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米国きっての国民的大スター、バーブラ・ストライサンド7年ぶりのニュー・アルバムは、タイトル通りに豪華絢爛なゲストを迎えてのデュエット集。この手のモノとしては、02年『DUETS』、14年『PARTNERS』に続く3作目となるが、『DUETS』は実質デュエット曲を集めた編集盤(新曲は2曲)だったから、これは別モノ。対して『PARTNERS』は、ウォルター・アファナシエフ&ベイビーフェイスのプロデュースによる新録中心のデュエット集で、スティーヴィー・ワンダーやライオネル・リッチー、ビリー・ジョエル、アンドレア・ボチェッリ、マイケル・ブーブレ、ジョン・メイヤー、ジョン・レジェンドらが参加。もちろんベイビーフェイスも歌っているが、何よりエルヴィス・プレスリーの生前の歌声とデュエットした<Love Me Tender>が印象的だった。

そしてこの『PARTNERS II』は、世代を超えた若手シンガーとの共演を増やした作り。 ポール・マッカートニー、ボブ・ディラン、ジェイムス・テイラー、スティング、マライア・キャリー&アリアナ・グランデから、シール、サム・スミス、新人のレイヴェイ、ホージアまで、キャリアや格に捉われないコラボレイトになっている。そういえば、女性同士の共演があるのも、前作との違い。 LGBTQを意識したのか?とも思ったが、『DUETS』にはドナ・サマーやセリーヌ・ディオンと歌った曲もあったから、そんなコトもなさそうだ。

むしろ興味をそそられるのは、ポールが自分のスタンダード・アルバムに書いた<My Funny Valentine>を取り上げたのに、ディランは逆に「自分の書いた曲以外で…」とリクエストし、フランク・シナトラの初期スタンダードで、ナット・キング・コールがヒットさせた<The Very Thought Of You>を歌っていること。J.T.やスティングも自身の楽曲だ。そういえば、意外にもジョシュ・グローバンは3作連続の参加になる。さぞバーブラのお気に入りなのだろう。

プロデュースは、前作からのウォルター・アファナシエフとピーター・アッシャー。自分の曲を歌うので、割とお気楽に構えていたポールは、“途中で何度か恐怖の瞬間があった”と明かし、ピーターに窮地を救ってもらったらしい。でもバーブラは、“とても思い出深いセッションだった”と余裕綽々。またティム・マッグロウとは、カントリー・テイストを漂わせつつ…。バーブラ的には、飛び抜けた名盤と言えるレヴェルではない気がするが、齢80超えにしてこれだけのハイ・クオリティの作品が出せるのは、やっぱりバーブラ、サスガと言うしかない。

ちなみに今回の日本盤は、ディスクは国内生産のBlu-Spec CD2仕様。パッケージ自体はUSからの輸入で、それに日本で解説・帯を付けた独自の仕様になっている。洋楽作品の日本リリースが見送られることが当たり前になった今、輸入盤に解説・帯を付けた国内仕様の発売も増えてくるのではないか、と思うが、洋楽ファンを減らさない意味でも、有意義なリリースだと思う。

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パートナーズII: ザ・シークレット・オブ・ライフ (完全生産限定盤)
バーブラ・ストライサンド
ソニー・ミュージックレーベルズ
2025-07-23

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