目『FLYING BEAGLE』の解説を執筆するため。このところ、邦・洋問わずクロスオーヴァー・フュージョン系の執筆依頼が多く舞い込んでいるのだけれど、これだけドップリと一人のアーティストをアレコレ聴きまくったのは、久しぶりのコトだ。
菊池ひみこは80年にデビューした女性ジャズ・ピアノ奏者。元々はエレクトーン奏者としてコンテストで優勝し、デモ奏者としてヤマハ入り。一方でアンサンブルの実体験を積むべく、故・木田高介のバンドに加入し、やがてジャズに開眼。原信夫とシャープス&フラッツ、大橋純子&美乃家セントラルステイション、三木敏悟インナー・ギャラクシー・オーケストラと変遷を積み、このオーケストラ在籍中の80年に、自身のバンド:DEAD END を率いてソロ・デビューしている。
以後、93年までに3つのレーベルから以下のアルバムを発表。
1980年 DON’T BE STUPID (TEICHIKU)
1981年 FLASHING (TEICHIKU)
1982年 ALL RIGHT (TEICHIKU)
1983年 WOMAN (TEICHIKU)
1984年 REVERSE IT (TEICHIKU)
1985年 森羅万象 (TEICHIKU)
1987年 FLYING BEAGLE (CBS SONY)
1988年 SEVILLA BREEZE (CBS SONY)
1993年 BEAM (BMG VICTOR)
自分世代だと、やはり初期3枚のインパクトが絶大で。最初の2枚は、当時リー・リトナー&ジェントRル・ソウツにしたアーニー・ワッツ (sax)をゲストに迎えた作品で、3作目『ALL RIGHT』はL.A.録音。チック・コリア所有のマッド・ハッター・スタジオへ赴き、アーニー、ジョン・ロビンソン (ds)、同じくジェントル・ソウツ仲間のスティーヴ・フォアマン (perc)らとレコーディングしている。この頃はスリリングなバンド・アンサンブルが売りで、ひみこ&夫:松本正嗣 (g) が書き下ろす楽曲も、まさにそういうトコロを狙いすまして書かれていた。
が、『ALL RIGHT』でひとまずその路線は完成の域に。後続作は楽曲や作品性の向上を目指し、細かいニュアンスを表現するようになった。が、初期のポップなメロディやダイナミズムが薄れ、徐々にパワー・ダウン。そこで移籍絡みの8作目『FLYING BEAGLE』を出し、心機一転巻き返しを図ることになる。
でも興味深いのは、海外から押し寄せてきたココ1〜2年のJ-フュージョン再評価ブームで。そこではエルダー世代が馴染んできた初期3作ではなく、圧倒的な差を持って、『FLYING BEAGLE』が支持されているのだ。何かバズるキッカケがあったとか、何処かに取り上げられたとか、そういう話は聞かないのだけれど、とにかく『FLYING BEAGLE』の人気がズバ抜けている。確かに心機一転、原点回帰を図ったフレッシュなアルバムなんだけど、どうもコレが再評価の対象になった理由が分からないのだ。それとも単に、サブスクのAIリコメンドがココに集中した結果なのかしらね?
どうぞ、皆さんもチェックしてみて。
以後、93年までに3つのレーベルから以下のアルバムを発表。
1980年 DON’T BE STUPID (TEICHIKU)
1981年 FLASHING (TEICHIKU)
1982年 ALL RIGHT (TEICHIKU)
1983年 WOMAN (TEICHIKU)
1984年 REVERSE IT (TEICHIKU)
1985年 森羅万象 (TEICHIKU)
1987年 FLYING BEAGLE (CBS SONY)
1988年 SEVILLA BREEZE (CBS SONY)
1993年 BEAM (BMG VICTOR)
自分世代だと、やはり初期3枚のインパクトが絶大で。最初の2枚は、当時リー・リトナー&ジェントRル・ソウツにしたアーニー・ワッツ (sax)をゲストに迎えた作品で、3作目『ALL RIGHT』はL.A.録音。チック・コリア所有のマッド・ハッター・スタジオへ赴き、アーニー、ジョン・ロビンソン (ds)、同じくジェントル・ソウツ仲間のスティーヴ・フォアマン (perc)らとレコーディングしている。この頃はスリリングなバンド・アンサンブルが売りで、ひみこ&夫:松本正嗣 (g) が書き下ろす楽曲も、まさにそういうトコロを狙いすまして書かれていた。
が、『ALL RIGHT』でひとまずその路線は完成の域に。後続作は楽曲や作品性の向上を目指し、細かいニュアンスを表現するようになった。が、初期のポップなメロディやダイナミズムが薄れ、徐々にパワー・ダウン。そこで移籍絡みの8作目『FLYING BEAGLE』を出し、心機一転巻き返しを図ることになる。
でも興味深いのは、海外から押し寄せてきたココ1〜2年のJ-フュージョン再評価ブームで。そこではエルダー世代が馴染んできた初期3作ではなく、圧倒的な差を持って、『FLYING BEAGLE』が支持されているのだ。何かバズるキッカケがあったとか、何処かに取り上げられたとか、そういう話は聞かないのだけれど、とにかく『FLYING BEAGLE』の人気がズバ抜けている。確かに心機一転、原点回帰を図ったフレッシュなアルバムなんだけど、どうもコレが再評価の対象になった理由が分からないのだ。それとも単に、サブスクのAIリコメンドがココに集中した結果なのかしらね?
どうぞ、皆さんもチェックしてみて。
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あと、ボーカルに富永tommy弘明が入っていて、これが良かったんですよねー。彼が入ったBEAMの録音があれば、今でも聴いてみたいです。tommyはひみこさんが「教会でゴスペルを歌っているのを発見して拾ってきた」みたいなことを言っていたように思います。