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Last Show rechuei yoshikawa illusiontoshiro masuda_cross breedyoichi takizawa_boy

日本に於けるカントリー・ロック系セッション・ギタリストの第一人者、徳武弘文さんが亡くなった。ニックネームとして知られる "Dr.K" は、徳武という苗字が外人には発音が難しいため、トクタケをもじって付けられたという。70年代初め、大学在学中からブレッド&バターのサポート、はちみつぱいのメンバーと共に山本コウタローと少年探偵団を結成し、本格的な音楽活動を開始。74年に泉谷しげるのバック・バンド:ザ・ラスト・ショウ結成。ジェリー・マギー(ベンチャーズ)張りのフィンガー・ピッキングやギター・スタイルが注目され、吉田拓郎、五輪真弓、南こうせつ、長渕剛、大瀧詠一、高橋幸宏、などフォーク系を中心に、幅広いアーティストのバッキングを務めた。


徳武さんで個人的に真っ先に思い出すのは、やはりザ・ラスト・ショウのオリジナル3作品、76年『ALLIGATOR RADIO STATIOn』、77年『THE LAST SHOW 2』、そして2010年の再結成盤『家路 〜My Sweet Home〜』。再結成盤に徳武さんが書き下ろした<ともに元気>を、Light Mellowコンピに収めたこともあった。ザ・ラスト・ショウでは、鈴木慶一や杉田二郎、アグネス・チャンらのレコーディング、ツアーなどに参加。グループ結成前後に参加していた、吉川忠英&ホームメイドへの貢献も大きかった。

ソロ名義、あるいはDr.K プロジェクトでの作品も多いが、シティポップ寄りのところでは、単なるギタリストではなく、アレンジやサウンド・プロデュース的貢献も少なからず。自分の印象に残ったのは、共に長い付き合いとなった吉川忠英『ILLUSION』(78年/プロデュース:林立夫)や増田俊郎『CROSS BREED』(81年)。そして昨年発掘されたシンガー・ソングライター:滝沢洋一の幻の2nd『BOY』(82年制作)も、徳武さんがセッション・リーダー/アレンジャーを務めていてビックリしたな。

ここ数年、難病に冒されてギターを弾けず療養を続けており、昨年はラスト・ショウのメンバー、息子でミュージシャンの徳武孝音を中心に鈴木慶一らも参加した応援チャリティ・ライヴなども開催されたが、ここへきて体調悪化、14日遂に力尽きてしまったという。

ご冥福をお祈りします…