
今年3月にリイシューされたCTI ALLTIME COLLECTION 60タイトルの第2期続編が、この9月10日に、またしても60タイトル復刻。それに合わせてのレコードコレクターズ誌特集に、前回同様、執筆参加している。なので今年2度目のCTI攻めを受けている真っ最中。そこで今回は、久々に聴いて、懐かしくも “こんなに良かったっけ?” と魅力再発見しているアイテムを。取り上げるのは、フュージョン・スーパー・プロジェクトである80年作『FUSE ONE』である。
参加しているのは、ジャケットに名前があるラリー・コリエル、ジョン・マクラフリン、スタンリー・クラーク、ジョー・ファレル、トニー・ウィリアムス、ロニー・フォスター、ンドゥグ(=レオン・チャンクラー)、レニー・ホワイト、ポウリーニョ・ダ・コスタの9人に加え、ウィル・リー、ドン・グルーシン、ホルヘ・ダルト、ヴィクター・フェルドマン、ヒュー・マクラッケンといった、まさに当時のフュージョン・シーンの一流どころ。そんなごっついメンバーたちを仕切り、アレンジ&コンダクトしたのが、初期スパイロ・ジャイラに深く関わるジェレミー・ウォールだった。
70年代中盤から頭角を現してきていたとはいえ、このラインナップにあっては、ホンのひよっ子。そのウォールに差配を任せたのだから、クリード・テイラーは大胆不敵だ。でも、ほとんど唯一の若手だから、みんなに可愛がられる可能性もあるワケで…。中途半端なキャリアでイキがったり虚勢を張って大御所たちから反感を買いそうなヒトではなく、素直に彼らの懐に飛び込むことができる若手の方が、彼らをひとつにまとめられる、そんな読みがあったのかもしれない。それにテイラーには、若手を登用するしかない裏事情もあったと思われ…。ベテラン勢は昔のよしみで参加してくれても、ハードな作業を伴うアレンジ&指揮だと、そういうワケにはいかないからだ。
…というのも、この時期のCTIは倒産状態にあり、海外ではコロムビアが原盤権を獲得。日本ではそれまで配給契約のあったキング・レコードが日本での原盤権を、ボブ・ジェームスとグローヴァー・ワシントンJrは、それぞれが自分の作品の原盤権を買い取っている。そんな状況の下、キング主導で制作されたのが、このフューズ・ワンだった。
収録曲は基本的にメンバーの持ち寄りで、スタンリー・クラークとマクラフリンが各2曲、ロニー・フォスターが1曲。ジェレミー・ウォールが提供した<Double Steal>はカセット・テープのコマーシャルに使われ、相応の人気を博した。また彼はチェコの作曲家スメタナ<Moldau>をアダプトし、<Waterside>として提供。自分の手元にあるCDは、作曲のSmetanaがSantanaと表記されている。再発盤は修正されているのかな?
セッション作品なので、若干の詰めの甘さはあるものの、ベテラン勢が自分の持ち味を無理なく発揮。それでもこのアルバムは評判を取り、フュージョン名盤の仲間入り。フューズ・ワンは第2作『SILK』を発表し、CTIも地味ながら復活を果たすのである。
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《Tower Records はここから》
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70年代中盤から頭角を現してきていたとはいえ、このラインナップにあっては、ホンのひよっ子。そのウォールに差配を任せたのだから、クリード・テイラーは大胆不敵だ。でも、ほとんど唯一の若手だから、みんなに可愛がられる可能性もあるワケで…。中途半端なキャリアでイキがったり虚勢を張って大御所たちから反感を買いそうなヒトではなく、素直に彼らの懐に飛び込むことができる若手の方が、彼らをひとつにまとめられる、そんな読みがあったのかもしれない。それにテイラーには、若手を登用するしかない裏事情もあったと思われ…。ベテラン勢は昔のよしみで参加してくれても、ハードな作業を伴うアレンジ&指揮だと、そういうワケにはいかないからだ。
…というのも、この時期のCTIは倒産状態にあり、海外ではコロムビアが原盤権を獲得。日本ではそれまで配給契約のあったキング・レコードが日本での原盤権を、ボブ・ジェームスとグローヴァー・ワシントンJrは、それぞれが自分の作品の原盤権を買い取っている。そんな状況の下、キング主導で制作されたのが、このフューズ・ワンだった。
収録曲は基本的にメンバーの持ち寄りで、スタンリー・クラークとマクラフリンが各2曲、ロニー・フォスターが1曲。ジェレミー・ウォールが提供した<Double Steal>はカセット・テープのコマーシャルに使われ、相応の人気を博した。また彼はチェコの作曲家スメタナ<Moldau>をアダプトし、<Waterside>として提供。自分の手元にあるCDは、作曲のSmetanaがSantanaと表記されている。再発盤は修正されているのかな?
セッション作品なので、若干の詰めの甘さはあるものの、ベテラン勢が自分の持ち味を無理なく発揮。それでもこのアルバムは評判を取り、フュージョン名盤の仲間入り。フューズ・ワンは第2作『SILK』を発表し、CTIも地味ながら復活を果たすのである。
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