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筆者監修【Light Mellow Searches】から今週デビューする某フランス人シンガー・ソングライター/サウンド・クリエイターのメール・インタビューを解説用にまとめていて。かなり遅咲きのヒトだが、ミュージシャンだった兄の影響で、物心ついた頃からスティーヴィ・ワンダーやドナルド・フェイゲン、ジノ・ヴァネリ、ジョージ・デュークなどに親しみ、初めて自分で手に入れたLPがビル・サマーズ&サマーズ・ヒート。マイケル・ジャクソン『THRILLER』や『BAD』と一緒に、ラリー・カールトンやイエロージャケッツ、ボビー・コールドウェル、ビル・ラバウンティ、アル・ジャロウ、マイケル・フランクスを聞いていたそうだから、何とも こまっしゃくれたガキだったらしい。

そのリストに名前があったのが、このルーファス。きっとクインシー・ジーンズがプロデュースした『MASTERJAM』(79年)か、<Tell Me Something Good>入りの『RAGS TO RUFUS』(74年)あたりを聴いていたのだろうと思われるが、個人的には、この81年作『CAMOUFLAGE(カムフラージュ)』にも愛着が深くて…。

チャカ・カーンがソロ・デビューしたのが78年作『STREET PLAYER』発表後だから、独立後の共演作としては『MASTERJAM』に次いで2作目。チャカは既に3rdソロ『WHAT 'CHA GONNA DO FOR ME』をリリースし、上昇機運に乗っていた。でもその割にこのアルバムは注目されず、セールス低迷。チャカのソロ・デビュー後は、ルーファス&チャカ、ルーファス単独作を交互に出していたが、チャート・アクションはグループ単独作『NUMBERS』『PARTY 'TIL YOU'RE BROKE』と変わらなかった。本作直前にクインシー・ジョーンズの来日メンバーとして日本へ来ていたジョン・ロビンソン (ds) は、「レコード会社がプロモーションしてくれないんだ」とボヤいていて、事実このアルバムはMCAでの最終作に。その後ワーナーへと移籍している。

プロデュースは彼ら自身だが、クインシーの手法を間近に見ていただけあり、作風は以前よりもずっとソフィスティケイト。エンジニアはクインシーお抱えのブルース・スウェディーンなので、サウンドメイクでの彼の貢献は絶大だ。演奏陣にはグレッグ・フィリンゲインズ(kyd)、シーウインド・ホーンズ、ポウリーニョ・ダ・コスタ(perc)と、これまたクインシー・ファミリーの常連たちが。女流作詞家アリー・ウィリスも活躍している。

ルーファスらしい交流は、ルーファスのバックアップでデビューした、リネイ&アンジェラことリネイ・ムーアとアンジェラ・ウィンブッシュの2人。実はリネイはメンバーのボビー・ワトソン (b) の弟だそうで、アンジェラは後にロナルド・アイズレーの公私にわたるパートナーになる(現在は解消)。また共作者/バック・シンガーとして参加しているラロミー・ウォッシュバーンは、レア・グルーヴ方面で人気のシンガー。元々は後期ルーファスの中核となっているトニー・メイデン (g,vo) やボビー・ワトソンと共に、ハイ・ヴォルテージというファンク・バンドでアルバムを出していた。作品全体としては、『MASTERJAM』よりも軽めのタッチに仕上げられ、キャリア屈指のアーバニズムに溢れている。

筆者が監修・解説した04年紙ジャケ・リイシューが初めてのCD化だったが、現在は18年の廉価シリーズ【DISCO FEVER 40】での廉価盤が入手可能。そろそろそちらの在庫も危なそうなので、気になる方はお早めに。なおアナログ派は、ロゴが黒字で印刷されている国内盤ではなく、エンボス・ロゴのUSオリジナル盤をお探しあれ。

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カムフラージュ(生産限定盤)
ルーファス・フィーチャリング・チャカ・カーン
Universal Music
2018-06-13

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