

ジム・モリスン急死後のドアーズを支えていたロビー・クリーガー (g) とジョン・デンズモア (ds) が、バンド解散後、米英を行き来しながら率いていたバッツ・バンド。彼らが73年、75年にリリースした2枚のアルバムが、この7〜8月に相次いでリイシューされた。発売元は韓国BIG PINK。その紙ジャケ盤が国内流通仕様で登場したのだ。この2作、90年代に "Complete Recordings" として2in1スタイルでCD化されたことがあったが、単体としてはそれぞれが初CD化。アヴェレイジ・ホワイト・バンドやココモ、ゴンザレスなどに近い英米混成ホワイト・ソウルから、より洗練された米国産白黒混成シティ・ソウルへ進化していくのが面白く、筆者はプレAOR的要素を持ったリアル・クロスオーヴァー指向のバンドとして捉えている。
73年作『BUTS BAND』は、ドアーズ・コンビが渡英してヴォーカリスト探しに奔走。元ブロンコのジェス・ローデン、ジェフ・ベック『BLOW BY BLOW』で名を上げるフィル・チェン (b)、後にゴンザレス結成に向かうロイ・デイヴィス (kyd) の5人で制作したもの。プロデュースはブルース・ボトニック。リリース元がブルー・サムの割には、なかなかロック寄りの仕上がり。それでもジェスのヴォーカルは充分にソウルフルで素晴らしく…。とりわけ、ゆったりメロウな<Be With Me>が秀逸。ブルージーに揺らぐ<Sweet Danger>もナカナカ。随所にレゲエのビートが響いているのは、ジャマイカ生まれのフィル・チェンの持ち味か。
が、このラインアップはすぐ崩壊。L.A.に戻ったクリーガーとデンズモアは、男女シンガーをフィーチャーする6人組としてバッツ・バンドを再編し、『HEAR & NOW!』を発表した。鍵盤/ヴォーカル兼任のアレックス・リッチマンは、72年にスワンプ系の隠れ好盤『SALTY』を出している女性シンガー・ソングライター。ベースが黒人、ダブル・ドラムにもドラム+パーカッションにもなれる新しいフォーマットは、ドゥービー・ブラザースやリトル・フィート、マナサスなどに倣ってのことだろうか。いきなりボブ・マーリーのカヴァー<Get Up, Stand Up>でスタートするのは驚くが、メイン・シンガーであるマイケル・スタルがルー・ロウルズ似の甘いバリトンの持ち主で、サウンドもよりコンテンポラリーなファンキー・ソウルに。その象徴が<Livin' And Dyin'>で、ダブル・ドラムを生かした<Don't Wake Up>も大らかなファンキー・ナンバーとして耳に残る。
結局バッツ・バンドが機能したのは、この2作のみ。でもそのユニークなメンバー/サウンド変遷もあって、なかなか忘れ難いバンドなのよ。
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《Tower Records はココから》
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が、このラインアップはすぐ崩壊。L.A.に戻ったクリーガーとデンズモアは、男女シンガーをフィーチャーする6人組としてバッツ・バンドを再編し、『HEAR & NOW!』を発表した。鍵盤/ヴォーカル兼任のアレックス・リッチマンは、72年にスワンプ系の隠れ好盤『SALTY』を出している女性シンガー・ソングライター。ベースが黒人、ダブル・ドラムにもドラム+パーカッションにもなれる新しいフォーマットは、ドゥービー・ブラザースやリトル・フィート、マナサスなどに倣ってのことだろうか。いきなりボブ・マーリーのカヴァー<Get Up, Stand Up>でスタートするのは驚くが、メイン・シンガーであるマイケル・スタルがルー・ロウルズ似の甘いバリトンの持ち主で、サウンドもよりコンテンポラリーなファンキー・ソウルに。その象徴が<Livin' And Dyin'>で、ダブル・ドラムを生かした<Don't Wake Up>も大らかなファンキー・ナンバーとして耳に残る。
結局バッツ・バンドが機能したのは、この2作のみ。でもそのユニークなメンバー/サウンド変遷もあって、なかなか忘れ難いバンドなのよ。
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