

いろいろお誘いが重なって、久々にライヴ2本立て。都心のライヴ・レストランをうまく渡り歩いて入替制の 1st / 2nd Show を組み合わせて観る、というコトはたまにあるけど、ライヴ・ハウスとホール・コンサートのコンビネーションは初めて。もちろん、えとらんぜ がマチネだったから可能だったんだけど。それでも、片やお客様の数さえ数えられそうなライヴ・ハウス、片や2500人満員御礼の大ホール。なのにそれぞれアーティスト側・オーディエンス側の音楽に対する真摯な姿勢を見せつけられた思いがして、ちょっと身が引き締まる思いがした。
まず午後イチで訪れたのは、『えとらんぜ 1』のリリース1周年記念ライヴ@中目黒楽屋。えとらんぜは、比屋定篤子のレパートリーのほとんどを書いていたソングライター:小林治郎クンと、シンガー:尾張文重嬢のユニットで、今回は松本圭司(pf)、日野良一(g)、宮川剛(ds)がサポート。アルバムと前回レコ発ライヴの詳細は以下で。
えとらんぜ1
えとらんぜ レコ初記念ライヴ 2024.7.4
アルバム収録曲に、比屋定さん<ロンド>、治郎くんが以前組んでいたナミノート<eterna>などを交え、アンコールの最後を再び比屋定さん<まわれ まわれ>で締め括る、正味90分弱のステージ。言葉を丁寧に噛みしめるようにジックリ歌いながら、でも心の芯をポッと熱くさせる文重ちゃんのヴォーカルは今回もなかなか好調。その独特の佇まいに、いつしか引き込まれてしまいます。とはいえ治郎クンは相変わらず超シャイで、マイクを向けられても、蚊が鳴くようにボソボソ喋るだけ。ただその代わり、前回スケジュールが合わずだったドラムの宮川剛氏が、寡黙な2人をMCでイジリ倒すオモロイ展開に。忌野清志郎、宮沢和史のGANGA ZUMBA、高野寛、近藤房之助と興味深い人脈を持つ彼が、こんなユニークなキャラの人だとは思わなかった
そして何より、普段はクールに鍵盤に向かうイメージの圭司氏が、とても気持ち良さそうに、終始ニヤニヤしながらピアノを叩いていたのがスゴく印象的で。こうしたミュージシャンたちの表情が見えて、そのヴァイブが手に取るように伝わってくるのが、ライヴ・ハウスならではの臨場感。こうした演奏だけの現場でオーディエンスのハートを捕らえられなきゃ、本物とは言えないよな。
そこから急ぎ地元へ戻り、仲良くしていただいてるギター渡辺格サンにお誘いいただいた、2年ぶりの稲垣潤一@大宮ソニックシティへ。そぼふる雨の中、ホールに着くと、ライヴは<雨のリグレット>でスタートし、稲垣サン on Drums の叩き語り(?)でまず2曲。3曲目以降はドラマーが入り、ハンドマイクで中盤バラード、後半ノリの良い曲という構成で約90分。完成されたステージ運びで、安定感のあるライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。林哲司さんのライヴやシティポップ系イベントなど、ゲストの稲垣さんを見る機会は多いけれど、やはり自分のライヴ・ツアーとなれば、気持ちの入り方が違うのだろう。声がよく出ているのは当然のこと、結構ファンを煽ったり、左右の花道を駆けて行ったりと、意外に動きがあって。あれ〜、稲垣さんって、こんなに動き回る人だったかな? 格サンの話では、古希を迎えたこともあり(来月72歳)、コロナ禍を機に「体が動くうちに、できることは何でも…」というスタンスに変わってきたそうで。アンコールは<ドラマチック・レイン>など定番3曲。
ヒット曲が多い上に、音楽的にはあまり尖ったコトはやらず、歌声の魅力を最大限に生かす。デビューが遅かった苦労人だからか、以前から人一倍ファンを大事にされる方だったけれど、近年は余計にそういう傾向が強い様子。オーディエンスの7〜8割は女性ファンだが、楽曲ごとにいろいろなフリがあったり、お決まりのグッズを用意していて。そういう光景は、今ではエルダー世代の多くのアーティストで見られるとは言え、この方の場合は、何だかファンの皆さんの一体感がスゴくて、とてもピュアに感じられた。きっとそれは稲垣さんのお人柄あってこそ。この歳になっても年間50本からの全国ツアーを行ない、ソールドアウトを連発できるのは、きっとファンを上手にまとめているからに違いない。イイ歳してやりたいコトだけゴリ押しし、従順なファンと不寛容なファンを分断しているようなアーティストは、もう先細りが目に見えているな。
バックステージでは、清水信之 Presents 稲垣潤一×安部恭弘の時のビルボード・ライヴ以来(昨年9月)、稲垣さんにご挨拶して。コーラス渡部沙智子さんは、未唯miiさんライヴで何度も拝見しているけれど、実際にご挨拶するのはお初。メンバー紹介の時、それぞれがごく短いソロを披露するのだが、彼女の美声はマジ驚いたなぁ〜。ちなみにこのメンバー紹介のソロ・パート、毎回新しいネタを準備する人、いくつか用意してあってローテーションする人がいるらしいが、それなりに仕込みが大変だそうで…。この日はベースの岡沢茂さんがイーグルス<Hotel California>、格さんはヒューイ・ルイス&ザ・ニュース<Power Of Love>。でも大変だとは言いつつ、つい楽しくなっちゃうのがミュージシャンの性なのよね。
…にしても、楽屋口から出た瞬間、出待ちしているファンの多さにかなりビックリ。きっと音楽の神様は、心から音楽を愛でている演者と音楽ファンに微笑みかけるのよ。

