
ドゥービー・ブラザーズ、21年リリース『LIBERTE』以来3年半ぶりのニュー・アルバムが到着した。『LIBERTE』発表時のメンバーであるトム・ジョンストン、パトリック・シモンズ、ジョン・マクフィーの3人に、マイケル・マクドナルドが復帰しての50周年ワールド・ツアーが、52年目にあたる23年4月にようやく日本開催。次はきっとアルバムも、と思っていたところ、今年の年明け早々から、タイトル曲<Walk This Road>が先行配信リリース。同時にアルバム発売予告もあった。でもそこから半年待たされ…。正直言って、待ち遠しいというより、待たされすぎて間延びしちゃった感の方が大きいかなぁ…

このアルバムは、そのタイトル曲<Walk This Road>でスタート。マイケルの歌い出しでスタートし、トム・ジョンストン、パット・シモンズとい歌い継いで、ゲストのメイヴィス・ステイプルズが登場する。最初に聴いた時はサスガに感慨深かったな。ただ、この曲が70年代前半のオリジナル・ドゥービーズ、つまりマイケル加入前のアーシーなR&Bスタイルで作られているように、現行ドゥービーズはアルバム全体を通して泥臭くて土臭い。
だから、マイケル加入後のAORチックな都会的ドゥービーズを求めると、ちょっと肩透かしを喰らいそう。とはいえ、マイケルのオリジナル・ソロ最新作『WIDE OPEN』(18年)でさえ、従来のマイケルとは違って結構ザラッと粗い音作りになっていたので、本人は意外と無理なく馴染んでいるのかも。それでも<Learn To Let Go>や<Speed Of Pain>のようなマイケル主導曲は、トムやパットからは生まれ得ないタイプの、少しだけメロウなミディアム・チューンになっている。
アルバム紹介では当然のこと、4人の主要メンバーが揃ったことを強調しているが、実際に4人全員が参加したのは、冒頭<Walk This Road>とラスト<Lahaina>の、わずか2曲のみ。トム作<Call Me>、マイケル作<The Kind That Lasts>なんて、メンバーはそれぞれ当人しか参加してなくて、何だかぁ…と思ってしまう。とりわけジョン・マクフィーの参加率が低く、全員集合の2曲以外ではパット提供の2曲<Angels & Mercy>と<State Of Grace>に参加しただけ。でもそこではヴァイオリンだの、マンドリンだの、ペダル・スティールだの、リゾネイターだのと、この人らしい活躍の場が用意されており、パットの気遣いが感じられる。基本的に、楽曲提供した人がリード・ヴォーカルを担当するパターンで、トム、パット、マイケルというソングライター3人のバランスをキープ。きっとメンバー4人のハブはパットなんだろうな。それでも、脇に回ったメンバーがバック・ヴォーカルだけでクレジットされていたりすると、この手のアメリカン・ロック・バンドに於けるコーラスの重要性を痛感せずにはいられない。
ちなみにアルバム最後の<Lahaina>は、アルバムには関係なく、23年8月にハワイ・マウイ島で発生した山火事災害の被災者支援・復興のために作られた楽曲。実際に現地で経営していたレストランを焼失してしまったミック・フリートウッドがドラムで、ハワイ所縁のヘンリー・カポノやジェイク・シマブクロがコーラスやウクレレで参加。同年中に緊急リリースされている。
それでも、現ドゥービーズの音楽的なハブと言えるのは、前作からプロデューサーとして関わっているジョン・シャンクス以外にいないだろう。何せこの人、収録曲のすべてを各メンバーと共作し、ギターやベース、キーボード、プログラムにバック・ヴォーカルと、全曲の演奏に関わる唯一の人間なのだ。おそらく4人のメンバーたちは、ツアーで往年の名曲を一緒にプレイすることはやぶさかではないが、新曲となると互いにエゴが出てしまいかねないので、直接のコラボレイトを回避し、こういう分業制になったのだと思われる。今じゃそれほど珍しくない方法だけど、それもシャンクスのように主要メンバー全員と上手く立ち回ることができる人がいないと、なかなか成立しない。
なお他の参加メンバーを書いておくと、ピノ・パラディノ (b), ボブ・グラウブ 8b), ジェフ・バブコ (kyd) など。23年の来日メンバーだったマーク・ルッソ (sax) やジョン・コーワン (back vo) は、ホンの顔出し程度なのね…。
でも、この4人揃い踏みのニュー・アルバムが出ただけで感謝感激。マイケルに思い入れが強い人だと、トレードマークのスモーキー・ヴォイスだけじゃなく、もう少し音楽的主張があってもいいんじゃないの?、と思うかもしれない。でも初期ファンなら黙って納得。かく言う自分も、初聴きでは「う〜ん、こんなモンなのかなぁ…」と思ったものの、初期は初期で身に染み付いてる音なので、2回目以降はスッカリ馴染んじゃってます
