yoshitaka_2025

『摩天楼のヒロイン』から52年、自然体で颯爽とポップ・シーンを歩き続ける南佳孝、最新作。そのアルバム発売記念ライヴとなる14日のBillborad Live Tokyo 2公演が、ご本人の体調不良により当日ドタキャンされた。最初にニュースを聞いた時は一瞬ドキリとしたけれど、今日は佳孝さんに近い筋と別件打ち合わせがあって確認したところ、喉の不調で高い声が出ず、やむなく中止したとのこと。前日のTV出演は何とかこなしたものの、当日リハーサルではむしろ悪化していたため、「これではお客さんに失礼」と直前に中止を決めたそうだ。18日に迫った恒例の逗子surfers公演は延期。その後のスケジュールは回復次第らしいが、ココはあまり無理せず、しっかり養生してほしいと願う。

一方アルバムは、新曲5曲とセルフ・カヴァー7曲を収録。飄々と円熟ぶりを聴かせてくれる好盤で。程よくジャジーなアコースティック・アレンジは、大忙しの松本圭司。新曲の作詞は売れっ子の売野雅勇、松井五郎が各2曲づつ、アルバム・タイトル曲<愛した数だけ>は、佳孝さん自身の詞曲による。そのうち<MISS YOU>は、デュオ・アルバムや共演ライヴでお馴染み、杉山清貴とのデュエットで。

セルフ・リメイクとなるのは、<クレッセント・ナイト><MOONLIGHT WHISPER><渚にて><HOME TOWN><早くあいつに逢いたい>の5曲。いずれも70年代末〜80年代初頭の作品群、すなわち『SOUTH OF THE BORDER』『SPEAK LOW』『MONTAGE』『SEVENTH AVENUE SOUTH』からのセレクトというのが嬉しい。また薬師丸ひろ⼦に提供した<つぶやきの音符>、内田有紀に書いた<銀のペンダント>は、共に松本とのデュオで。

演奏陣には岡沢章 (b)、渡嘉敷祐一/島村英二 (ds)、石成正人 (g)、住友紀人 (sax)、岡部洋一 (perc) という佳孝ファミリーと呼べそうなラインアップ。でもメンツは豪華だけど、その音はサラリと風通しが良く、イイ意味で脱力している。そのナチュラルなサウンドスケープが心地良くて、緻密に積み上げていくだけがスキルや表現力の見せ方じゃないヨと、背中で教えてくれているようだ。

とにかくまずは、祈・完全快癒。

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愛した数だけ
南佳孝
キャピタルヴィレッジ
2025-05-07

《Tower Records はココから》

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