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この5日に発売された、ソニーミュージック【Hidden Gems in 60/70s 〜発掘! 洋楽隠れ名盤】シリーズ40タイトル。日本初CD化9作品を含む、最近は少々入手しづらくなっていた作品群が、廉価でゲットできます。筆者は前回に引き続き、今回は7作品の解説を担当。まずはそのうち4作品、バンド系のアルバム群をご紹介します。

まずはエドガー・ウインター関連から、共に72年にリリースされた2作、エドガー・ウインターズ・ホワイト・トラッシュ名義のライヴ2枚組『ROADWORK』と、新グループを立ち上げての『THEY ONLY COME OUT AT NIGHT』。前者はホワイト・トラッシュとしての2作目だが、グループの看板シンガー:ジェリー・ラクロアに加え、リック・デリンジャー、兄ジョニー・ウィンターをゲストとしてフィーチャー。ウィンター・ファミリー・レビュー的な意味合いのリリースとなる。収録曲の約半分が、オーティス・レディング、チャック・ベリー、ボビー・ブランド、スティーヴィー・ワンダーらのカヴァーで、17分にも及ぶブルース名曲<Tabacco Road>と<Still Alive And Well>では、リックのギターが大活躍。ウィンター・ファミリーでは番頭格で大活躍するリックだけれど、実はスティーリー・ダン/ドナルド・フェイゲンにも重用される技巧派ギタリストだから、この2曲は大いに注目したい。そしてジョニーは、定番曲<Rock And Roll, Hoochie Koo>(これもリック作)で疾走。アメリカン・ロックの醍醐味を堪能できる好ライヴだ。

後者は当時『エドガー・ウインター4』として国内発売されたもので、全米No.1ソング<Frankenstein>や同14位<Free Ride>を収録。ホワイト・トラッシュに変わる新グループは、ロニー・モントローズ (g) やダン・ハートマン (b) を擁す4人組で、リックはプロデューサーとして貢献している。<Frankenstein>は、当初はシングルのカップリングに予定されていたが、ラジオDJたちが気に入ってオンエアしまくったことから、急遽シングル・カットされた。妙ちくりんなタイトルは、ソロの応酬やら何やらと編集に凝りまくり、マスター・テープがツギハギだらけになったから。バラエティに富んだアルバムで、パワー・ポップ的ニュアンスを併せ持ったアメリカン・ハード・ロックとして第一級と言える。この後ロニー・モントローズが独立し、リックがそのまま後任に収まることに。

そしてホワイト・トラッシュで超絶パワー・ヴォーカルを聴かせていたジェリー・ラクロアが、ソロ活動を経て加入したのが、ブラッド・スウェット&ティアーズだ。デビュー直後に大ヒットを連発し、一躍ブラス・ロックの雄として持て囃された彼らだが、看板シンガー: デヴィッド・クレイトン=トーマス脱退などあって人気凋落。新シンガー:ジェリー・フィッシャーを迎えて巻き返しを図ったものの、なかなか波に乗れず、テコ入れを図ることになった。それが今回リイシューされる74年の通算7作目『MIRROR IMAGE』。フィッシャー&ラクロアのWジェリーの熱血ヴォーカルが楽しめる唯一作で、演奏陣にはリーダー作もある黒人ジャズ・ピアニストのラリー・ウィリス、北欧出身で後年ニューヨークのセッション・ギタリストとして活躍するジョージ・ウェイデニアス、マルチ・ホーン奏者デヴィッド・バージェロンらがいる。つまり、ヴォーカル陣のソウル・フレイヴァーと演奏陣のジャズ・ロック感覚が高い次元で融合している作品なのだ。プロデュースは、スティーヴィー・ワンダーやスモーキー・ロビンソン&ミラクルズ、シュープリームスらに楽曲提供してきたヘンリー・コスビー。中後期のBS&Tをスルーしてきてしまった方たちにこそ聴いてほしい、再評価が進んでいる一枚だ。

そして言わずと知れたジャーニーの、あまり知られていない75年デビュー作『JOURNEY(宇宙への旅立ち)』。元サンタナの天才ギタリスト:ニール・ショーンとヴォーカル兼キーボードのグレッグ・ローリー、ジェフ・ベック・グループやフランク・ザッパ&マザーズ、デヴィッド・ボウイのバンドを渡り歩いた英国人の実力派ドラマー:エインズレー・ダンバー、という3人に、やはりジャーニー黄金期を支えたベースのロス・ヴァロリー、ソングライターとして期待されて参加したと思しきジョージ・ティックナーの5人編成。ハスキー・ヴォイスで味わい深い歌声のグレッグ・ローリーがいるものの、スティーヴ・ペリーのように強いキャラではないから、自ずとショーンのギターが前面に出てきて、結果的にヘヴィかつプログレ色を湛えたジャズ・ロック寄りのスタンスに。アリーナ・ロック期しか知らないと戸惑うかもしれないが、エインズレーと替わったスティーヴ・スミスも元はジャズ出身だし、ニール自身もジャーニーがポップ・ロック路線に進むと、半ばウサを晴らすようにヤン・ハマーと組む。結果的にジャーニー初期3作は指向が定まらず、商業的に失敗。けれどソレはソレ、アレはアレで、この初期ジャーニーは別モノとして案外好きなのよ。

…というワケで、残り3枚の歌モノは次回…。

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