little feat 025

リトル・フィート、実に13年ぶりのオリジナル・ニュー・アルバム『STRIKE UP THE BAND』。“バンドやろうぜ” “演奏しようぜ” 的なタイトルが表す通り、19年にポール・バレア (g) が亡くなって以来、初の純新作。去年出た『SAM'S PLACE』は、パーカッションのサム・クレイトンが歌うブルース・カヴァー集という企画アルバムだったから、あれは言わば本作の前哨戦、肩慣らしのような作品だった、というコトになる。

現在のフィートは、唯一の結成メンバーであるビル・ペイン (kyd)、73年作『DIXIE CHICHEN』で6人組になった時からのケニー・グラッドニー (b) とサム・クレイトンを中心に、ローウェル・ジョージ没後解散を経ての再結成メンバーであるフレッド・タケット (g)、そしてポール・バレアに代わったスコット・シャラード(g)、20年加入の3代目ドラマー:トニー・リオーネ、という布陣。ローウェル時代のメンバーは3人だけど、フレッド・タケットも当時からセッションに参加していた近しいミュージシャン。ギターのスコット・シャラードはグレッグ・オールマンのバンドで参謀役を務めていた男で、ココでもソングライター/シンガーとして大活躍。グレッグのバンドでも<Willin'>を演ってたくらいで、フィートとの縁は深い。今のラインアップでは、ビル・ペインと共にバンドの中核的存在といって良く、ビルとヴァンス・パウエル(フィッシュ、ジャック・ホワイトらで有名)の共同プロデュースの間に、何曲かで割って入っている。

でもって、シャラードが書いてプロデュースに関わるタイトル曲には、レベッカ&メーガン・ロヴェル姉妹による人気ルーツ・ロック・デュオ:ラーキン・ポーがゲスト参加。対してビルの側では、グレイトフル・デッドで知られる作詞家:故ロバート・ハンターと共作した<Bluegrass Pines>で、アメリカーナ系のラリー・キャンベル&テレサ・ウィリアムス夫妻やモリー・タトルを招いている。

ただ従来のフィートと比べると、何だかどうも薄味で。もちろん曲によってシッカリとセカンドライン・ファンクだったり、ニューオーリンズ風だったり、ジャズの要素が忍ばせてあったりと、ちゃんとフィート・サウンドは保たれている。それでもシャラードの持ち味なのか、サザン・ロック寄りのルーズなグルーヴの楽曲が多めで、かつてあったビートの骨太感、ゴリゴリした尖がりはあまりない。ホーン・セクションを多めに導入してメリハリを演出しているが、これはやはりリッチー・ヘイワード不在のせいなのか…(10年没)。シャラードはヴォーカル、そしてスライド・ギターと、ローウェルのポジションをそのまま踏襲しているが、サスガにまだまだ迫力不足。それでもオールマンとかトラックス=テデスキ好きなら、ベクトル的には何ら問題ないはずだから、今後の成長を待ちたい。…にしてもビル・ペインがちょっと大人しい気がするので、最古参らしく、もっと積極的に前へ出てきてくれると嬉しいが…

ちょうど、近しい間柄のドゥービー・ブラザーズも新作を出したばかり。でもアチラは、主要メンバーが顔を揃えるのはライヴがメインで、アルバムはほとんど分業制。その間をプロデューサーが取り持つ形で、バンドの結束を演出している。対して新生フィートは、バンドの一体感は強そうだが、新メンバーをフィーチャーした分、音は少し変化した。偶然にも対照的な動きを見せる、この両ベテラン・グループ。どちらも一長一短だねェ…

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