

掲載が少々遅れてしまったが、シティポップの隠れお宝アイテム、高橋拓也の79年1stアルバム『FEEL SO COOL』が、ようやくサブスク解禁された。今もって未CD化のアルバムなので、これは貴重なデジタル・リイシュー。一昨年アナログ・リリースされた2作目『FANTASTIC LOVE ON WONDERLAND』と併せての要チェック・アイテムである。
高橋拓也は、かの林哲司がバックアップして76年にデビューしたソフト・ロック系5人組、ルウの中心人物。その貴公子的出で立ち、横浜〜湘南イメージは、デビュー当時の角松敏生か杉山清貴…?、という感じ。アナログ盤のインサートには、純白のカジュアル・スールで、高級ホテルにあるトロピカル・ムードいっぱいのプールサイドに佇む彼が映っている。でも実際のソロ・デビューは、彼らより早い79年のこと。どうもシーンがあたたまってくる前にデビューしてしまった感アリで、言わば彼らの先駆けというか。そしてそのサウンドは、杉真理を髣髴させる多彩なポップス。杉さんもバンドを率いてのデビューは77年だったが、独立デビューは80年。やっぱり高橋拓也は早すぎた。
でも海外でシティポップ・ブームが湧き上がっている今では、そんな時代感覚は関係ない。かって自分がLight Mellow コンピに採用した<Coast-Line>(『FANTASTIC LOVE ON WONDERLAND』に収録)なんて、“いま聴かないでどーする?” というようなライトなドライヴ・チューンであるし。
今回アップされた『FEEL SO COOL』は、甘酸っぱいヴォーカルとハーモニー、ストリングスは爽快に流れていく<想い出のBeach Side>でスタート。スティーヴィー・ワンダーのオマージュ<哀しみのフェスタ>は、潮風香るラテン・ディスコ。バリー・マニロウ<Copacabana>のテイストも強いな。<さいごの こおりが とけるまで…>はメロウなボッサ。スウィング・ジャズの<マダム・エイプリルのお嬢さん>、屈託ないポップ・チューン<SUMMER WINDY IN HAYAMA>あたりは、まさに杉さんテイスト。後半はファンキーな<Love Game>、軽快なギター・カッティングがサンバ・グルーヴをリードする<Mrs.の貴女(君)に>と、歌謡曲チックなデュエット<愛する人よ>やバラード<思い出PART 1>、稲垣潤一みたいな<Midnight Blue>が同居する。
更に嬉しいのは、3枚のシングル曲のうち、ヴァージョン違いだった<哀しみのフェスタ>、シングル・オンリーのアルバム未収3曲<六月の雨><SECRET SEASON><BLIND LETTER>がボーナス・トラック的に追加配信されていること。特に後者2曲は共に坂本龍一アレンジ。高橋拓也のアルバム2枚は、主にプロダクション主導の制作だったようで、著名ミュージシャンの参加があまりない。それだけに、この教授の参加が自ずと目立つし、ニューミュージック的ドメスティック感覚が洋楽チックに進化していくプロセスを捉えているようにも思える。もう一歩突き抜けてAORフレイヴァーにまで持って行けたなら、きっと時代の波に乗れただろう。でも、随所に散りばめられている高中(正義)のヴォーカル版的なサウンド・アプローチは、今なら素直に “面白い” と言えそうだ。
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《Tower Records はココから》
でも海外でシティポップ・ブームが湧き上がっている今では、そんな時代感覚は関係ない。かって自分がLight Mellow コンピに採用した<Coast-Line>(『FANTASTIC LOVE ON WONDERLAND』に収録)なんて、“いま聴かないでどーする?” というようなライトなドライヴ・チューンであるし。
今回アップされた『FEEL SO COOL』は、甘酸っぱいヴォーカルとハーモニー、ストリングスは爽快に流れていく<想い出のBeach Side>でスタート。スティーヴィー・ワンダーのオマージュ<哀しみのフェスタ>は、潮風香るラテン・ディスコ。バリー・マニロウ<Copacabana>のテイストも強いな。<さいごの こおりが とけるまで…>はメロウなボッサ。スウィング・ジャズの<マダム・エイプリルのお嬢さん>、屈託ないポップ・チューン<SUMMER WINDY IN HAYAMA>あたりは、まさに杉さんテイスト。後半はファンキーな<Love Game>、軽快なギター・カッティングがサンバ・グルーヴをリードする<Mrs.の貴女(君)に>と、歌謡曲チックなデュエット<愛する人よ>やバラード<思い出PART 1>、稲垣潤一みたいな<Midnight Blue>が同居する。
更に嬉しいのは、3枚のシングル曲のうち、ヴァージョン違いだった<哀しみのフェスタ>、シングル・オンリーのアルバム未収3曲<六月の雨><SECRET SEASON><BLIND LETTER>がボーナス・トラック的に追加配信されていること。特に後者2曲は共に坂本龍一アレンジ。高橋拓也のアルバム2枚は、主にプロダクション主導の制作だったようで、著名ミュージシャンの参加があまりない。それだけに、この教授の参加が自ずと目立つし、ニューミュージック的ドメスティック感覚が洋楽チックに進化していくプロセスを捉えているようにも思える。もう一歩突き抜けてAORフレイヴァーにまで持って行けたなら、きっと時代の波に乗れただろう。でも、随所に散りばめられている高中(正義)のヴォーカル版的なサウンド・アプローチは、今なら素直に “面白い” と言えそうだ。
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<哀しみのフェスタ>は、シングルとアルバムでMixがやはり違っていたのですね!! アナログで聴き比べていて、そんな感じがしていたのでスッキリしました。2ndになかったミュージシャンクレジットの記載が1stにはありましたが、そこに書かれた【POINT OF VIEW】という高橋さんも属するグループが、ほぼ演奏もされているとしたら、相当なスキルをお持ちだったのですね(<FANTASTIC LOVE IN WONDERLAND>のギターソロは誰なんでしょうね〜? 勝手に高中さんだと思ってますが・・・)。某ファンサイトに書かれていた、LOUの50周年記念ライブも幻となってしまったようで実に残念ですが、早すぎたアーチスト“高橋拓也”の再評価の機運が今回を機にさらに高まって欲しいものです!! 追伸:「FEEL SO COOL」のサイコーにイケてるジャケットの拓也さんが、僕はどうしても、俳優の草川祐馬さん当時の姿に見えて仕方ないのです。