patti austin_havana candy

CTI再発にちなんでのポスト3日目は、パティ・オースティンの77年2nd『HAVANA CANDY』。レア・グルーヴ方面からの再評価、<Say You Love Me>人気で、最近はデビュー盤『END OF A RAINBOW』(76年) が CTI時代のパティの代表作、みたいに言われている。が、クロスオーヴァー・フュージョン最盛期はむしろ、『HAVANA CANDY』の方がそれっぽい位置付けだったと記憶している。

日本では、とりわけカリプソ仕上げのタイトル曲が大人気で。やはり人気絶頂のハイ・ファイ・セットがカヴァーしてアルバムに収めていたし、『マルサの女』で有名な本多俊之 (sax) のデビュー盤『BURNING WAVE』でも、同じCTI仲間であるシーウインドのポーリン・ウィルソンがパンチの効いたヴォーカルを披露していた。しかも、どちらもパティの盤が出て間もなく。それだけ注目されていたワケだ。

プロデュースは当然クリード・テイラー。だが実質的な制作は、デイヴ・グリーシン&ラリー・ローゼンに委ねられていて。つまり、GRPがレーベルを立ち上げる以前の、制作会社だった頃の一枚。バックにはグルーシン以下、エリック・ゲイル/スティーヴ・カーン/ヒュー・マクラッケン (g), リチャード・ティー (pf), ウィル・リー/アンソニー・ジャクソン/フランシスコ・センテーノ (b), スティーヴ・ジョーダン (ds), ラルフ・マクドナルド (perc), マイケル・ブレッカー (sax), デイヴ・ヴァレンティン (flute), グウェン・ガスリー/ラニ・グローヴス/ユランダ・マッカロウ (cho), ロニー・キューバ/ルー・マリーニ (horns) など 、ニューヨークの手練れがゾロゾロと。

でも最も興味深いのは、この頃のパティはシンガーとしてだけでなく、ソングライターとしてのキャリアも追求していたこと。全9曲中7曲がパティの書き下ろしで、<That's Enough For Me(私は満足)>がパティとグルーシンの曲だった。そしてこの曲がリー・リトナー、セルジオ・メンデス&ブラジル'88に、<We're In Love>がキューバ・グッディング、ジョニー・マティス、シンガーの宮崎正子、トロンボーン奏者の福村博(後にネイティヴ・サン)らに取り上げられていくのだから、本格的。でもこのアルバム以降、あまり曲を書かなくなり、シンガーに専念してしまうのだ。理由は分からぬが、二兎を追う者は一兎をも得ず、なんて考えたのか? それでもクインシー・ジョーンズに重用されたり、レコード会社に昇格したGRPに迎えられたりするのだから結果オーライだが、ケチ臭い自分は、チョッともったいなかったかなァ…、なんて思ってしまうのである。

ちなみにこの12月に来日を控え、ソロ公演と、カウント・ベイシー楽団との共演を予定しているパティ。後者は彼女がソングビックをリリースしているエラ・フィッツジェラルドの曲を歌うらしいが、果たしてソロ公演は? 文字通り、CTIやクエスト期のヴォーカル・チューンを歌ってくれるなら、また観に行きたいところ。歳を召したとはいえスッキリ痩せた今のパティ、クインシーと演ってた頃のビッグ・バディもまた、ちょっと懐かしかったり…

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