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what's aor #5

いよいよ今度の日曜、16日の開催です。Light Mellow presents 『WHAT’S AOR? Vol.5』@西荻窪・3313アナログ天国。トーク・ゲストのカール南澤さんとは、先日ディナー・ミーティングしましたが、今日の自分は軽く台本書き。と言っても、話す内容のおおよその流れと選曲を決めただけで、あとは現場で行き当たりバッタリ。果たしてどんな話が飛び出すか、という感じで。

今回のテーマ『ブラック・ミュージック × AOR その接近と離反』というのは、奥深く掘り出すと、人種問題や文化の違いなど、大きく広がってしまって収拾がつかなくなるが、両者が融合したり、そうかと思うと反発しあったりと、そのダイナミズムが音楽に表れる。今回はそれをソウル〜R&Bサイドに立ってAOR方面を見てみよう、という試み。年が変わったら、今度は白人サイドからの目線、つまりブルー・アイド・ソウルの特集もやらんとね。

ただソウル〜R&Bサイドと言っても、そちら側だってひと筋縄ではない。例えば、どファンクのバンドが甘いバラードをやったところで、それは大抵AORにはならない。でも人種混成のバンドがバラードをやったりすれば、それは無理なくAORに近くなる。同じ黒人でも、ゴスペル上がりのシンガーとジャズ素養のあるシンガーとでは表現がまったく違ったり、とか。

自分が今から25年前に出した『AOR Light Mellow』初版本でも、ブラック系AORの何処にボーダーラインを引くかで頭を悩ませた。で、その時は、勝手にこう定義づけた。

音がAOR寄りならば、看板が黒人であっても、ソングライターやアレンジャー、プロデューサー、主要ミュージシャンなど、イニシアチヴを握っているキー・パーソン的人物が白人ならば、AORとして許容すべし、と。なので、当時のいわゆるブラック・コンテンポラリーの中で、扱いに差が出てくるワケ。

またキャリアの長いアーティストを、まるごと特定ジャンルに括るのは厳しくて、アルバムごと、時期ごとで見るのが、より正しい選択になるかと。楽曲単位の判断もイイけれど、その曲だけ当てに来るケースもあるので、総合的なバランス感が必要になる。そんな一方で、ずーっと自分のスタイルを変えないヒトもる。レア・グルーヴ人気を通過した今は、いろんな意味でキャパシティが広がっているものの、自分の中では、わりかし明快な境界がある。ただそれを端的な言葉で表現できないから、センスとか感覚の問題になっちゃうんだけど…。ま、その辺を、カールさんと一緒にツラツラとお話しできれば。

さて上掲は、まさに白黒混成の代表格、レスリー・スミスの82年作『HEARTACHE』。プロデュースは、クラッキン時代からの盟友ピーター・ブネッタ&リック・チューダコフという白人チーム。彼らが制作者として最初に当てたのが、かのロビー・デュプリー<Steal Away>なのは、ご存知だろう。そして80年代中盤には、スモーキー・ロビンソンやテンプテーションズでイイ仕事をしている。このアルバムでは、ブレンダ・ラッセルとデヴィッド・フォスター共作の<It's Something>(レイラ・ハサウェイでも有名)、エアプレイやマンハッタン・トランスファーで知られる<Nothin' You Can Do About It>、ネッド・ドヒニー作<Love's A Heartache>など、AOR的名曲が盛りだくさん。でもその曲のアレンジは、白人中心の先行ヴァージョンや作者オリジナルより、むしろマイルドな仕上げ。つまり、黒人だからといって、決してモア・ファンキーではないの。そろそろ在庫が切れても不思議じゃないから、気になる方は、是非お早めに…。

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