えとらんぜ1
えとらんぜ レコ初記念ライヴ 2024.7.4
アルバム収録曲に、比屋定さん<ロンド>、治郎くんが以前組んでいたナミノート<eterna>などを交え、アンコールの最後を再び比屋定さん<まわれ まわれ>で締め括る、正味90分弱のステージ。言葉を丁寧に噛みしめるようにジックリ歌いながら、でも心の芯をポッと熱くさせる文重ちゃんのヴォーカルは今回もなかなか好調。その独特の佇まいに、いつしか引き込まれてしまいます。とはいえ治郎クンは相変わらず超シャイで、マイクを向けられても、蚊が鳴くようにボソボソ喋るだけ。ただその代わり、前回スケジュールが合わずだったドラムの宮川剛氏が、寡黙な2人をMCでイジリ倒すオモロイ展開に。忌野清志郎、宮沢和史のGANGA ZUMBA、高野寛、近藤房之助と興味深い人脈を持つ彼が、こんなユニークなキャラの人だとは思わなかった

そこから急ぎ地元へ戻り、仲良くしていただいてるギター渡辺格サンにお誘いいただいた、2年ぶりの稲垣潤一@大宮ソニックシティへ。そぼふる雨の中、ホールに着くと、ライヴは<雨のリグレット>でスタートし、稲垣サン on Drums の叩き語り(?)でまず2曲。3曲目以降はドラマーが入り、ハンドマイクで中盤バラード、後半ノリの良い曲という構成で約90分。完成されたステージ運びで、安定感のあるライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。林哲司さんのライヴやシティポップ系イベントなど、ゲストの稲垣さんを見る機会は多いけれど、やはり自分のライヴ・ツアーとなれば、気持ちの入り方が違うのだろう。声がよく出ているのは当然のこと、結構ファンを煽ったり、左右の花道を駆けて行ったりと、意外に動きがあって。あれ〜、稲垣さんって、こんなに動き回る人だったかな? 格サンの話では、古希を迎えたこともあり(来月72歳)、コロナ禍を機に「体が動くうちに、できることは何でも…」というスタンスに変わってきたそうで。アンコールは<ドラマチック・レイン>など定番3曲。
ヒット曲が多い上に、音楽的にはあまり尖ったコトはやらず、歌声の魅力を最大限に生かす。デビューが遅かった苦労人だからか、以前から人一倍ファンを大事にされる方だったけれど、近年は余計にそういう傾向が強い様子。オーディエンスの7〜8割は女性ファンだが、楽曲ごとにいろいろなフリがあったり、お決まりのグッズを用意していて。そういう光景は、今ではエルダー世代の多くのアーティストで見られるとは言え、この方の場合は、何だかファンの皆さんの一体感がスゴくて、とてもピュアに感じられた。きっとそれは稲垣さんのお人柄あってこそ。この歳になっても年間50本からの全国ツアーを行ない、ソールドアウトを連発できるのは、きっとファンを上手にまとめているからに違いない。イイ歳してやりたいコトだけゴリ押しし、従順なファンと不寛容なファンを分断しているようなアーティストは、もう先細りが目に見えているな。
バックステージでは、清水信之 Presents 稲垣潤一×安部恭弘の時のビルボード・ライヴ以来(昨年9月)、稲垣さんにご挨拶して。コーラス渡部沙智子さんは、未唯miiさんライヴで何度も拝見しているけれど、実際にご挨拶するのはお初。メンバー紹介の時、それぞれがごく短いソロを披露するのだが、彼女の美声はマジ驚いたなぁ〜。ちなみにこのメンバー紹介のソロ・パート、毎回新しいネタを準備する人、いくつか用意してあってローテーションする人がいるらしいが、それなりに仕込みが大変だそうで…。この日はベースの岡沢茂さんがイーグルス<Hotel California>、格さんはヒューイ・ルイス&ザ・ニュース<Power Of Love>。でも大変だとは言いつつ、つい楽しくなっちゃうのがミュージシャンの性なのよね。
…にしても、楽屋口から出た瞬間、出待ちしているファンの多さにかなりビックリ。きっと音楽の神様は、心から音楽を愛でている演者と音楽ファンに微笑みかけるのよ。

このようなライブの感想を書いていただき、読ませていただき、改めて稲垣さんの素晴らしさを実感いたしました。ありがとうございました。
お忙しい中のライブ鑑賞、お疲れ様でございました。