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昨年秋から断続的に進んでいるポール・マッカートニーの紙ジャケ・リイシュー。ポール本人も元気にツアーしているようで、微笑ましい限り。だけど再発に関しては、自分は前回の紙ジャケを揃えてあるので基本スルー。7月に出る90年代以降の作品群も、オリジナル発売がCDだったから、これも自分では蒐集対象外と決めている。でもこの89年作『FLOWERS IN THE DIRT』だけは、CDがオリジナルながら、LPもそこそこ出回っていた時期で、「う〜ん、アナログ欲しいなぁ…」と思っていた記憶が。欧米よりCDの普及が進んでいた日本では、CDとLPが同時発売されたのは、コレは最後だったのでは…? というワケで、5月までに出たポール関連再発分では、唯一、初紙ジャケ化のコレのみゲットした。

『FLOWERS IN THE DIRT』一番のトピックは、<My Brave Face>など4曲がエルヴィス・コステロとの共作であること。ジョンと組んでいた時のような手法で曲作りに臨んだ、というのは有名な話であるが、実はビートルズ時代にライヴで愛用していたヘフナー・ベースを引っぱり出させたのもコステロだとか。そのボディの軽さを思い出し、それがノリの良いプレイができるキッカケになったらしい。

コステロの他にポールと共同プロデュースに名を連ねたのは、ミッチェル・フルーム、トレヴァー・ホーン、ニール・ドーフスマン、スティーヴ・リプトンにデヴィッド・フォスター等など。残念ながらフォスターとの顔合わせは上手く機能せず、1曲のみで終わっている。それより、ウイングス解散後では初となるその後のツアーを睨んでだろう、急遽召集されたヘイミッシュ・スチュアートがギターにベース、コーラスとなかなかの貢献。今ヘイミッシュはリンゴ・スターのオールスター・バンドにいるワケで、なかなかに感慨深い。

3度目の正直で、ビートルズ以来のポール単独来日公演が実現したのも、このアルバムの直後。だから余計に愛着がある。ポール・ファンには怒られそうだけど、例え『FLAMING PIE』(97年)や『EGYPT STATION』(18年)あたりの評判が良くっても、自分の中じゃあこの『FLOWERS IN THE DIRT』が、ポール最後の傑作!というイメージなんだよなぁ…。

久々に17年に出たデラックス・エディション【3CD+DVD】を引っ張り出してみたのだが、全然聴いてる時間がない…

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ポール・マッカートニー
Universal Music
2025-05-23

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