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イタリアの敏腕プロデューサー:PAPIKが
2023年に送り出して大評判を取ったAORプロジェクトの第2弾。
深みのあるテナー・ヴォイスを中心に、
複数の歌声が絡む様子もオシャレで、
聴き流すにヨシ、聴き込んでもなおヨシ。
注目の名曲カヴァーは、ボズ・スキャッグス「JOJO」、
スティーリー・ダン「DO IT AGAIN」、ルパート・ホームズ「HIM」、
ニコレット・ラーソン「LOTTA LOVE」と、こちらも旨味タップリで。


多くのプロジェクトを同時多発的に動かしているローマの才人によるAORプロジェクト、パピック presents シー・ブリーズの第2弾がようやく。最初は2024年中のリリースを目指していたが、後発予定だったソウルトレンド・オーケストラが前倒しになり(3月に日本発売)、シー・ブリーズは春に持ち越し。5月にデジタル・リリースがあったものの、フィジカルは今まで待たされた。スティーリー・ダンのカヴァー<Do It Again>、ボズ・スキャッグスの名曲<Jojo>などは先行リリースされていたから、既にお聴き及びの方も多いだろう。

ボズの楽曲リメイクは、前作『WEST COAST RENDEZ VOUS』で取り上げた<Miss Sun>に次いで2曲目。思い入れが強いのかと思ったら、
「思い入れの強いアーティストはいろいろいるので、特別な存在ではないけれど、この2曲は彼の作品の中でもっとも美しいと思うよ」(ネリオ・“パピック”・ポッジ/以下同)
歌っているのは、マリオ・ビオンディの弟スティーヴ・ビオンディ。
「とても温かい声の持ち主で、僕がずっと仕事をしてきた兄のマリオによく似ている。前回のコラボレーションから、かなりしばらくぶりの共演だった」

<Do It Again>を歌っているダニー・ロジートは、パピックがただのリスナー/音楽ファンだった頃からフォローしているベテラン・シンガー。筆者イチ推しのルパート・ホームズ<Him>は、前作にも参加していた旧友ダリオ・ダネルツが歌う。パピック曰く、“メロウでユニークな唯一無二の声を持っている”。そしてニコレット・ラーソン<Lotta Love>は、本作唯一の女性シンガー:ダグマー・ゼーバースがヴォーカルに。
「ダグマーは、ウエストコースト・ミュージックに完璧にフィットする声質の持ち主。僕らは長年、特に作詞の面で一緒に仕事をしてきて、とても満足のいく関係を築いている。彼女はエレガントで、いつも品があるんだ」

他にも3人、計7人のシンガーが、それぞれに個性的な歌を披露していて、作品クオリティは前作を凌ぐほど。それでもサラリと聞きやすいのが、パピック・ワークスの特徴か。

「現在のパピックは、僕とピーター・デ・ジローラモ(kyd)が一緒にやっているクロスオーヴァー・プロジェクトなんだ。初期の作品はニュー・ジャズとボサノヴァをルーツとして始まったけれど、時が経つにつれて、自然とソウルやポップのサウンドに進化してきた。だからパピックでは、特定のフォーマットに縛られることはない。湧き出てくるがままなんだ。そして結果から判断すると、なかなか上手くいっていると言えると思うよ」
カヴァー素材としてAORチューンは、他のユニットでも取り上げている。その中で、ベクトルをAOR/ヨット・ロック方面に特化したのがこのシー・ブリーズ、というコトだろう。

ちなみにオリジナルのアートワークは人相の良くないオッサン2人が海辺で佇む図だったので、インナー・フォトにあった後ろ姿のに差し替え。タイトルとの整合性もバッチリだし、こういう小洒落たセンスは日本人の方が得意みたい。まだまだ止まらぬパピック一味だけれど、今はまずコレをご堪能あれ。

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ゴー・バック【監修・解説:金澤寿和(Light Mellow)】 - パピック・プレゼンツ・シー・ブリーズ
パピック・プレゼンツ・シー・ブリーズ
Pヴァイン・レコード
2025-09-17

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