《Tower Records はココから》
《Tower Records はココから》
だから、マイケル加入後のAORチックな都会的ドゥービーズを求めると、ちょっと肩透かしを喰らいそう。とはいえ、マイケルのオリジナル・ソロ最新作『WIDE OPEN』(18年)でさえ、従来のマイケルとは違って結構ザラッと粗い音作りになっていたので、本人は意外と無理なく馴染んでいるのかも。それでも<Learn To Let Go>や<Speed Of Pain>のようなマイケル主導曲は、トムやパットからは生まれ得ないタイプの、少しだけメロウなミディアム・チューンになっている。
アルバム紹介では当然のこと、4人の主要メンバーが揃ったことを強調しているが、実際に4人全員が参加したのは、冒頭<Walk This Road>とラスト<Lahaina>の、わずか2曲のみ。トム作<Call Me>、マイケル作<The Kind That Lasts>なんて、メンバーはそれぞれ当人しか参加してなくて、何だかぁ…と思ってしまう。とりわけジョン・マクフィーの参加率が低く、全員集合の2曲以外ではパット提供の2曲<Angels & Mercy>と<State Of Grace>に参加しただけ。でもそこではヴァイオリンだの、マンドリンだの、ペダル・スティールだの、リゾネイターだのと、この人らしい活躍の場が用意されており、パットの気遣いが感じられる。基本的に、楽曲提供した人がリード・ヴォーカルを担当するパターンで、トム、パット、マイケルというソングライター3人のバランスをキープ。きっとメンバー4人のハブはパットなんだろうな。それでも、脇に回ったメンバーがバック・ヴォーカルだけでクレジットされていたりすると、この手のアメリカン・ロック・バンドに於けるコーラスの重要性を痛感せずにはいられない。
ちなみにアルバム最後の<Lahaina>は、アルバムには関係なく、23年8月にハワイ・マウイ島で発生した山火事災害の被災者支援・復興のために作られた楽曲。実際に現地で経営していたレストランを焼失してしまったミック・フリートウッドがドラムで、ハワイ所縁のヘンリー・カポノやジェイク・シマブクロがコーラスやウクレレで参加。同年中に緊急リリースされている。
それでも、現ドゥービーズの音楽的なハブと言えるのは、前作からプロデューサーとして関わっているジョン・シャンクス以外にいないだろう。何せこの人、収録曲のすべてを各メンバーと共作し、ギターやベース、キーボード、プログラムにバック・ヴォーカルと、全曲の演奏に関わる唯一の人間なのだ。おそらく4人のメンバーたちは、ツアーで往年の名曲を一緒にプレイすることはやぶさかではないが、新曲となると互いにエゴが出てしまいかねないので、直接のコラボレイトを回避し、こういう分業制になったのだと思われる。今じゃそれほど珍しくない方法だけど、それもシャンクスのように主要メンバー全員と上手く立ち回ることができる人がいないと、なかなか成立しない。
なお他の参加メンバーを書いておくと、ピノ・パラディノ (b), ボブ・グラウブ 8b), ジェフ・バブコ (kyd) など。23年の来日メンバーだったマーク・ルッソ (sax) やジョン・コーワン (back vo) は、ホンの顔出し程度なのね…。
でも、この4人揃い踏みのニュー・アルバムが出ただけで感謝感激。マイケルに思い入れが強い人だと、トレードマークのスモーキー・ヴォイスだけじゃなく、もう少し音楽的主張があってもいいんじゃないの?、と思うかもしれない。でも初期ファンなら黙って納得。かく言う自分も、初聴きでは「う〜ん、こんなモンなのかなぁ…」と思ったものの、初期は初期で身に染み付いてる音なので、2回目以降はスッカリ馴染んじゃってます

プロデューサーが、有能ですね!
過去ログで、来日公演のリポートがありましたよね!
あの来日公演は、スマホ録画OKだったらしく、当時来日公演のライブ動画が見れたので、ニュー・アルバムは出るのかどうか?
誰か抜けたりせずにやれるのか?と危惧していました。
某有名西海岸岩音のもう一つの代表的バンドの様に、再結成後某メンバーを首にして泥沼訴訟問題を避けたかったのでしょうかね(笑)。
今のバンドを続けて行く為の最良の方法なのかもしれません。
バンドの一体感を考えると、みんなで揃って演奏するのが2曲しかないのかよッ!と御立腹モードになりますが、3回聴くとこれはこれでちゃんとDooBeeしていて良いじゃないの?と思います!
プロデューサーのDooBee愛の勝利ですね!