bob james_dave koz

ボブ・ジェームスとデイヴ・コーズのデュオ盤。ネット時代らしくリリース情報だけはかなり早くから出回っていたが、実際のリリースは今月初め。発売元はデイヴ・コーズの自主レーベルになる。スムーズ・ジャズもすっかり斜陽らしいけど、ニュー・フェイスだと思っていたこの人でさえ、もうデビュー35年。いつしか髪や髭も真っ白になった。

さて、超大御所であるボブ・ジェームスとタッグを組んだこの共演盤。勝手にフォープレイのサックス版をイメージしていたけれど、『JUST US』のタイトル通り、ホントに2人だけ、リズム・セクションなしでスタジオ入りした、アコースティック・ピアノとサックスのデュエット作品である。確かにテン年代に入ってからのボブは、フォープレイとの差別化を図るように、ジャック・リー、松居慶子、デヴィッド・サンボーン、ネイザン・イースト、ティル・ブレナーなど、いわゆるコラボレイト作品を多く作ってきた。一方で年齢的なモノもあるのだろう(80歳代半ば)、ジャズやクラシックなど、自らのルーツに立ち返った趣味的な作品も目立っていて、ピアノ・ソロ・アルバムなども出している。それをシッカリ理解していたら、こういうアルバムになるコトは予測できたのではないかな?

演っているのは、2人のオリジナル+共作曲と、ジャズやポップのスタンダード。クルト・ワイルとアイラ・ガーシュインが、弟ジョージ・ガーシュインの死後に書いたミュージカル・ソング<My Ship>、フランク・シナトラが主演映画で歌った<All The Way>、それに超お馴染みであるチャップリン<Smile>。

自ずと、一対一の演奏の親密さ、繊細さに満ち溢れていて、互いが相手から受け取るインスピレーションを元に構築されている。サラリと流して豊潤な空間を演出してもヨシ、ジックリと対峙して2人の静謐なエモーションを感じ取るもヨシ。コーズ曰く、“ありのままの美しさだけを表現した作品”で、とても贅沢な時間を味わえる。

まぁ、残念ながら、締切に追われている自分には、そんな余裕はないのであるが…

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