roger nichols songbook

もともとのスケジュールが飛んだので、ひたすら原稿を書きまくろうと思っていたが、集中力がズタボロ。そこで気分転換にようやくコレ。3ヶ月ほど前、5月17日に急逝したロジャー・ニコルスの『SONGBOOK』。よくありがちな、追悼で急遽組まれた安っぽい編集モノではなく、ロジャー本人と、自分も時々お世話になっているアンソロジスト:濱田高志氏がジックリと何年も時間をかけて構想を練り上げ、後は発売を待つばかり…。そんなタイミングで飛び込んだ訃報だったので、充実度MAX。きっとロジャーもひと仕事終え、安堵感に包まれての旅立ちだったのではないか。

そうした性格の作品だし、CD2枚組全42曲のヴォリュームなので、ちゃんと時間を作ってジックリ聴き込もうと思っていたのだけど、サクッと聴き始めたら、アッと言う間に引き込まれ、約2時間、ぶっ通しで聴いてしまった。

個人的にソフト・ロックは、それほど深く追求してこなかったジャンル。なので、よく知ってる曲もあれば、初CD化やレア曲もあり。資料によれば、日本初CD化8曲、世界初CD化10曲という、まさに労作。ソングリストを見て、カーペンターズがない、ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスもない、なんて宣っている輩は、事情通から理由を聞いて、そのまま黙ってなさい って言いたくなっちゃう

多少なりともロジャ・ニコやソフト・ロックに興味を持っているなら、是非とも手にとってほしい編集盤だけれど、特に気合いが入っているな、と感じたのが、音の良さと価格設定。blu-spec CD2仕様の、いわゆる高音質盤だけれど、それ以前にマスタリングが素晴らしい。ほとんどの収録曲は60〜70年代の楽曲で、しかもアチコチから広く寄せ集めてきているワケで、それを何の違和感もなく、自然に通して聴かせしまう。でもってこのヴォリューミーな2枚組が、定価2860円。しかも50P超のブックレットがついて、盟友ポール・ウィリアムスのコメントまで載っているのだ。最近の新作CDが3000円台後半に突入していることを考えると、これは英断。逆に言えば、通常の半額以下の廉価設定にして、ロジャ・ニコの曲を広く伝播させたいという、日本制作スタッフの並々ならぬ意欲を感じさせる。

オールディーズ好きは持ってなアカンですわ。そして改めて Rest in Peace と。

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ロジャー・ニコルス・ソングブック - ヴァリアス
ヴァリアス
ソニー・ミュージックレーベルズ
2025-08-06

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